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家族で楽しむ、きずな深まるわが家の防災

基本となる「自宅避難」
自宅に安全なシェルターを作ろう
子どもがいると、子どもの欲しい物がなくプライベート空間もない避難所での生活は、とてもハード。今のコロナ禍でなくとも、病気などのリスクも高まるので、「自宅避難」を基本に考えましょう(浸水などで自宅が危ない状況になった場合は躊躇せずに避難を)。
自宅避難のためにまず取り組みたいのは、安全な場所を一つ確保すること。家の中は、家電や家具など実は危ないものだらけで、全ての場所を安全にするのは難しいもの。廊下でも玄関でも、万一のときに家族が避難するスペースを決め、もしそこに鏡があったら別の場所に移すなど、まずはその場所を安全にする対策から進めましょう。
自宅の危ないポイントをチェック

□ 玄関 棚に物を置いておくと倒れて破片が散らばる
□ 廊下 物が散乱して、ドアや避難経路をふさぐ
□ ベッドルーム タンスやドレッサーが倒れ、全面鏡が割れる
□ 子ども部屋 本棚が倒れ、学習机の引き出しが飛び出す
□ トイレ 廊下に置いた棚が倒れてドアが開かなくなる
□ バスルーム 窓ガラスが破損し、ラックの小物が落ちてくる
□ 和室 仏壇やタンスが倒れ、ふすまや障子が開かない
□ キッチン 電子レンジや炊飯ジャーが飛び、食器が飛び出す
□ リビング テレビが倒れ、センターテーブルのガラスが割れる
□ 窓際 窓ガラスが割れて、部屋中に破片が散らばる
□ バルコニー 鉢植えやパーテーションが倒れ、物干し竿が落下
家族バラバラの被災に備える
自分の身は自分で守る練習を
大きな地震が起きたときは、立ってさえいられず、同じ家の中にいてもすぐに子どもの元へ駆け付けられないことも。そのためにも、日ごろから家族みんなで「自分の身は自分で守る」練習をしておきましょう。普段の会話の中に少しずつ取り入れていくのがコツです(下囲み参照)。大切なのは、恐怖心をあおらないこと。「こうしたら大丈夫だよ」とポジティブに話をしましょう。
また、家族がバラバラなときの被災に備え、できるだけ多くの連絡手段を用意しておきましょう。すぐに園に迎えに行けないときにどうするかなどは、事前に話し合いを。習い事先での災害は意外な盲点なので、習い事の運営者に防災対策を確認してみて。
普段の会話に防災を組み込んで

<例>
園で防災訓練があったとき
「今日どんなことを習ってきたの?一緒にやってみようか?」
「こうしたらけがをしなくていいよね」
「ダンゴムシのポーズ(※)をやってみよう」
※災害時に身を守るポーズ。頭を両手で抱え、体を丸めます
外を歩いているとき
「これが倒れてきたら危ないね。近寄らないようにしよう」
「割れたガラスを踏んだらけがするから気を付けようね」
小さな地震があったとき
「もしまた地震があったらこうして逃げようか」
本当に必要なものをそろえよう
習慣になっていることの洗い出しを
食料の備蓄については、非常食を用意しておいても子どもが食べないことや、アレルギーがある場合は食べられないことも。冷蔵庫の中の常備菜やご飯、子ども用のお菓子など、普段からストックしているものは、非常時に役立つものでもあります。今あるものを少しずつ多めに備蓄するように心掛けてみて。
また、命を守ることができたら、その後には「生活」があります。子どもたちにとって、普段やっていることが全くできなくなるのは大きなストレス。一見、災害に関係なさそうなものでも、絵本やおもちゃなど、子どもたちの支えになっているもの、習慣になっていることを洗い出し(左囲み参照)、非常時でも触れ合えるように準備しておきましょう。
非常持ち出し袋は家族旅行の延長をイメージ
浸水被害などで自宅から避難しなくてはならないことを考えて、最低限の非常用持ち出し袋は備えておきましょう。家族旅行の延長上をイメージして荷造りを。子どもを抱っこする場合もあるので、リュックサックがおすすめです。その上で非常時に必要なグッズを検討して。夏の暑さ対策、冬の防寒対策も忘れずに。
家族で話し合ってみよう

<例>
「パパは仕事中はコンタクト。家ではメガネが欠かせないよね」
「〇〇くんは電車が大好き。電車のおもちゃが必要ね」
「ママと子どもは甘いモノが大好き。一息つくとき用にクッキーを」
被災者の声から学ぶ 「あって良かったグッズ」
掃除・片付けに使える物、電気や水が止まったときに役立つ物、衛生用品、非常用トイレなどが多いようです。また、絵本やボードゲーム、現金など、アナログなアイテムが非常時には重宝されます。こちらをヒントに、家族で必要な物をそろえましょう。
□ ほうき&ちりとり
□ 充電式掃除機
□ 軍手
□ バケツ
□ LEDライト・キャンドル
□ 電池式or充電式ラジオ
□ 電池式モバイルバッテリー
□ ウエットティッシュ
□ 使い捨てカイロ
□ マスク
□ 保湿クリーム
□ 非常用トイレ
□ 生理用ナプキン
□ オムツ
□ おんぶ紐
□ リュックサック
□ キャリーカート
□ キッチンバサミ・ピーラー
□ レインコート・ポンチョ
□ レトルト食品、缶詰
□ 野菜ジュース、乾物、フリーズドライ食品
□ チョコやキャンディー、ビスケット
□ 絵本やボードゲーム、カードゲーム
□ 現金
家族で「防災ごっこ」をしよう
必要な物が見えてくる
「防災ごっこ」といっても、特別なことではありません。例えば、家の中を真っ暗にして、「玄関までたどり着ける?」と歩いてみるだけなら、遊び感覚でできそうですよね。「これだけ真っ暗になる」という経験があるのとないのとでは、いざというときに全然違います。また、ランタンの明かりの中で、カードゲームやボードゲームなどを、家族で楽しんでみるのはいかが。「防災ごっこ」を体験することで、「今まで気が付かなかった必要な物」が見えてくることもあります。子どもと一緒に公園に出かけ、賞味期限間近の非常食をランチ替わりに食べてみるなどの「防災ピクニック」もおすすめですよ。
