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旅の裏技を公開、ねらいは「小学生以下添い寝無料」のホテル

旅の裏技を公開、ねらいは「小学生以下添い寝無料」のホテル

旅行作家の吉田友和さんによるコラム。9歳、7歳の娘がいる吉田さんのママは出張が多く、ママがいないときは一人で面倒を見なければなりません。「ならば、旅をすればいい!」そんな吉田さんが語る「パパだけ子連れ旅」の魅力とは?

旅先でホテルに着いて、まず最初にすることは何だろうか? 我が家の場合は、「ベッドの上を飛び跳ねる」である。


飛び跳ねるのは、二人の娘たちだ。夜遅くに着いたときはさすがに自重するし、あまりに度が過ぎると注意もするが、考えたら自分が子どもだったときも同じように飛び跳ねていたような気もするなぁ。

もちろんベッドのない部屋では無理なのだが、うちの子どもたちは圧倒的に洋室が好きだ。ホテルに着いて和室だったら露骨にがっかりされるので、近ごろは和室にはなるべく泊まらないようにしている。

そんなわけで、今回はホテル選びについて書いてみたい。パパだけ子連れ旅ならではの予約術を紹介します。

子連れ旅で理想的なのはこんなホテル

仕事柄、出張でしばしばホテルに泊まる。いわゆるビジネスホテルがほとんどだ。シングル利用なら十分だが、子連れの旅ではその種の宿に泊まることはまずない。子連れで快適なところ、子どもたちも楽しめるところとなると、ビジネスホテルは選択肢から外れるのだ。

では、どんな宿が理想的なのか。自分が特に重視している2点について、ここでは紹介したい。

客室が広めか

絵を描いたり、読書をしたり。くつろぎの時間だ

まずチェックするのが、客室の広さだ。最低でも20平米はほしいが、20平米だと本当にギリギリのラインという感じ。

料金などほかの条件とのバランス次第だが、広ければ広いほどいい。我が家の場合は、父と娘2人(小学校低学年)の計3人で、単純に狭いと窮屈というのもある。荷物はそんなに大きくないものの、子どもたちがそこら中に散らかすので、なおさら空間には余裕があるとうれしい。

ホテルの滞在時間は意外と長い。というより、うちの子たちはホテルで過ごす時間が大好きである。ホテルには「寝に帰るだけ」というようなケースは滅多になく、ホテルライフを満喫できるかどうかは旅の満足度に直結する。

ベッド以外にソファなど、くつろげるスペースは必須だ。部屋のサイズ以外にも、ベッドのサイズも気になる。我が家は添い寝が基本なので、なるべく幅が広いベッドが望ましい。

クイーンサイズ以上のダブルベッドだと言うことないが、国内旅行だとそういう大きなベッドは滅多に見ない。ダブルの部屋を選ぶと、「えっこれでダブル?」と驚くほど小さいベッドということもあるので注意が必要である。

そうすると無難なのは、ダブルよりツインということになる。中でもベターなのは、シングルベッドを2台すぐ横に並べられるスタイル。「ハリウッドツイン」と呼ばれる形式だ。

ベッドを並べると、間に割れ目が若干できてしまうものの、それもまたご愛敬。子どもたちにとっては、そういう些細な違和感こそが旅の思い出になったりする。「パパが割れ目に落ちてたよね」などと笑われたりしつつ。

客室のサイズや、ベッドの幅はホテル予約サイトに明記されている。それらの数値を必ず確認するのは、子連れでのホテル予約の定石だろう。

朝食ビュッフェが美味しいか

姉妹でも取る料理が結構違うのがおもしろい

一人旅では素泊まりのこともあるが、子連れ旅では原則、朝食付きを選ぶ。

素泊まりにして、宿近くのファミレスのモーニングへ行ったりしたこともあるが、面倒だし、正直あまりいい作戦には思えなかった。コンビニなどで買ってきて部屋で食べるのも味気ない。

ホテルの朝食というと、たいていはビュッフェ形式である。好きなものを自分で選んで食べられるのは、子ども心にもワクワクするものがあるようだ。

小さかった頃は、食べきれない量を欲張って皿に盛っていた娘たちも、最近は食べられる分だけを取るようにしているのを見て、成長したなぁと感心させられる。見方によっては、好き嫌いがはっきりしてきたともいえるが。

ビュッフェ朝食では卵料理がオーダー式だったりするが、次女はこの「その場で作ってくれるオムレツ」がとくに大好物だ。ほかのものは一切取らずに、オムレツばかり何度もお替りしたりしている。

ビュッフェ朝食に関しては、ホテルによって差がある。ある程度は料金に比例するのは当然としても、同レベルのホテルでも力を入れているところと、適当なところがある。予約段階で、朝食の内容や評判などをチェックするのはマストだろう。

なお、旅館など、もともと食事付きという宿に泊まるなら、特に理由がない限り夕食も付けることは念のため補足しておく。

子連れ旅ならではのお得な予約方法

ホテル代の高騰が止まらない。物価高やインバウンド需要など要因はさまざまあるが、旅行好きとしては頭の痛い状況である。

加えて我が家の場合は、下の子が小学生になった影響も大きい。保育園児だった頃は、人数にカウントされなかったので、宿泊費の負担は抑えられていた。

ところが、小学生になると幼児のときのようにはいかない。宿泊人数が一人増える形になり、宿泊費が一気に跳ね上がった。

小学生の料金体系は、ホテルによってまちまちである。小学生料金がきちんと設定されていることもあれば、大人と同料金ということもある。

これは裏を返せば、工夫する余地があるともいえる。選び方次第で、料金が大きく変わってくるからだ。では、少しでも安く、お得に泊まるためにはどうすればいいのか。

「大人1名+子ども2名」だと空室が出てこない?

一般的に、ホテル予約サイトで子どもの人数を入力する際、「小学生」という項目が用意されている。中には「楽天トラベル」のように、「小学生 高学年」「小学生 低学年」に入力欄が分かれているケースもある。

幼児の場合には食事および寝具の有無を選択するのが一般的なので、それと比較すると単純明快である。しかし実はこれは、システム的には融通が利かないともいえる。

たとえば我が家の場合、「大人1名+小学生2名」と入力して検索するのだが、ホテルによってはトリプルルーム以上の部屋しか出てこないことがある。あるいは、明らかに部屋は空いてそうなのに満室と表示される。

これは大人か子どもかに限らず、宿泊者が3名としてカウントされるせいだ。ダブルやツインは空いているが、それらの部屋にはシステム上3人では泊まれないルールになっている。大人1名、子ども2名というケースは少数派なのだろう。

幼児のときには、「寝具なし」を選択することでこの問題は回避できたので、娘が小学生になったばかりの頃は戸惑った。

あれこれ試行錯誤した結果、思いついた解決策は以下の2つだ。

  1. 大人2名、子ども1名で予約する
  2. 大人1名で予約する(条件付き)

ホテルにもよるが、比較的よくあるのが「大人1人につき子ども1人まで添い寝無料」というパターン。その場合、「01.大人2名、子ども1名で予約する」のやり方にすれば空室が表示される。

難点は、1名分は小学生なのに大人と同じ料金がかかることだ。仕方がないとはいえ、なんだかモヤモヤした気持ちになるのも正直なところである。

どちらかといえば、狙いたいのは「02.大人1名で予約する(条件付き)」だ。ただし、こちらは条件付きで、対応するホテルは限られる。それゆえに、裏技の一種といえるかもしれない。

狙いは「小学生以下添い寝無料」のホテル

「02.大人1名で予約する(条件付き)」の方法に気が付いたのは、予約サイトに「小学生以下添い寝無料」と明記されていたホテルを予約しようとしたときのことだった。「大人1名につき子ども1人まで」みたいな記載はなく、「小学生以下添い寝無料」とだけ書かれていた。

ところが、いざ予約をしようとすると、「大人1名+子ども2名」ではまったく空室が表示されない。試しに人数を変えてみると、部屋自体たくさん空いていることが確認できるので、システム上の都合で弾かれているのだろうと想像した。

そこで、直接そのホテルに電話して聞いてみたのだ。すると、子どもは無料なので、大人の人数だけ入力して予約すればいいと教えてくれた。

本当は3人で泊まるのに1人と入力するのは、うそをついているようで気が引けたが、言われた通りに予約して普通に泊まれてしまった。料金はシングル利用と同等なので、かなりお得な金額になっていた。

このホテル、仮に子どもが1人だけだったとしても、「大人1名+子ども1名」で予約すると子どもの分が無料にならない。大人1人で泊まるよりも割高な金額が表示されるから、気が付かないと損をしてしまう。

条件付きながらも、かなりお得に泊まれるので、「添い寝無料」の記述を見つけたら試す価値はあるだろう。できれば電話などで事前に確認したいところだが、予約フォームの備考欄など自由記述できる箇所に、「子ども2名添い寝です」などと記入する方法もある。経験上、それで問題になったことはない。

なお、「添い寝無料」のホテルの中には、「大人1名+子ども2名」と入力しても、普通に子どもを添い寝扱いにして空室が表示されるところもある。当然、料金は大人1人分だけだ。変に引け目を感じずに済むし、堂々と正攻法で予約して宿泊できるから、我が家にとっては理想的なホテルといえる。

今回のまとめ

今回はパパだけ子連れ旅のホテル選びについて紹介した。

ほかにもホテルの立地や、設備の新しさ、大浴場の有無なども選び方のポイントといえる。車で行くときは、駐車場の有無や駐車料金も要チェックだ。それらについてすべて書いていくとかなりの長文になりそうなので、今回はひとまず特に重要な点に絞って解説してみた。

ホテル予約サイトは、子連れに最適化されていないこともある。ややこしいのだが、上手く使いこなせればお得に泊まれるので、色々と試してほしい。

あとは宿泊当日の注意点なども色々書けそうだが、いずれまた改めてお伝えできればと思ってます。

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担当カテゴリー

おでかけ・旅行

旅行作家 吉田友和

1976年生まれ。人生初の海外旅行は世界一周。その後、旅行作家として国内外を旅して回りながら執筆を続ける。妻が出張で長期間家を空けることが多く、近年はパパだけで2人の娘たちを連れて旅へ出るパターンが増えている。『3日もあれば海外旅行』(光文社)、『夢と冒険の旅 世界一周ガイド』(小学館)、『東京発 半日旅』(ワニブックス)など著書多数。

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