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やっぱり早寝早起きが大切!コツと練習で今日からできる
子どもの睡眠不足が引き起こす問題とは?
「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠の大切さは広く認識されています。では、子どもの睡眠が不足すると、具体的にどのような悪影響があるのでしょうか。
愛波さんによると、免疫力が低下して風邪をひきやすい、運動能力が低下してケガをしやすいなどの体への影響に加え、イライラして暴力的になるなど、心への影響も大きいそうです。
実際に、いじめや不登校も、睡眠習慣を整えることで改善する場合も多いとか。睡眠習慣が乱れたまま小学校生活をスタートしてしまうと、朝起きられず遅刻する、授業中に集中力が続かない、居眠りしてしまうなどの問題が起こり、学力低下にもつながってしまいます。
子どもの睡眠は「コツと練習」で改善される!?
愛波さんのもとには、「夜泣きをする」、「睡眠が不規則」、「夜遅くまで寝てくれない」、など、乳児から小学生まで、子どもの睡眠に関する悩みが寄せられます。
二人の男の子をもつ愛波さん自身、長男出産後は、寝かしつけに苦労したそう。ところが、乳幼児の睡眠に関する本や論文を読み漁り、対処法を実践したところ、夜7時にはひとりでスッと眠ってくれるようになったとか。その感動が現在の活動につながっているそうです。
「『子どもは疲れたら自然に寝てくれるはず』と思っていましたが、大きな誤解でした。脳が疲れると、ストレスホルモンのコルチゾールが過剰分泌され、さらにハイテンションになり、眠れなくなることがあります。科学的な知識とコツを知り、練習すれば、子どもの睡眠問題の大半は改善されます」とのこと。
就学前後の子どもの理想的な睡眠習慣とは?
各年齢における必要な睡眠時間を確認してみましょう(グラフ:National Sleep Foundation提供・愛波さん訳)
就学前の3〜5歳児は、1日に計10〜13時間の睡眠が必要です。昼寝を含めて、1日の合計睡眠量をきちんと取ること、朝自然に目が覚めるように生活習慣を整えることが大切です。
昼寝をして、22時や23時と就寝が遅くなってしまう場合は、昼寝を卒業する時期だと考えてよいでしょう。とはいえ、保育園に通っていると、4-5歳でも2時間前後の昼寝時間が設けられていることがほとんどです。
「体力的に昼寝が必要なくなったと感じる場合は、休日だけでも昼寝をやめて、平日よりも早く寝かせてあげましょう」と愛波さん。
「合計の睡眠時間だけでなく、早寝早起きも大事です。朝自然に起きることが理想なので、遅寝の場合は15分ずつ就寝時刻を早くしてみることから試してみてください。そして、朝、きちんと太陽を浴び、セロトニンの分泌を促すことが大切です。そのセロトニンが夕方ぐらいから睡眠ホルモンのメラトニンに変わっていき、夜眠くなってきます。睡眠ホルモンのメラトニンがうまく分泌されるためにも、生活リズムを整えることがとても大切です」
スムーズな睡眠を促すための3つのコツ
幼児期の子どもが理想的な睡眠習慣を身につけるためのコツを、3つ教えていただきました。
1. 寝る前のルーティン(生活リズム)を作る
寝る前の準備を、毎日同じルーティンで行います。たとえば、「お風呂→パジャマに着替える→歯を磨く→絵本を読む→電気を消す」などですね。
毎日同じ時間帯に同じ順番で繰り返すことで、スムーズに眠りにつくことができます。
2. 睡眠環境を整える
室温は、大人が少し肌寒いと感じる温度(20〜22度)に設定し、下着、パジャマ、スリーパー(または布団)を身につけます。部屋は暗くします。
ただし、2歳頃からは想像力が発達し、暗い部屋を怖がることがあるので、その場合は、赤やオレンジなど暖色系のフットライトなどで、少しだけ明かりを取り入れます。
3.安心感・幸福感を与える
大人でも心配事があると眠れませんが、子どもも、幼稚園で嫌なことがあったりすると、睡眠に影響します。ママやパパと一対一で話をする時間を作り、心のケアをしてあげましょう。
ブランケットやぬいぐるみなど、安心できるグッズがあるとよいですね。おもちゃは刺激になってしまうので、寝室には置かないように。添い寝は、自分たちが何も問題を感じていない場合は、そのまま続けても大丈夫。「一人寝は何歳からすべき」ということはありませんし、もしも一人寝を教えたい場合は、いつでも教えることは可能です。
いかがでしょうか。やみくもに早く寝かせようとするのではなく、コツと練習が必要なのですね。愛波さんのアドバイスを参考に、親子ともに穏やかで安定した生活習慣を身につけられますように。
取材協力:乳幼児睡眠コンサルタント、APSCアジア代表・IPHI日本代表、
Sleeping Smart Consulting LLC代表 愛波文さん
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