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「子どもの自立」考えるならこれは避けて!NG対応2つ

「子どもの自立」考えるならこれは避けて!NG対応2つ

子どもを早く自立させるためには、なんでも自分でやらせたほうがよい? それとも親がいろいろと手伝ったり見本をみせてあげたほうがよい? これは親にとって重要なテーマと言えるでしょう。
今回は心理カウンセラーの立場から、子どもの自立のための親の対処法や上手な見守り方を紹介します。

子どもを自立させたいときに避けたいNG対処法

●まったく手を出さない
まず、子どもの自立を理由に、「自分のことは自分で」を徹底する親がいますが、本当の意味での自立を期待するのであればこの方法はおすすめできません。
例えば子どもが頼ってきたときや甘えてきたときに、「自分のことは自分で!」と返事をしてやらせていると、子どもは多くのことを自力でできるようになります。しかしこれは“見せかけの自立”になってしまうことが少なくありません。
精神的には親を頼りたいのに、それができずに親を信じられなくなってしまうと、人を信頼することそのものができなくなり、年齢を重ねるごとに友達とのトラブルや恋愛トラブルを抱えるようになる可能性もあります。

●何でもやってあげる
では、何でも手伝ってあげれば自立するのかといわれれば、もちろんこれもNGです。親がやってしまいがちなのが、子どもがミスをしそうになったからお手本を見せるつもりで、最後までやってあげてしまうパターン。
何でもやってあげる裏側には、「わが子にはできない」という、子どもへの不信が潜んでいます。子どもも、親が自分を信じてくれていないことを敏感に感じ取るため、「自分はできない子だ」「できない自分に問題がある」という思いにさいなまれ、自己肯定感を低くしてしまいます。

自立した子どもに育てるためのおすすめの方法

●原則は見守り、できなかった部分だけを手伝う
自立した子どもに育てたいのならば、加減をして手伝うことが大切です。手伝わなければ自立するわけではなく、手伝いすぎればもちろん自立しません。
自立させたいと考えるならば、まずは子ども自身にやらせます。しかしどこかで必ずできない部分や、つまずく部分が出てきます。このときには、できないことを責めたりせずに手伝ってあげましょう。ただし「できなさそうだ」「つまずきそうだ」という予測で手出しをすることは、自立を妨げます。失敗したり、つまずいたりを経験する前に手や口を出されると、子どもは「本当はできたのに」という気持ちをもつのです。適切な箇所での手助けであれば、「困っているときに、パパやママに助けてもらえた」と受け止めることができます。


●できたら、頑張ったことを褒める
自立といっても、幼児期にできることといえば、靴下をはくとか、でかけるときに持ち物の準備をするとか、大人から見れば当たり前のことです。しかし子どもにとっては大変な努力をしなければできないことだということを、忘れてはいけません。子どもができたことや、頑張った部分については、しっかりと「よく頑張ったね!」と褒めてあげることが大切。その言葉や態度を見て、子どもはさらに頑張ろうと思い、自立を促すことにつながります。
ここで、できなかったことに注目して、「もう幼稚園生なのに、できなかったら恥ずかしいよ」「こんなこともできないのは困るね」など、否定的な言葉で評価をしてはいけません。子どもが「自分はダメな子だから、どうせできないんだ」と考えるようになるため、自立を妨げます。


●ときには甘やかす
子どもは、本当はできるのだけれど、甘えて「できない」と言うことがあります。もちろん大人には、本当はできることがバレバレです。
こんなとき「何をいってるの!本当はできるでしょ、自分でやりなさい」といって頑張らせることはおすすめできません。子どもの甘えたい気持ちを満たしてあげることで親との信頼関係が築かれます。そこを無視をすれば信頼関係が崩れるでしょう。「本当はできるけど、やってほしくなっちゃったのかな?」といって、「そんなときもあるよね」と受け止めてあげることで、自立を促すことができます。

自立するための根幹を作りましょう

自立とは、ただ大人の手を借りずに日々の作業ができるようになることではありません。周囲の人と信頼関係を築き、協力しあって人生を乗り越えていけるようになることです。このとき根幹になるのは、親や家族など身近な大人との信頼関係、そして自分への信頼です。
日々の生活の作業をひとりでできることは、ただ枝葉に過ぎません。根や幹がしっかりと築けている子は、やがて枝葉を上手に広げ、伸ばしていくことができますし、枝葉が折れたときや思うように伸びないときでも、あきらめずに新しい枝葉を伸ばし続けることができるはずです。
小さい頃に大人に適切に手伝ってもらえることは、子どもに「いつかひとりでできるようになるんだ」という希望を与えます。また早くできるようになって、大好きな大人に見てもらいたい、褒めてもらいたいという気持ちをもたらします。だからできるようになるし、結果、自分への信頼度が増すのです。子ども自身が時間をかけてでも、しっかりと一歩ずつ前進できるよう、突き放すことなく、適切に手を貸してあげることが大切だと思います。

ライター

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心理カウンセラー、占い師 あん茉莉安

ふたりの女子の母。専門はスピリチュアルと発達心理学。得意分野は幼児教育、習い事、小学校お受験、中学受験など。趣味は歌とバイオリン。教員免許、図書館司書、学校図書館司書の資格をもっています。占いやパワーストーンを通してさまざまな癒しを皆さまへお届けしています。

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