【フェムケア】生理期間を快適に過ごす最新アイテム「月経カップ」「月経ディスク」を専門家が解説

“フェムケア”“フェムテック”という言葉を知っていますか?女性は毎月の生理や妊娠、出産、更年期などのイベントと共に体調の変化が起こります。ママの身体や心の変化を知り、正しいケアの方法を知ることで、家族の日々の幸福度をアップさせていきましょう!
助産師の石嶺みきさんによる最新“フェムケア”のコラム。今回のテーマは「最新の生理用品 第2弾」です。
最新の生理用品、知っていますか?
生理期間をより快適に過ごしたい、デリケートゾーンのかゆみや匂いから解放されたい、ナプキンの不快感を何とかしたい、などと思ったことはありませんか。今回は、前回お伝えした「最新の生理用品」についての第2弾、「月経カップ」と「月経ディスク」についてお話しします。
前回記事:「【フェムケア】最新の生理用品を知って、より快適に!生理に寄り添うアイテムを紹介」の記事はこちら
ここで1つ質問です。あなたはこれまでに「月経カップ」や「月経ディスク」を使用したことはありますか?聞いたことはあるけれど、使ったことはないという方が多いのではないでしょうか。
「月経カップ」とは?
月経カップとは、膣内に直接挿入して経血を貯めるためのカップです。経血が外に出ないので、生理中の蒸れや肌トラブルが軽減されることが期待できます。また、一度購入すれば数年間繰り返して使えるので、環境への配慮やSDGsの観点からも注目されています。
国産月経カップブランド「murmo(マーモ)」(株式会社murmur)が行った、最新の月経カップに関する調査(※)によると、「月経カップを知っていますか?」という質問に対して約半数(48.9%)が「はい」と回答しました。多くの生理用品が存在する中で、月経カップの認知度は意外と高いという結果になりました。
しかし、知っていると答えた人のうち約8割が未経験であり、「今後も使用を考えていない」という回答が最も多く(49.1%)、まだまだ皆さんのなかでは使用のハードルが高いアイテムであるという認識のようです。
※株式会社murmur「月経カップ」に関する調査 2024年
自分に合った大きさや使用感のものを探そう
でも、実際はそれほど難しいアイテムではないんですよ。ポイントはカップの正しい挿入方法を覚えて、適切なサイズのものを使用することです。カップは使用時に指で折りたたんで膣内に挿入する必要があり、サイズはタンポンより少し大きめです。そのため、膣内への挿入時に心理的な抵抗を感じる方は、使用を躊躇するのかもしれません。
しかし現在では、形やサイズ、素材にこだわったたくさんの種類のカップが販売されていますので、自分に合った大きさや使用感のものを探しましょう。カップには目盛がついていますので、経血の量を把握することもできますよ。

「月経ディスク」とは?
次に「月経ディスク」ですが、これはナプキンやタンポン、吸収ショーツ、月経カップに次ぐ最新の生理用品と言われています。お椀のような形状をしており、腟口よりも奥にある子宮頸部の近くに装用するアイテムです。膣口付近に装着する月経カップとは留め置く場所が異なります。
月経カップよりも容量が多いアイテムが多く、経血量が多い人にも安心です。また、使い捨てのタイプと繰り返し使えるタイプのものがあるんですよ。

月経カップと月経ディスクはこんな人におすすめ
生理時の肌トラブルや匂いを軽減したい人にはもちろん、スポーツをする人にも適しています。ナプキンをこまめに交換する手間がなくなるうえ、激しく動いても経血が漏れる心配もほとんどありません。使い始めなど漏れが心配な場合は、吸収ショーツと併用すると安心ですね。
また、ナプキンやタンポンではなかなか判らない自分の経血の量や色を把握できるため、健康チェックにも役立ちます。
使用期間は守りましょう
但し、注意も必要です。ナプキンよりも長時間使える月経カップや月経ディスクですが、極端に長い時間での使用や取り出し忘れなどによって膣内で黄色ブドウ球菌が増殖し、その菌が産生する毒素が原因で起こる「毒素性ショック症候群(toxic shock syndrome;TSS)」を引き起こしてしまう可能性があるので、メーカー記載の使用時間を必ず守りましょう。

月経カップと月経ディスクは再利用が可能でエコな選択肢です。使い心地や生活スタイルに合わせてセレクトしてみてください。生理期間も貴女らしく、ご機嫌に過ごせますように。
次回は、「ママの体と心の変化」についてお伝えします。
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担当カテゴリー
子どもの健康・発達
助産師・看護師・栄養士 石嶺みき
助産師、看護師、栄養士。ミキズハウス助産院院長。株式会社FM BIRD所属。不妊治療中に献身的に励ましてくれた助産師に強い憧れを抱き、出産後に看護学校に進学。助産師専攻科を経て助産師資格を取得。卒業後は大学病院産婦人科外来・病棟に勤務し多くの出産に立ち会う。
その後、保健センター勤務に転じ、産後のメンタルサポートや妊娠SOS相談窓口、新生児訪問、乳幼児健康診査なども行う中で、フェムケア教育の普及活動を思い立ち独立。一般の方だけでなく、看護学校の教員や助産師、看護師などを対象とした講習会などを開講。現在は“全ての世代に、泌尿生殖器ケアを通して幸せになってもらいたい”という信念のもと、「フェムケア」「おちんちんケア(オムケア)」「思春期性教育」をはじめとする講演を広く行うなど、積極的に活動中。
「ぞうちんとぱんつのくに」原作・監修(2024年、KADOKAWA)