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その疲れ、肌荒れ、ストレス…春の不調は免疫の低下が原因かも!? 免疫を高める3つのポイント

新年度、新しい環境やプロジェクトに向かって頑張っているみなさんへ。「気を張っているけれど、なんだか疲れがとれない」「最近、寝つきが悪い気がする」そんな悩み、感じていませんか?
もしかすると、それは免疫力の低下が原因かもしれません。年度初めは外食が増えたり、生活リズムが乱れがち。そんな時期こそ、自分の免疫を見直すチャンスです。
今回は、免疫力を高めるために今日からできるケア方法を紹介します。
免疫低下の4つのサイン
免疫が下がると、さまざまな不調として現れます。最近こんなサインはありませんか?
- 肌荒れがひどくなってきた
- 疲れがなかなか取れない
- 寝つきが悪い/朝起きづらい
- 水を飲んでも口の渇きが続く
こうしたサインは、体を守る免疫の働きが弱まっているサインかもしれません。さらに、免疫が低下すると感染症にかかりやすくなったり、アレルギー症状が悪化したり、腸内環境や自律神経の乱れにもつながります。
そもそも「免疫」とは?
免疫とは、体がウイルスや細菌などの病原体から自分を守るシステムのことです。お城の防御にたとえると、以下の2つの役割に分けられます。
粘膜免疫(お城の外壁や門番)
体の入り口(口・鼻・腸など)で病原体の侵入を防ぎます。IgA抗体や鼻・喉の粘液がこの役割を担っています。
全身免疫(お城の兵士や司令官)
体内に入ってしまった病原体に対して、T細胞・B細胞などの白血球たちが反応して排除し、記憶することで再度の侵入に備えます。
免疫を高めるための3つのポイント
鍵は運動・食事・睡眠のトータルコンディショニングです!

1.適度な運動で血流と免疫を活性化
適度な運動は血流を促進し、免疫細胞の働きを高めてくれます。ただし、ハードな運動は逆効果。ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられる運動を、朝や寝る前の習慣に取り入れてみましょう。こんなエクササイズ、やってみませんか?
腹式呼吸

脚腕対角線伸ばし

2.腸内環境を意識した食事を
免疫の中心は「腸」にあります。食事の内容次第で腸内環境は大きく変わります。以下の栄養素を意識しましょう。
- たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品):免疫細胞の材料
- ビタミンC(柑橘類・ピーマン・ブロッコリー):抗酸化作用で免疫をサポート
- ビタミンD(魚・きのこ・日光浴):免疫調整に重要
- 発酵食品・食物繊維(ヨーグルト・納豆・味噌・野菜など):腸内の善玉菌を増やす
特に注目されているのが、腸内細菌が食物繊維を分解して作る「短鎖脂肪酸」(酢酸、プロピオン酸、酪酸)です。これらは免疫細胞の働きを助け、炎症を抑える効果があります。
主な腸内細菌とその働き
- ビフィズス菌:善玉菌の代表。免疫力アップをサポート
- 乳酸菌:腸内の酸性度を高め、悪玉菌の増殖を防ぐ
- 酪酸産生菌:腸の粘膜を保護し、炎症を抑制
- 大腸菌群:一部は有害だが、バランスを保つことで正常な腸の働きを維持
食事のポイント
- 食物繊維・発酵食品を毎日の習慣に
- 脂質・糖分の摂りすぎに注意
- 水分もしっかり。1日1.5L〜2Lをこまめに摂取
3.質の良い睡眠をしっかりとる
睡眠中、体は免疫細胞を活性化し、ダメージを回復します。1日6〜7時間以上の睡眠を目安に、寝る前はスマホを控える・照明を落とすなど、環境づくりも意識しましょう。
そのほかにできること
- ストレスケア:趣味や自然の中で過ごす時間を大切に
- 規則正しい生活:喫煙や過度な飲酒は免疫を下げる原因に
- 深呼吸・瞑想:自律神経を整え、免疫機能も安定します
毎日のケアで“強くしなやかな体”へ
新しい環境や忙しい日々の中で、自分の心と体の声を聞いてあげる時間を持ちましょう。日々の積み重ねが、あなたの免疫力を底上げし、より元気に、よりしなやかに成長していく土台になります。
今日からできることを、ひとつずつ。あなたの健康を、あなた自身の手で守っていきましょう!
参考になる情報
1)日本スポーツ振興センター. (2024). アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック.第2章 免疫機能を意識して、感染症を予防.p7-10.
2)宮内栄治、佐々木伸雄.(2023).腸内代謝物質を介した免疫系の修飾. 生化学 95(4): 475-482.
運動に関する情報
広瀬統一. (2023). 大人女子のすごい体幹トレ&ストレッチ.Gakken.
イラスト/マルサイ