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感覚過敏な子どもたちと過ごす日々…我が家の対策方法!

発達に特性がある、我が家の兄弟。
二人とも「感覚過敏」があり、慣れていくどころか年々苦手なものが増えていく…過敏さも増していきます。二人の苦手な感覚もそれぞれ違い、お出かけも困難を極めています。
今回は、少しでもお出かけが楽になるような対策や予防法などをご紹介したいと思います。
感覚過敏とは?
感覚過敏とは、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)から受け取る刺激を過剰に強く感じてしまう状態です。その症状や度合いには個人差があり、不快感が生じたり、激しい苦痛を伴ったりします。感覚過敏の対策は、「刺激を避ける」「道具で軽減する」「周囲の理解と協力」が基本といわれています。
兄弟でも苦手な感覚が違い、実は母親である私自身もかなりの感覚過敏があります。大人になると自分が苦手なものがわかるので避けたり、上手に対策しながら生活できるようになりますが、子どもだとなにが不快か周りにうまく伝えられなかったり、みんな平気なのになんで自分だけ不快になるのかわからなくて…とても苦しいですよね。
次に、五感それぞれの刺激や対策についてお話したいと思います。
視覚過敏
晴れているとまぶしくて目を開けにくい、テレビやパソコンの画面がチカチカまぶしい、紙の白が極端にまぶしく感じるなどがあります。
うちの子どもたちは今までなかったのですが、最近はトンネルから出た後のまぶしさが極度に苦手なことがわかりました。住んでいる環境が田舎なのであまり慣れていないのもあり、都会に出ると視覚から入る情報量や光の量が多すぎて、さらに人や車の動きも加わり、目や頭が追いつかず車酔いのような状態になってしまいます。
強い光に対してはサングラスなどの色付きメガネや帽子で対策しています。人混みなど苦手な刺激のある場所を避け、不快な刺激を感じたらすぐに休憩したり遠ざかったりするように心がけています。

聴覚過敏
聴覚過敏は、ただ大きな音が苦手というだけではありません。みんな平気な音でも、本人にとっては苦手に感じてしまうのです。
蛍光灯や冷蔵庫の音、時計の秒針のような小さい音も気になったりイライラしたりします。他の人の声や周囲の雑音が全部大きく感じられ、騒がしくて耳をふさぎたくなることも。
次男は花火など急な大きな音でパニックになり、長男は怒りや悲しみなど感情のこもった声が苦手で、外出時に苦労します。長男はゲームセンターが大好きですが、次男は音が苦手です。
我が家ではイヤーマフやノイズキャンセリング機能付きヘッドホンを持ち歩いています。もう少し大きくなったらイヤホンや耳栓も使えるようになり、荷物は減るのではと思っています(笑)。

嗅覚過敏
我が家では「嗅覚過敏」が一番の課題です。私自身も子どもの頃から苦手なにおいが多く、物心ついた頃から鼻で息をしなくなり、浅い口呼吸が身についてしまいました。
子どもたちもそれぞれ苦手なにおいがあります。例えば長男はゴム、食べ慣れない食べ物、人の家のにおい、芳香剤、他人の服のにおい、家の車以外の車のにおい、トイレのにおいなど。次男は草、ファーストフード店以外の飲食店、スーパーのお菓子コーナー以外のにおい、温泉、焼き立てパン、発酵したにおいなど。
外出先で急に苦手なにおいに出会うと走って逃げてしまったり、「ここ嫌だ!帰りたい!」と泣き出したり、えずいたり、ひどい時は嘔吐してしまうこともあり、外出が難しい状況です。
二人ともマスクが苦手なので、マスクでの対策は困難です。対策としては、苦手なにおいを把握して極力近づかないこと。スーパーの買物が難しい時は無理をせずコープやネットスーパーを利用します。夏場は小型ポータブル扇風機を持ち歩き、顔に風を当ててにおいを吹き飛ばすようにして少し和らげています。
長男はローズマリーの香りが好きで、自宅の駐車場に植えてあり、お守り代わりに触ってから車に乗ります。「苦手なにおいがあったら、手を鼻に当てて香りを嗅いでごらん、きっと大丈夫になるよ!」と伝えています。次男にはお気に入りのハンカチを持たせて、「においがダメだったらハンカチを鼻に当てて、ママに教えて!」と伝え、気持ちの面で和らげています。

味覚過敏
独特な食感や舌触りの食べ物が苦手だったり、濃い味付けが苦手だったりします。
我が家の兄弟は超偏食で食べられるものが限られていますが、独特な食感がしそうなお菓子には果敢に挑戦しています(笑)。
濃い味付けはむしろ好きで、カリカリに揚がった食べ物が好きなようなので、好きな食感や形状のものを取り入れるように心がけています。

触覚過敏
特定の衣服の繊維やタグ、縫い目などがチクチクして気になったり、下着の締め付けが苦しく感じられたり。気付いたら服を脱いでしまっていることもあります。
我が家では私が一番重症(笑)! 他人と手を繋いだり握手するのも苦手です。本当はストッキングもマニキュアも化粧も苦しい…。
次男は小麦ねんどを触るのが苦手で、靴下も嫌がります。寝る時は決まった枕カバーと毛布がないと眠れません。顔まわりも過敏なので帽子やマスクも好きではありません。
対策として、服のタグや縫い目には購入時から気を付けています。サイズや洗濯方法がわからなくなっても良いので、タグは切っています(笑)。旅行や帰省の際には枕や毛布を持参。触ると落ち着くグッズを持ち歩いています。療育などでも取り入れられている「タッチング」を日常の遊びにも取り入れています。

最後に…
まわりのお友達はみんな平気みたいだけど、自分だけこんなにも苦しい…。そんな感覚過敏。うまく伝えられないと、ただの「わがまま」と受け取られてしまうことも多いです。そのため、周囲の理解と協力を得ることはとても大切だと思います。
物理的に配慮できる部分は工夫しつつ、感覚を落ち着かせるグッズの活用もおすすめです。家は子どもたちにとって安心できる場にしたいと思っています。好きな感覚や落ち着けるものを探したり、感覚遊びを楽しんでいきましょう!
最後に…感覚過敏で悩むママさんパパさん、ご自身が当事者という方へ。過敏さを「面倒なこと」「つらいこと」と思わないでほしいなと思います。過敏だからこそ気付けることや見える世界もあり、その世界はきっと美しいです。大丈夫!

家は最高に安らげる場所!