「登園しぶり」で大泣き…どうすればよい?親がやりがちだけど絶対NGな対応とは
入園の季節。わが子がママやパパのもとを離れてがんばる姿に成長を感じ、とてもうれしいですね。
けれど入園、進級の時期に起こりがちなのが、「幼稚園行きたくない!」と言って大泣きする登園しぶり。
登園準備中からずっとシクシク泣く子、幼稚園についたらママにしがみついて離れない子、中には走って逃走しようとする子も…!
今回は子どもが登園しぶりをしたとき、園ではどうかかわっているか、そして親のNG対応について、元幼稚園教諭としてお伝えします。
泣く子どもへ園はどんな対応をするの?
■園まで保護者が送ってきた場合
新しい環境はだれもが戸惑うもの。園では基本的に登園しぶりで大泣きしていても特別扱いはしません。
厳しいように感じるかもしれませんが、ママからはがされるように先生に抱きかかえられて登園した子も、ママの姿が見えなくなると笑顔で遊びはじめることがほとんどです。
保育室にある目新しいおもちゃや友達が楽しく遊ぶ姿を見ているうちに、朝の会が始まります。そのうちに気がまぎれ、泣き止んで遊びはじめます。先生がいつまでもなだめていては子どもは楽しいことに目を向けられなくなってしまいます。そのためそっと見守るようにしています。状況を見て必要であれば、子どもが遊びだせるようにおもちゃを用意したり、友達に遊びに入れてくれるよう声掛けをします。
■バス登園の場合
バス登園の場合は、ママと離れてすぐに遊びだすことはできません。また、先生は次々とバスに子どもを乗せていくのでずっと抱っこをしてあげることはできません。
でも心配しなくても大丈夫。ママが見えなくなっても泣いている場合は、一緒にバスに乗っている年長・年中のお兄さんお姉さんに手をつないでもらったり、ヨシヨシしたりしてもらうことができます。優しくしてもらうことで気分が変わったり、安心して登園できるようになっていきます。バス通園ならではの、異年齢での温かいふれあいがあるのです。
子どもが登園を嫌がる時の親のNG対応
登園渋りをする子は、不安な気持ちやストレスを抱えています
園ではすぐに泣き止むことが多いといっても、毎朝大泣きする子どもを送り出すのは大変ですよね。
なんとか泣き止ませようと「先生や友達が待っているよ」「〇〇があるんだって!」と園での楽しいことを伝えても、全然子どもの心には響きません。
子どもは、不安な気持ちがあるとその気持ちを埋めるためにママから離れたくなくなります。満たされると「楽しいことをしたい」という意欲が出てきます。ママとのスキンシップの時間が「安心感」をあたえ、幼稚園に行くことに対して前向きになれるのです。
園での楽しいことを伝えるよりも「そっか、慣れるまで不安だよね」と共感の声掛けをしたり、たくさん抱っこすることの方が安心につながると思います。
●不安をあおる「脅し言葉」は絶対にNG
この時期、ママに対しワガママになったり甘えが強くなることもありますが、園生活に慣れるまでおおらかに受け止めてあげてほしいと思います。
泣かずに行ってほしいからといって、「行かないと恥ずかしいよ」「こんなに泣いて赤ちゃんみたい」などの脅しの言葉は、不安をあおってしまうので絶対にNGです!
登園渋りは一時的、心配し過ぎず子どもと向き合って
登園しぶりはずっと続くわけではありません。幼稚園生活の中で居場所を見つけたり、ワクワクできることが見つかれば、笑顔で登園するようになりますよ。
私が年少クラスを受け持った時も、入園した4月は泣き声の大合唱でも、1か月もすればみんな落ち着いて過ごせるようになっていました。やっと園生活に慣れてきても、5月のゴールデンウイーク明けや夏休み明けは、また不安になってしまう子もいるかもしれませんが、ゆっくり取り戻していけば大丈夫です。
また、友達関係、給食のこと、苦手な活動など、なにかしら「不安」がある時には「ママといたい」「幼稚園行きたくない」ということがあるかもしれません。その都度担任の先生と相談しながら、子どもが乗り越えていけるように見守っていけたらいいですね。
幼稚園ではどんどんできることが増え、お兄さんお姉さんになっていく子どもたち。でもママの前では成長したり少し赤ちゃんに戻ったりしながら大きくなっていきます。
ママも自分自身に優しく!
私は自分がママになった今、先生として勤めていた時以上におうちで充分に甘えることの大切さを実感しています。子どもが「幼稚園行きたくない」とぐずると大変ですが、そんな時こそおうちではたくさん甘えさせてあげてくださいね。
そのためにはママ自身も自分に優しく、無理をしないことも大事! 上手にストレス発散しながら子どもと向き合っていきましょう。