更新

子どもの“目の未来”を守る!近視の進行を抑える家庭習慣&新治療

子どもの“目の未来”を守る!近視の進行を抑える家庭習慣&新治療

最近、子どもの近視が増えているそうです。実際、文部科学省の調査では、小学生のおよそ4割が裸眼視力1.0未満とも言われています。その一方で、近年“近視を進ませない”対策も注目されています。
今回は、参天製薬主催の小児近視に関するプレスセミナーをもとに、家庭でできる目のケアや、話題の治療法についてご紹介します。

どうしてこんなに近視の子が増えているの?

「スマホやタブレットは目に悪そう」と感じている方も多いはず。実際、近くを長時間見ることは目にとって“危険因子”で、近視の進行を招く原因になります。一方で、外遊びなどの屋外活動は“保護因子”とされ、近視の進行を抑える効果が期待されています。
つまり、目を酷使する時間が増え、ケアする時間=保護因子が減っていることが、現代の子どもたちに近視が増えている大きな要因なのです。

近視が進むと、どうなるの?

近視の多くは「軸性近視(じくせいきんし)」と呼ばれるタイプで、これは目の奥行き(眼軸)が伸びてしまうことでピントが合いにくくなる状態です。一度進んだ近視は元に戻らないため、進行を“防ぐ”ことがとても重要。さらに、進行した近視は将来、網膜剥離や緑内障など、重大な目の病気のリスクにもつながります。
「もう近視だから仕方ない」と思わず、放置しないことが大切です。

近視が進行するピークは小~中学生

とくに注意したいのが、小学中学年から中学生にかけての時期。研究によると、8歳〜13歳の間が近視の進行ピークとされており、18〜19歳ごろで落ち着いてくるのが一般的といわれています。つまり、この時間をどう過ごすか、が子どもの将来の目の健康に大きく関わってきます。早い段階からの対策や治療を考えることが、視力を守るカギになるのです。

今日からできる家庭での近視対策

近視の進行を抑えるためには、毎日のちょっとした心がけが効果的です。以下のような習慣を意識してみましょう。

  • 1日90分以上、外で遊ぶ
  • スマホやタブレット、本などは30分ごとに目を休める
  • 近くのものを見るときは目から30cm以上離す

おうち時間ではなるべく危険因子に注意し、屋外活動の時間を作ってたくさん遊んで保護因子を意識するようにしましょう。
特に外遊びは重要!セミナーに登壇した日本眼科医会常任理事の原信哉先生(はら眼科 院長)は「外遊びは近視進行を抑える“保護因子”。家庭で意識して取り入れてほしい」と訴え、日本眼科医会の白根雅子会長(しらね眼科 院長)も「未就学のうちに外でたくさん遊ぶ習慣をつけておくことが、将来の視力維持にもつながる」と強調していました。

治療法も続々。近視の進行を抑制する「目薬」も登場

最近では、近視の進行を抑える治療法も続々登場しています。夜にハードコンタクトレンズをつけて眠る「オルソケラトロジー」や、遠近両用の「多焦点ソフトコンタクトレンズ」を使用する方法、「近視管理メガネ」などもありますが、最近、日本で初めて子どもの近視進行抑制「目薬」も登場しました。

・リジュセアミニ(アトロピン0.025%点眼)

2024年に日本で初めて承認されたばかりの子どもの近視抑制用の目薬。寝る前に1滴点眼するだけで、進行を抑える効果が期待されている注目の治療です。とても手軽で、低年齢から始められるメリットもあります。

【注意】自由診療であるため健康保険適用外となるケースがあります

ただ、これらの治療はすべて自由診療のため、費用や対応内容は医療機関によって異なります。
また治療期間中は、近視治療のための一般のメガネやコンタクトなどの近視治療費は全て健康保険適用外になってしまう点にはご注意を。近視以外の疾患での診療はこれまで通り健康保険が使えます

学校健診で「B判定」でもそのままにしないで

学校の視力検査で「B判定(視力0.7~0.9)」が出ても、眼科を受診しない家庭は少なくないそうです。「まだ見えているから大丈夫」「親も近視だし…」と放っておくのはいけません。
きっかけがあったときこそ近視治療のタイミング。まずは眼科で正確な診断を受けることが大切です。

子どもの目の健康は、日々の生活の積み重ねで守ることができます。とくに目がぐんと成長する時期には、少しの意識が未来の視力を大きく変えることも
家族みんなで楽しく取り組み、子どもの目の健康を守っていきましょう。

▽まとめ

  • 近視は進行を抑えることが大切
  • 8〜13歳が近視進行のピーク
  • 目を酷使する習慣を減らし、外で過ごす時間を確保しましょう
  • 家庭での習慣+医療的な治療法も選択肢に
  • よりよい視力のために気になったら早めの受診を
リンク一覧

取材、文/たいらゆい  企画/&あんふぁん編集部

子どもの健康・発達:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌