長期休みの宿題を「やりたい」に変える!やる気を引き出す環境づくりのコツ【Part1】

長期休みの宿題を「やりたい」に変える!やる気を引き出す環境づくりのコツ【Part1】

「子どもが宿題をためてしまいます」「長期休みの終わりが近づくと、親子げんかが増えます」という相談をいただくことがあります。今回は、スクールカウンセラー、発達凸凹コンサルタントの立場から、長期休みに宿題をためない工夫(環境づくり)のポイントをお伝えします。

計画的に宿題が進まない

長期休みになると、宿題の量が一気に増えますよね。「コツコツ宿題を進められるよう、サポートしよう!」と、宿題に取り組む計画を立てたものの、なかなか思うようには進まないものです。

・「まだ休みが始まったばかりだから大丈夫」と先延ばし
・声をかけるほど、「後でやる」「明日まとめてする」と頑固になる
・やり始めるまでに、時間がかかる
・始めても、数分で飽きてしまう
・簡単な問題でも「わからない」と言う

など、「うちの子も同じ」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。長期休みのたびに、最終日になって「終わらない」と大パニック!なんてことを繰り返すのは、悲しいですよね。そこで今回は、宿題をためない環境づくりのポイントをお伝えします。

やる気を生み出す3つの工夫

「宿題はなかなかやる気が出ないのに、ゲームは毎日しています」という相談をいただくことがあります。毎日律儀にゲームをするように、宿題も自ら取り組んでもらいたいと思ってしまいますよね。そう感じたときこそ、ゲームをする子どもの姿をよく観察してみます。すると、宿題に取り組むためのヒントが見えてくるのです。

ここでは、「期待」「行動」「報酬」という3つのポイントに注目しながら、工夫できることを紹介します。

①「楽しそう」という期待

新しいゲームのコマーシャルを見たとき、

「楽しそう!」
「いいな、やってみたい」

といった期待感が生まれますよね。しかし、「宿題をするよ」「今日は〜〜までやってね」と声をかけるだけでは、なかなか「楽しそう!」と感じられませんよね。

つまり、ただ宿題を提示するだけでは、子どもの「やってみたい」「楽しそう」という気持ちを引き出すことは難しいのです。

お子さんのやる気を生み出すには、興味を持ちそうな内容から心をつかむことが大切です。教員時代のエピソードになりますが、算数の“三角形”を教えるときは、教科書を開いて読むのではなく、「教室の中にある三角形を探そう!」というゲームから始めていました。

子どもに三角形を身近に感じてもらい「楽しそう!」「もっと知りたい!」「勉強したい!」という気持ちを抱かせることができたら、その後の学びもスムーズになるのです。

「宿題に興味を持たせるって、なんだか難しそう」と感じたときは、簡単な内容をクイズのように出しながら宿題につなげていくことをおすすめします。

②実際に取り組む「行動」

取り組み始めたら、楽しい状況をキープします。宿題を進めていく途中で、問題につまずいたり、楽しく取り組めなくなってきたら、無理に進めようとしなくて大丈夫です。

「難しくて何時間もかかった」「頑張って解いたのに“バツ”ばかりで、何度もやり直した」という経験が続くと、誰だって嫌になってしまいますよね。うまくできない状況に、親子の関係もギスギスしそうです。

そんな時は、思い切って一旦休んで、時間にゆとりのある週末に少しまとまった量に取り組むのも一つのアイデアですよ。

とはいえ、

「コツコツ進めなくて大丈夫?」
「先延ばしすることにならない?」

と不安になるかもしれません。でも、負担に感じながらコツコツ進めるよりも、今は「楽しく取り組めること」を大切にするほうがよいのです。

③報酬 「できた!」を手渡す

子ども自身が「できた」と達成感(つまり、「報酬」)を得られるような声かけをします。よく陥りがちなNG例としては…、

「今日は、◯◯〜△△までやろうね」
「タイマーをかけるから、できたら教えてね」

と、始まるまでの声かけはバッチリなのですが、一つ目が終わったら

「はい、次はこのプリントね!」
「フラフラしない!まずはこのプリントやりなさい」

と指示を与え、宿題が全部終わったら

「じゃあ宿題しまって、遊んでいいよ〜」

と、褒めることなく終えてしまうパターンです。一問取り組むたびに「できたね〜!」と声をかけられたら理想ですが、すべてに付き合うのは大変ですよね。

お子さんがモチベーションを保ち続けられるようなタイミングで、「できたね!」「正解だよ!」と声をかけることが、「やる気」を生み出す秘訣です。

「やる気」を回復させるアイデア

ポジティブな声をかけ続けていたとしても、「やる気」を保ち続けることは難しいですよね。楽しい状態を維持するためには、一旦休むことも大切だとお伝えしましたが、休む時間も有効活用したいものです。

ここでは、「やる気」を回復するアイデアや、日頃から取り入れたい習慣をお伝えします。

・適度な有酸素運動を取り入れる
・十分な睡眠をとる
・日光浴をする
・瞑想をする
・音楽を聴く
・ツボを押す<合谷(ごうこく)など>

いかがでしょうか。いきなり全部を取り入れることは難しいですが、「これならできそう!」というものがパッと思い浮かんだのではないでしょうか。息抜きの時間に、好きな音楽を流して踊ったり、ツボを押し合ったりなど、親子で楽しみながら取り組むこともおすすめです。

環境づくりの次は…

今回は、宿題の「やる気」を生み出す環境づくりについてまとめました。「何か特別なことをする」というわけではなく、視点を変えたり声かけを工夫するだけで、ぐっと取り組みやすくなると思います。まずは「これなら自分にもできそう」と感じたものから、実践してもらえたらうれしいです。

次回は、やる気を引き出す「スモールステップ」の作り方について紹介します。

ナビゲーター

公認心理師・スクールカウンセラー・発達凸凹支援コンサルタント西木 めいの画像

担当カテゴリー

子どもの健康・発達

公認心理師・スクールカウンセラー・発達凸凹支援コンサルタント 西木 めい

大学教育学部(特別教育専攻)卒業。小学校の通常学級の担任を8年、特別支援学校(小学部) の担任を5年、自治体の就学支援委員会(就学相談)の調査員、特別支援教育コーディネーターを経験。
「優秀な同僚の先生たちが、保護者と揉めて心を病んで、どんどん学校を辞めていく現状」を見て、専門職であるスクールカウンセラーになることを決意。現在は、小学校と中学校のスクールカウンセラーとして、親子や先生のカウンセリング、学校内の環境調整のコンサルティング、不登校や登校しぶりの再登校のサポートなどを行う。
一方で、SNSを通じた「発達凸凹支援コンサルタント」として、これまで2300人以上のママ・パパ、先生のお悩み解決コンサルを行いながら、発達凸凹っ子のママや、子どもの不登校・登校しぶりに悩むママに向けたオンライン講座、小学校の保護者100名以上が集まる子育て講演会などを開催。特別支援教育が「教育の一番の根本」であることを啓発している。2児の母。著書に『発達障害のある子を支える担任と保護者の連携ガイド 』(明治図書)がある。

子どもの健康・発達:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌