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先生、教えて!野菜不足って、子どもにどんな影響があるの?

「野菜は苦手…」って子ども、多いですよね。そんなとき、野菜を細かく刻んだり、ペーストにしたりと
見えないように工夫して何とかして食べさせたいと思うママパパも多いのでは。
では、なぜ野菜を食べた方がいいのでしょうか。専門家に野菜に含まれている栄養素についてお話を聞きました。

「カロテノイド」を始め、野菜には子どもの成長に欠かせない栄養が多く含まれているんです

イラスト:蒲池桂子教授

お話を聞いたのは

蒲池桂子教授

東京慈恵医科大学内科学講座勤務を経て2000年博士号(栄養学)取得。
2003年4月女子栄養大学栄養クリニック主任に赴任。
栄養クリニック営業管理、生活習慣病栄養相談、企業向け栄養コンサルティングを行っている。

うちの子は野菜が苦手なんです…。
先生、野菜にはどんな栄養素が入っているのでしょうか?

A野菜にはたくさんの栄養素が入っていますが、特に大切な栄養素が「カロテノイド」類。カロテノイドは自然界に存在する黄色・赤色の色素成分で、体内でビタミンAに変換されたり、おなじみ「緑黄色野菜」の定義も、カロテノイドの含有量で決まったりするくらい、重要な栄養素なんです。

「カロテノイド」が不足すると、どんなことが起こるんですか?

Aカロテノイド類(リコピン、β-カロテン、ルテイン)が不足すると、子どものころから、皮膚のトラブルとして吹き出物や肌のくすみが出てくる、粘膜免疫が低下し口内炎が治りにくい、などの症状が出ることがあります。また、大人になっても野菜が不足すると、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクも高まると考えられていますよ。

実は吸収率が低い!?
カロテノイド類の上手なとり入れ方は?

カロテノイド類は、吸収率が低いため栄養を摂取しても「吸収ロス」を起こしていることがあります。吸収率を上げる方法として、カロテノイドは脂溶性のため野菜炒めなどの調理法で油と一緒にとる、良く噛んで食べることが挙げられます。また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が作り出す菌体外多糖(EPS)というネバネバした成分によって吸収率が高まるという研究データもあります。本来は取れるはずの栄養がうまく吸収されずにロスしてしまうのは、もったいないですよね。効率よく野菜の栄養を体に届ける方法についても意識していきましょう。

「抗酸化作用」があると注目されている栄養素

カロテノイド類は、こんな食材に入っているよ!

カロテノイド類は動植物に広く存在する黄色または赤色の色素のことで強い抗酸化作用を持ちます。カロテノイドを多く含む食品は緑黄色野菜、マンゴー・柑橘類などの果物、甲殻類などがあります。

トマトやニンジンに
カロテノイドは多く含まれている

カロテノイドは、カロテン類とキサントフィル類の2種類があり、水に溶けにくく油に溶ける性質を持ちます。
カロテン類には、緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンやリコピンなどがあり、β-カロテンは動物や人間の体内でビタミンAに変わります。
キサントフィル類には、紅サケや、エビ・カニなどの甲殻類に含まれるアスタキサンチンがあります。

※参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

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