「ほめる育児」って意外と難しい…という人に、親も子もハッピーになれる!令和版[タイプ別]ほめる子育ての極意

子育てでは「ほめたほうがいい」とはわかっていても、どうほめればいいのかがわからなかったり、ほめるのが難しいときもありますよね。
そこで、「日本一ほめる保育園」の理事長である向井先生に、「ほめる子育て」の極意を聞きました。

※この記事は小学館「ベビーブック2026年4・5月号」の内容を掲載しています

教えてくれたのは

向井秋久先生の画像

向井秋久先生

社会福祉法人千早赤阪福祉会理事長。29歳で園長に、36歳で2代目理事長に就任。約40年にわたり大阪府で幼児教育の現場に携わる。著書に『日本一ほめる保育園に教わる 子どもが伸びるほめ方 子どもが折れない叱り方』(Gakken)がある。

おうちの人からの「ほめる言葉かけ」が子どもの安全基地になる

子どもたちの心は、身近な大人から日々贈られる肯定的な言葉を栄養として健やかに育ちます。ここでいう肯定的な言葉とは、単に結果を評価するという意味ではなく、その子の存在そのものを認める温かな言葉のことです。日頃から認められて育つ子は「自分は愛され、見守られている」という深い安心感を得て、自己肯定感を育んでいきます。

この安心感こそが、心の中の「安全基地」となり、失敗を恐れずに外の世界へ挑戦する勇気が湧きます。これは、将来の良好な対人関係や揺るぎない自信へとつながります。幼少期の言葉がけは、その子の人生を支え続ける大きな力となるのです。

まずはおうちの人が自分をほめて心を満たそう

「ほめるのが苦手」という人は、自分もあまりほめられた経験がない人が多いようです。自分が満たされていないと、ほめることは難しいのです。親子は互いに「合わせ鏡」のような存在なので、おうちの人の心がカラカラに乾いている状態で、テクニックだけでほめる言葉をかけても、お子さんの心を肯定的に満たすことはできません。

「子どもの頃あまりほめられなかった」「今もほめてくれる人はいない」という人は、まずは自分で自分をほめてみましょう。「今日もがんばった!」「毎日子育てしてえらい!」など、ほめる言葉を実際に声に出すことによって、人からほめられるのと同様の効果を得られると言われています。

令和版・ほめる育児にはこんなメリットが!

子どもをほめて育てることは、お子さんはもちろん、おうちの人にも大きなメリットがあります。

子どもの自己肯定感が育つ

常に愛情と承認を受けて育つと、自分の存在価値を肯定的に捉え、他者を受け入れる力も育まれます。ほめられた経験が自己肯定感の土台となるのです。

おうちの人の自己肯定感も育つ

子どもをほめることで、親自身も喜びや成長を感じ、自らの存在価値を認識します。子育ての過程で自分を肯定的に見つめる機会が生まれるのです。

人を受け入れる力が育つ

愛情をもってほめられた子どもは、他者のよさを認め、受け入れる力を身につけます。自分が肯定されることで、他人も同様に尊重し、理解する姿勢が自然と育まれます。

わが子はどのタイプ? チェックリスト

どんなふうにほめられると「ほめられた」と実感できるかは、タイプによって違いがあります。まずはチェックテストでわが子のタイプを診断してみましょう。

いつでもほめてタイプ

いつでもほめてタイプ

□どちらかというと甘えん坊
□ママやパパと「一緒」が好き
□ちょっぴり怖がり
□さみしがりなところがある
□優しい子

よく見てほめてタイプ

よく見てほめてタイプ

□自分の段取りにこだわる
□競争に勝つのが好き
□ちょっと理屈っぽいかも
□くやしがりなところがある
□がんばる子

とりあえずほめてタイプ

とりあえずほめてタイプ

□とにかくノリがいい!
□気持ちを全身で表現する
□興味がコロコロと移り変わる
□ふざけすぎるところがある
□ゆかいな子

一番多くチェックがついたのがその子のタイプですが、誰もがすべての要素をもっており、発達段階やそのときの立場によっても変化します。

[タイプ別]こんなときは、どうほめる?

日常のよくある場面で具体的にどのようにほめればいいのか、タイプ別に紹介します。
応用しながら他のシーンでも取り入れてみてください。

scene 1 お着替えができた

いつでもほめてタイプ

「できたね! うれしいね。ママ(パパ)もうれしいな!」
いつでもほめてタイプは共感重視なので、喜びを共有する言葉がけが効果的です。共感で心が満たされると「がんばろう」という前向きな意欲が内側から湧き上がってきます。

よく見てほめてタイプ

「腕が通せたね! 毎日がんばったもんね!」
よく見てほめてタイプは努力の過程を認めてほしい傾向があるので、「毎日続けているね」といった具体的な事実をベースにした言葉かけが効果的です。自分のがんばりをしっかり見てくれているという安心感が、自信とさらなる意欲につながります。

とりあえずほめてタイプ

「すごーい! 自分で着れた!やったね!」
長い言葉でじっくりとほめるよりも「すごい!」「やったね!」と短い言葉で盛り上げるほうが効果的です。その場の喜びを共有し、テンションを高めると、お子さんのやる気は一気にアップします。

scene 2 お友だちに順番をゆずれた

いつでもほめてタイプ

「ゆずってあげたんだね。優しいな。パパ(ママ)もうれしい!」
よい行動をストレートにほめ、おうちの人の喜びを伝えましょう。さらにハグなどのスキンシップを添えると効果はより一層高まり、心の充足感につながります。

よく見てほめてタイプ

「先にやりたい気持ちをぐっとこらえて、ゆずれたね!」
「○○ちゃんも喜んでるね」

がまんした気持ちを汲み取ってもらえると子どもは安心します。相手の喜ぶ姿を言葉にすることで「ゆずってよかった」という喜びを実感でき、次への前向きな意欲へとつながっていくはずです。

とりあえずほめてタイプ

「ゆずってあげるなんて、ステキ!」
「わあ! 優しいね!」

感情をたっぷり込めた端的な言葉で伝えましょう。オーバーなくらいの感情を込めて伝えることで、言葉がお子さんの心にダイレクトに届きます。

scene 3 ブロックで「作品」が作れた

いつでもほめてタイプ

「今作ったの? 楽しかった?」
「この形が好きだな!」

「上手」という評価の言葉だけでなく「この○○が好き」など自分の気持ちも伝えましょう。おうちの人から共感されることで、創作への喜びがさらに深まります。

よく見てほめてタイプ

「すごく素敵にできてるね!どうやって作ったの?」
「ここはむずかしくなかった?どんな工夫をしたの?」

よく見てほめてタイプは、作品へのこだわりをもっています。まずは本人から解説を聞き、工夫や努力した点を具体的にほめましょう。意図を理解してもらえると、大きな自信と喜びにつながります。

とりあえずほめてタイプ

「上手だね!かっこいい!」
「面白いアイディアだね!」
「素敵なのができたね!」

シンプルな言葉ではっきりとほめましょう。作品が喜ばれたとわかればうれしさを感じ、さらなるやる気や自信につながっていきます。

ほめ方のコツ四か条

日常の中でどんなときにどんな言葉でほめればいいのか、具体的なコツをご紹介します。
自分にとって取り入れやすいものからまず言葉にしてみましょう。

1.「あたりまえ」もほめよう

1.「あたりまえ」もほめよう

「朝起きる」「ご飯を食べる」など、一見あたりまえのように思えることでも実は子どもにとっては大きな挑戦であり、成長の証しです。「あたりまえのこと」を言葉にしてほめることが、子どもの成長を認め、子育ての本質的な喜びにつながります。気負わず、今目の前のお子さんがやっていることをそのまま言葉にするだけで十分なのです。

2.具体的にほめよう

2.具体的にほめよう

具体的にほめることで、子どもはより明確に自分の行動の価値を理解できます。「すごいね」「かっこいい」など全体をほめる言葉もいいですが、「靴を自分で履けたね」「この色の組み合わせがいいね」「スプーンの使い方が上手になった!」といった、具体的でピンポイントな言葉がけもしてみましょう。「ちゃんと見てくれているんだ」とおうちの人への信頼度が高まります。

3.過程もほめよう

3.過程もほめよう

結果だけでなく過程をほめることも重視しましょう。子どもの努力や挑戦を認めることになるからです。諦めずに取り組む姿勢や工夫、改善の過程をほめることで、子どもは失敗を恐れず、挑戦する勇気をもつことができます。おうちの人が「何度も練習したんだね」「やろうとしたことがすばらしい」と過程に注目することで、挑戦する意欲を育みます。

4.感謝を伝えよう

4.感謝を伝えよう

感謝を伝える言葉には「ほめる」と同じ効果があります。「ありがとう」と言われた子どもは、ほめられたときと同じようにうれしい気持ちになるのです。「お手伝いしてくれてありがとう」など、行為に対する感謝だけでなく、「あなたがいてくれてありがとう」という存在への感謝も伝えるといいでしょう。感謝の言葉は、子どもに無条件の愛情と承認を伝える大切な手段なのです。

愛があれば「叱る」も「ほめる」もつながる

「ほめることを意識するあまり、叱ることができない」という悩みをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、実は叱ることとほめることはつながっています。叱ることの本来の目的は何でしょうか。それは、親の思い通りに動かしたいから指示や命令をするのではなく、子どもの命の安全や社会性を身につけるために行われているはずです。
そうであるならば、子どもの健やかな成長を願うという点において、叱ることもほめることと同様に、子どもの成長を支える大切な関わり方になるのです。

イラスト/石塚ワカメ デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/ KANADEL

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暖かくなったら、水遊びでも楽しめます。

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この記事は小学館「ベビーブック4・5月号」の内容を掲載しています

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