赤ちゃんに枕を使わない方がいい理由。気になる頭の形をケアする方法は
0歳の赤ちゃんに枕を使ってはいけない…という話を耳にしたことがあるでしょうか。初耳で驚く人もいるかもしれませんね。赤ちゃんへの枕の使用について、そして気になる頭の形のケアについて解説をしていきます。
赤ちゃんに枕はNG?
乳幼児睡眠コンサルタントとして、少なくとも0歳児の就寝時には枕は使用しないでくださいとお伝えしています。親が目を離したり、隣で寝たりするタイミングでは使わず、どうしても使用したい場合は親が隣で見ていられるときにしましょう。
なぜなら、枕には窒息の危険性があるからです。アメリカの小児科学会でも、寝床には枕やブランケットなどのやわらかいものを入れないようにという忠告がされています。
万が一、ひっくり返ってうつ伏せになってしまうと、枕に顔が埋まって鼻や口が塞がって呼吸ができなくなってしまう可能性があるためです。
枕がなくても赤ちゃんは寝られるの?
大人は枕がないと寝づらいですよね。でも子どもはそうではありません。大人に枕が必要なのは背骨がS字になっていて、その形をキープするためには枕で頭を持ち上げるのがちょうど良いためです。
一方、赤ちゃんが生まれたばかりのとき、背骨はCカーブになっています。そこから首がすわる頃にはS字のはじまりのカーブができはじめ、おおよそ13歳頃までの間にS字が完成されてきます。
そのため、赤ちゃんだけでなく、幼児の間にはまだ枕は必要ありません。成長段階は個人差があるので一概には言えませんが、早くて幼稚園卒園ごろ、おおよそ小学校低学年から中学年ごろに必要になってくるというイメージをしていただくと良いでしょう。
もちろん、その前に子ども本人が「ほしい!」という場合、(0歳児でなければ)用意してあげるのは構いません。大人と同じように頭を支えて安眠するという意味はまだ薄いですが、ほしいなら買ってあげるに越したことはありません。睡眠環境は本人が満足するようにしておいてあげるのが、1番の安眠のもとだからです。
ドーナツ枕をしないと頭の形が不安
ドーナツ枕の効果効能については、はっきりと証明が行われていません。ドーナツ枕を使用することによって必ず頭の形を整えることに効果がある…ということは現時点では言い切れないのが事実です。
さらに先ほどお伝えした通り、窒息のリスクもあるため、少なくとも0歳児には使用しないことを推奨します。「穴が空いてるから大丈夫では?」と思われるかもしれませんが、いつどのような状況になるかわかりません。例えばドーナツ枕が縦になって赤ちゃんとベビーベッドの間に挟まり、枕部分で窒息…ということも考えられなくはないためです。
少しでも効果がある可能性があるなら…と使用する場合は、日中に親の目があるときに使うようにしましょう。ひっくり返ったりしてしまっても、親がすぐに気づける状況であれば安心です。
向き癖や頭の形(絶壁など)が気になる場合、意識的にいつも向いてしまう方向と反対に向けてあげることをおすすめします。いつも同じ方向を向いてしまう場合、もしかすると頭と足を反対向きに置いてあげると逆を向く可能性もあります(部屋の中の何か気になるものを見ている場合)。
また、うつ伏せ遊び(タミータイム)なども子どもの頭、首、上半身の筋肉の発達を促進させ、頭の形対策に有効とされています。本格的な改善にはヘルメット治療などもありますので、気になる場合は専門の病院をたずねてみるのも良いかと思います。1人で悩まずに、専門家に相談してみてくださいね。