完母でも夜通し寝て欲しい!ミルクを使わずぐっすり寝かしつけるための2ステップ
母乳は腹持ちが悪いからすぐお腹が空く…と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。そう言われると「寝てもらうためにはミルクの方がいい?」と思ってしまいますが、ちょっと待って。完母でも朝まで寝る方法を乳幼児睡眠コンサルタントが解説します。
母乳は腹持ちが悪い?
「母乳は腹持ちが悪いから、ミルクの方がよく寝てくれる」という話を聞いたことがある人も多いかと思います。こういった話が出る所以は、母乳の子の方が夜中に頻繁に起きてしまうイメージがあるからではないでしょうか。
確かにミルクの方が母乳よりも消化に時間がかかり、腹持ちが良い面もあるかもしれません。しかし、この“母乳の子の方が夜中に起きる回数が多い“という現象には腹持ち以外の要因も大きいのではないかと私は考えています。
それは、「親の対応が変わること」です。ミルクの子の親の場合は、前回の授乳から3時間立たずに赤ちゃんが泣いた場合、授乳ではないと判断して他の方法であやす方法を考えることが多いかと思います。
一方で母乳の場合、「泣いたら好きなだけ飲ませて良い」などと指示されることも多いため、時間に関係なく授乳をして寝かしつける親が多い傾向にあると考えられます。
すると、赤ちゃんは「泣けば授乳をしてもらえる」「授乳をしてもらって寝ればいいんだ」と覚えてしまって授乳以外で寝なくなってしまいます。そして毎回、少しでも目が覚めるたびに授乳を求めて泣くようになり、結果的に夜泣きの回数が増えるということにつながっているのではないかと考えられます。
授乳で寝つくクセを変えるには?
このように授乳で寝るクセがついている赤ちゃんには「授乳でなくても寝られる」ことを教えてあげましょう。
そのために必要なステップは2つです。
1.就寝時の寝かしつけだけでも授乳以外でする
2.夜間の授乳をルール化する
1.就寝時の寝かしつけだけでも授乳以外でする
現状、就寝時の寝かしつけを授乳でしている人は、まずそこだけでも変えていきましょう。なぜこのタイミングかというと、ここが1日の中で1番眠気が強く寝かしつけがしやすいタイミングだからです。
いつもと違う寝かしつけ方をすると「いつも通り寝かせて!」と赤ちゃんからの抵抗があるかもしれません。ただ、この時間帯であれば眠気が強いので、泣いていても粘れば最終的に寝られる確率が高いのです。
お風呂からあがった後にたっぷり授乳をし、その後にスリーパーを着たり、絵本を読んだりするなど別の行動を入れてから寝かしつけをするようにしましょう。月齢にもよりますが、この寝かしつけの際にできるだけ抱っこも避けられると良いでしょう(抱っこが新しい癖になってしまう可能性があるため)。
ただし、低月齢(生後6カ月未満)だったり、どうしても寝つけない場合は抱っこを取り入れても構いません。抱っこだとしても授乳ではなくなっているということが大切なので、まずは授乳以外で寝かしつけることに注力しましょう。
2.夜間の授乳をルール化する
泣くたびに毎回授乳をしていると、赤ちゃん側も「夜中に起きたら毎回泣いておっぱいをもらうんだ。そうしないと寝られないんだ」と覚えてしまうので、「そうではない」ということを教えていきましょう。
そのためには授乳のタイミングをルール化することが大切です。例えば「3時間たっていなければあげない」「0時と3時付近に起きた時の2回だけあげる」などとルールを決めて、それ以外の時間に泣いて起きた時は授乳以外で対応するようにします。
この際も就寝時の寝かしつけ同様、できるだけ抱っこを避けられると良いですが、特に6カ月未満の赤ちゃんに関しては無理をせず抱っこも取り入れながら寝かしつけてあげてください。6カ月を過ぎていれば(成長発達が順調な場合)抱っこをしなくても練習次第で寝つけるようになりますが、いわゆるねんねトレーニングのような対応になるため、実行するか否かはママやパパの方針によって各家庭で決めてください。
いずれにしろ、少しずつでも眠りへの親のサポートを減らしていくことで、徐々に自分で眠りに戻る力をつけていくことが可能になるのです。
こうして「授乳がなくても眠れる」「起きても毎回飲めるわけではない」ということを覚えて、自分で眠る力をつけていくことにより、ママやパパの手を借りなくても自分で寝られるようになってくるように導いていけるのです。この力がしっかりと発揮できるようになると、夜中に目が覚めても自分の力で眠りに戻ることができるようになり、朝までぐっすり眠れるようになります。
「朝までぐっすり寝て欲しい!」という理由だけでミルクに変更してしまうのは、(母乳がなかなか出ずに苦労した身としては)なんだかもったいない気もするので、こちらの記事を参考に「寝る力をつける練習」に取り組んでみていただければと思います。みなさんのお子さんがぐっすり眠れて、ママもパパもよく眠れるようになりますように!