添い乳でしか寝てくれない!自分で寝てくれるようになる3ステップを専門家が解説
添い乳ってラクですよね…初めて成功したときはそのラクさに感動した覚えがあります。しかし、危険性もあったり、クセになってしまうと厄介なことも。卒業するにはどうしたらいいの?という疑問に乳幼児睡眠の専門家がお答えします!
知っておきたい添い乳のデメリット
添い乳を「絶対だめ!」とは言えません。そんなこと言ったら追い詰められてしまうママも増えてしまうかもしれないためです。ただ、添い乳には危険性があることも確かなのでそれを知っておいていただければと思います。
デメリット1.窒息の危険性
消費者庁の発表によると、平成22年から平成26年までの5年間で、0歳児の就寝時の窒息死事故は160件確認されています。不慮の事故死のうち、8割が睡眠時の窒息です。その全160件のうち、5件が「家族の身体の一部で圧迫される」という原因です。添い乳にはこのような危険性もあります。
デメリット2.クセになって夜泣きにつながる可能性
いつも添い乳で寝かしつけをしていると「寝る=飲む」というのが習慣づいてしまい、夜間も毎度目が覚めるたびに「おっぱいして〜!」と泣いてママを起こすようになってしまいます。これがいわゆる夜泣きです。
添い乳をやめる3ステップ
ステップ1.就寝ルーティーンの順序を変える
「飲むことと寝ること」を切り離すため、就寝ルーティーンの順番を変更します。現状は全ての寝る支度が終わった最後に寝かしつけをかねて授乳をしている状態かと思いますが、その授乳のタイミングを変えます。
たとえば、リビングで少し暗くした電気の中でしっかり授乳→部屋の中のものにおやすみの挨拶→寝室にいってスキンシップ→電気を消しておやすみ、といったようなイメージです(リビングではなく寝室で授乳でもOKです。授乳した直後に寝かしつけをするのではなく、授乳と寝かしつけの間になにかワンアクション挟みましょう)。
「飲むこと」が終わって、それから別のことをして、その後「寝る」というようにアクションを切り分けます。
ステップ2.添い乳なしで寝かしつけをする
ルーティーンが変更できたら、就寝時の寝かしつけで添い乳をやめていきます。この時点では、夜中はまだ添い乳でもOKです(余裕がある人は次Nのステップ3も同時に取り組んでいただいてもOK)。
寝かせるときはもうすでに授乳が終わってお腹いっぱいのはずですよね?お腹が満たされて気持ちよく、眠いモードになっているはずなので、できるだけ少ない介入で寝かしつけてあげましょう。
急に寝かしつけ方を変えられると抵抗することがほとんどです。大きな声を出して泣いたり、手足をバタバタとさせて抵抗する意思を見せてくることはありますが、それは“いつも通り”を求める赤ちゃんの本能です。
赤ちゃんはいつも通りが安心するので大好き。一方でいつもと違うことには不安を覚えて泣いたり抵抗したりします。ですが、ここで心が折れて「やっぱり添い乳を…」となると「泣いて訴えれば添い乳してもらえた」という学習になってしまうのでグッと我慢。数日の間に赤ちゃんは新しい“いつも通り”を学習するので、それまでの辛抱です。
月齢が低かったり、あまり激しく泣いてしまったりする場合は抱き上げてあやすこともありますが、そこで抱っこをして寝かしつけるのではなく、必ずベッド(布団)に戻してから寝つくようにサポートしてあげるようにしていきましょう。添い乳の代わりに抱っこねんねのクセがついてしまった…!ということを避けるためです。
ステップ3.夜中の添い乳もなくしていく
就寝時の添い乳が卒業できると、上手くいけばそのまま夜通し寝てくれるようになることもあります。一方で、最初は添い乳不要になったけれど、途中起きたときはやっぱり添い乳じゃないと寝られない…ということもあります。
その場合は、安全性のため添い乳をやめて授乳は続けるのか、それとも授乳で寝かせること自体をやめるのかによって対策は分かれてきます。
6カ月未満など低月齢の場合、夜間の授乳が必要なことが多いので、完全に断乳してしまうのではなく授乳のタイミングを決めてその時間だけ飲ませるように、他の時間に起きた時は授乳以外で寝かしつけることを練習していきます。
生後2〜3カ月なら3時間たっていなければ飲ませないなどのルール、生後4カ月目ごろからは24時と3時などと時間を決めて、その周辺以外で起きた時は飲ませずに対応するなどと決められると良いでしょう。
夜間断乳をする場合は、とにかく徹底して飲ませないことが大切です。最初は授乳を求めて大泣きすると思います。でも、これは「授乳以外でも寝られる方法があるんだよ。あなたはそれができるんだよ。」って教えてあげるチャンスです。
泣いて泣いて泣き止まないからやっぱり授乳…というのが一番赤ちゃんを混乱させてしまうので、激しく泣いてしまってもおっぱいじゃなくても寝られることを教えてあげよう!という強い気持ちを持って取り組んでいただくと成功に近づけますよ。