駄々をこねる子・ママから離れない子
わがままや甘えの行動にばかり注目していませんか?子どもの心理に詳しい中垣俊子さんは、「今できていることに目を向けて、困る行動には注目し過ぎないで」と言います。
Question イヤなことがあると 駄々をこねる息子
5歳の息子のわがままに困っています。例えば朝ご飯にパンを出すと、「おにぎりじゃないと食べない!」「もう園にも行かない!」と、パンをきっかけに全てが嫌になってしまうことがあります。一人っ子のためか、わがままを言うことがとても多く、いつも悩んでいます。解決法を教えてください。
[東京都/ A・Y]
Answer わがままを受け止めてから あっさりした対応を
まずは子どもの言葉をそのまま受け止めましょう。「おにぎりがいいんだね」「園に行きたくないんだ。ママと一緒にいたいのかな」と、言葉にするのです。気持ちを受け止めることと要求をかなえることは別物です。気持ちを受け止められ、分かってもらえた安心感を子どもが持てば、納得してくれることも少なくありません。それでも駄々をこねるときは、あっさり対応するに限ります。「落ち着いたらママと仲良く園に行こうね」と言って、ママは園の支度を進めましょう。「何で~」と食い下がってきたら、「何でも」「残念だったね」と短い言葉であっさり応えるのがポイントです。良い行動も悪い行動も、ママが注目するほど増えるもの。増えてほしくない行動には注目し過ぎず、今できていることや良い行動に注目していきましょう。
本来、相手の行動を自分の思い通りにしようとすることは、子どもでも大人でも失礼なこと。このケースでは、「朝食に何を出すか」を決めるのはママ。「朝食を食べるかどうか」を決めるのは子どもです。とはいえ、お互いが気持ち良く暮らしていくために、歩み寄ることも必要です。例えば翌日の朝食にパンもおにぎりも用意できるなら、「明日は何が食べたい?」と子どもに希望を聞いてみるのもいいですね。子どもが「パン」と答えたのに翌朝おにぎりを欲しがったら、「パンがいいって言ったよね」と答えればOK。ママは淡々と準備を進めましょう。
Question 園の行事になると 私のそばを離れない娘
4歳の娘は園の行事になると私にべったりくっ付き、行動できません。私がいないときはできているみたいですが…。毎回になると気が重くなり、他の子はできているのにどうして…とつい思ってしまいます。入園式も遠足も駄目でした。今後どうすればいいのでしょうか。
[神奈川県/ナオ]
Answer 日常の小さな行動を認めて 勇気と自信を育てましょう
こういう特徴的な出来事というのは、後で振り返ると笑い話になったりするものです。でも、気が重くなるママの気持ちも分かります。そこで、「ママがいるとできなくなっちゃうのかな?」と子どもに一度聞いてみてください。「どうしてできないの?」と聞くと責めている感じになるので、優しい口調で尋ねることが大切です。そして「○○ちゃんがみんなと一緒にやっているところを見てみたいなぁ」とお願いしてみましょう。園の行事でママから離れないときは、「上手にできないような気がするの?」と聞くと何か話してくれるかもしれません。
4歳は、自分と周りを比べられるようになり、自信を持ちにくくなる年齢です。歯がゆいでしょうが、子どもにとってママが安全地帯になっているのはすてきなことです。周りの子と比べて引き算するのではなく、わが子の良いところや小さな成長に注目して、毎日植木にお水をあげるように勇気と自信を育てていきましょう。こういう引っ込み思案なタイプの子は褒められるとプレッシャーを感じることもあるので、「今日もご機嫌で起きてきたね」「歯磨きしたね」「自分で着替えたね」など、日常の行動をそのまま口にするだけでも十分です。ママが見ていてくれる、自分は認められていると実感できると、ゆっくりゆっくり変わっていきますよ。