遅食・過食を改善するために

幼児期に基本的な食習慣を身に付けておきたいですね。 そのためには「食事に関する楽しい体験が大切」と言う管理栄養士の太田百合子先生にお話を聞きました。

Question ゆっくり食べるので 食事に時間がかかります

 3歳の娘は食事がとにかく遅い! すぐに立ってしまうので片付けようとすると「全部食べる」と言い、完食するまで2時間かかることもあります。ご飯の量を減らすと、すぐに「おなかすいた」と言うし…。園は給食ですが、ゆっくり過ぎて食べ終わらず、毎日ほとんど残しているそうです。[埼玉県川越市・ちゃまま]

illustration KAWAZOE Mutsumi

Answer 食事の回数をふやしつつ メリハリをつけましょう

3歳ですからそろそろ食べるときと食べないときのメリハリをつけていきたいですね。さすがに2時間はかかり過ぎなので、1時間食べたら「“ごちそうさま”しようね」「3時になったらまた食べよう」と言ってさっと切り上げて、食事のリズムをつくっていきましょう。1回あたりの食事量を減らして、食事の回数を増やすのもいいですね。家でも園でも最初の盛り付けは少なめにし、残したとしても、他で補えば大丈夫。特に3時のおやつは重要です。3歳を過ぎるとおやつのメインはお菓子やジュースになりますが、ゆっくりで食べる量が少ない子にとってそれでは栄養が足りません。家庭では果物やイモ、乳製品などお菓子以外のものを用意してあげてください。うどんなら半玉くらいは食べてもOK。また、ママと一緒に焼きおにぎりやパンケーキを作るのもオススメです。
 人のリズムに合わせようとする社会性が育つのは3歳以降といわれています。「食べたら公園に行こう」とか「お皿を一緒に洗おう」などと誘って親子で過ごす楽しい時間を増やしていくと、頑張って早く食べようという気持ちが芽生えてくるかもしれません

 

Question 大人と同じ量だけ 夕食を食べたがります

5歳の娘は好き嫌いなく食べますが、濃い味が好きで夕食を大人と同じ量だけ食べたがります。おかずの品数は3、4品です。夕食を食べ過ぎているせいか、朝は食が進まず食べ終わるのに
1時間くらいかかります。体型は同級生とあまり変わりませんが、おなかが出ているのも気になります。
[東京都江戸川区・K.S]

illustration KAWAZOE Mutsumi

Answer 薄味でかみ応えのある献立なら 満腹感を得られます

生まれてからの身長と体重を確かめて成長曲線の流れを見てみてください。もしも体重が平均より重くても、ラインに沿って推移しているなら問題ありません。3歳以降から急に体重が増えているようなら、食事内容を見直す必要がありそうです。とはいえ朝食が進まないのであれば、やはり夕食は少し量を減らしてもいいでしょう。5歳くらいになると奥歯もしっかり使えて咀嚼(そしゃく)力も付いているので、赤身の肉や大きめに切った野菜などを多用して、よくかむことで満腹中枢を刺激してあげましょう。タンパク質類は大豆やホタテ、イカなどの魚介類を使って肉ばかりにならないように気を付けて。濃い味だと白米をたくさん食べてしまうので、薄味にするといいですね。また、水分で流し込むような食べ方をすると量を食べてしまうので、食事中の水分はみそ汁くらいにしましょう。
 おなかが出ていても指摘しないであげてくださいね。体型を気にして量を制限するより、たくさん外遊びをしてバランス良く食べたり、食事の前後にお手伝いをしてもらったりすることが大切です。

ライター

&あんふぁん編集部&あんふぁん編集部の画像

&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

子どもの健康・発達:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌