1歳を過ぎても夜中に何度も起きてつらい!原因と対策をプロが解説
ママをほとほと困らせてしまう夜泣きや深夜の覚醒。赤ちゃんのうちは「まぁそんなもんなのかな…」と思っていたけれど、1歳を過ぎても何度も起きる。お腹もすいていないはずなのに、どうして?というママのお悩みに乳幼児の睡眠の専門家が答えます。
1歳を過ぎても何度も起きる…
なんとなく夜泣きなどの睡眠トラブルは1歳くらいになれば自然と解決するのだろう…という意識を持っている方、少なくないと思います。ですが、実は1歳を過ぎてもお子さんの睡眠にお悩みのママはたくさんいらっしゃいます。同じ月齢の周りの子は朝までぐっすりなのに、なんでうちの子だけ…と暗い気持ちになってしまうこともありますよね。私自身もその1人でした。
そんな1歳過ぎの子が夜中に何度も起きてしまう原因と対策のポイントをお伝えします。
原因1. 睡眠環境が整っていない
今の季節でよくあるのは暑さ。子どもは大人よりも暑がりなので、大人が感じる少し涼しすぎるくらいの室温に整えてあげると寝やすくなります。例えば、半袖半ズボンのパジャマで寝ているのであれば25℃程度です。
他にも環境としては、光環境や寝床の環境などが挙げられます。光環境というのは、豆電球や窓やドアからの明かり漏れです。光は脳を覚醒させる効果があるため、寝ている間に光が目に入ると子どもは起きてしまいやすくなります。豆電球をつけっぱなしで寝ていたり、薄いカーテンで廊下や街頭などの電気が漏れているという場合は暗くして寝やすくしてあげましょう。
真っ暗を怖がる場合は床に置くタイプのライトを直接光源が目に入らないように置くこと、おばけ撃退スプレー(中身は水でも良いのでバレないように!)を撒いてあげることなどが有効です。
寝床の環境としては、ミニサイズのベビーベッドだと12カ月でサイズアウトだったり、通常サイズのベビーベッドでも24カ月でサイズアウトだったりすることが一般的です。寝床が狭過ぎないか、寝返りできずにいないか、などチェックしてあげましょう。
原因2. 生活習慣の乱れ
夜中に何度も起きてしまう原因としては「疲れ過ぎ」もしくは「眠くない」の両方が考えられます。
疲れ過ぎて起きてしまうパターンは、昼寝が短かったり就寝が遅過ぎたりすることが原因です。疲れが溜まり、ストレスホルモンが過剰分泌されて睡眠を邪魔してしまっています。この場合は、適切に昼寝をとらせてあげること、遅過ぎない就寝時刻で寝つかせること(できれば21時まで)が対策となります。
毎日の就寝時刻や起床時刻が異なることも生活習慣の乱れとして、疲れ過ぎを引き起こしたり、リズムの乱れで深夜覚醒につながったりもするので、できるだけ同じ時間に起き、同じ時間に寝ることを心がけましょう。
反対に眠くないパターンとしては、昼寝も3−4時間などしっかりとれているにも関わらず、18時半や19時に就寝していて、朝は7時に起きているというケースが挙げられます。早寝は良い習慣なのですが、昼寝もしっかり、夜も早寝となると深夜にフルチャージで覚醒する恐れもありますので、昼寝を短くするか就寝時刻を少し後ろ倒していくかの対応がおすすめです。
原因3. 寝かしつけのクセ
授乳をしながら寝落ちしている…などという場合は、そのクセが原因となって起きていることが考えられます。大人にも子どもにも睡眠サイクルというものがあり、深い眠りと浅い眠りを繰り返しています。その浅い眠りになったとき、ふと目が覚めたりしているのです。まだ睡眠が上手ではない子どもは、ここで不安や違和感を覚えると次の眠りに入れなくなってしまいます。
その不安の原因が寝るときのクセです。「飲んでいたはずのおっぱいがない!」「繋いでいたはずのママの手がない!」ということで起きてしまいます。これが原因だと考えられる場合は、このクセを少しずつ減らしていく(なくしていく)練習が必要です。
なぜ変えていきたいのか、いつから変えたいのか、どう変えたいのか、変わってくれたらママはどんな気持ちなのか、しっかり説明をして取り組みましょう。
原因4. 気持ちが不安定
気持ちの不安定さも睡眠の質を下げることに影響します。例えば、ママの仕事復帰や保育園入園、きょうだいの誕生、引っ越しなど子どもにとって大きな環境変化は気持ちを不安定にさせます。そういった不安がある状態だと、夜中にふと目が覚めたときに急にその不安が襲ってきて眠れない!急にママに甘えたくなった!ということが起こりやすくなります。スキンシップをしっかりとる、やさしく言葉で話してみる、お話ができる子なら今どんな気持ちなのか聞いてみる、ということが大切です。
何にもしなくても朝まで寝てくれる子、試行錯誤してみてもなかなか寝るようにならない子、それぞれ個性です。育て方が良い悪いでも、どっちが正解とか不正解とかいうことでもありません。まずは思い当たる原因がないか振り返って、対策をとってみてくださいね。