寝ている子どもの足を触ったら冷たい!これって大丈夫?
寝ている子どもの手足を触ったら冷たくてびっくりしたことありませんか?慌てて冷房を弱めたり、布団をかけたり、風邪をひかせたら大変…!と色々対策したくなりますよね。そんなときどうするのが正しいのか、乳幼児睡眠コンサルタントが解説します。
寝ている子どもの手足が冷たいのは体温調節機能が未熟なせいです。体幹に近いほうまで冷え切っていなければ、心配することはありません。むしろ暑くしてしまうほうが、子どもにとっては危険があります。
とはいえ、本当に冷えている場合や病気の兆候だったりする場合もありますので、見分け方や対応、適切な環境の整え方について話していきます。
子どもには布団ではなくスリーパーが良い
布団文化の日本では、子どもにも掛け布団をするのが当たり前の光景に思われるかと思いますが、実はアメリカでは子どものベッドに掛け布団は入れないのが一般的です。
それは乳幼児突然死症候群を防ぐためというのが最も大きな理由です。特に1歳未満の赤ちゃんに布団をかけるのは危険です。
温めすぎてしまったり、布団で口や鼻がふさがってしまったりすることで、乳幼児突然死症候群のリスクが高まるため、1歳未満の赤ちゃんには布団の代わりにスリーパーを着せるようにしてください。
また、1歳以上の子であっても、子どもって寝相が悪いですよね。そうなるとせっかく布団をかけていても気づいたときにははだけておなかを出して寝ている…。なんてこと、あるあるですよね。
スリーパーは着るお布団なので、はだけておなかが冷えてしまう心配がないのです。
寝ている子どもの手足が冷たい理由
子どもの手足が冷たいのにはちゃんと理由があります。
子ども、特に赤ちゃんの頃は皮下脂肪が少なく、皮膚も薄いため、体の表面から熱が逃げやすい状態です。そのため、体温調節機能が未発達なんです。
では赤ちゃんはどのように体温調節をしているかというと、末端の毛細血管を収縮させて体内に血液を集めます。そうすると手足が冷たくなります。これが赤ちゃんなりの体温調節です。
体温調節機能は2歳くらいまでにだんだんと整っていくものなので、2歳未満のお子さんの場合は特に手足が冷たくてびっくりすることがあるかもしれませんね。
温めすぎることのデメリット
寒いから血管が収縮してるんでしょ?あっためた方がよいのでは?と思うかもしれません。しかし、「手足が冷たいから温めなくちゃ!」という考えにはちょっと待った!!!です。
体温調節が未熟な赤ちゃんを温め過ぎることにはデメリットがあるので、それを理解する必要があります。
デメリット1.体温調節機能の発達を邪魔してしまう
必要以上に温め過ぎてしまうと、子どもの体温調節機能の発達を邪魔してしまいます。寒さにうまく順応できなくなってしまうなどの弊害が考えられるので、練習だと思って見守ってあげてください。
デメリット2.乳幼児突然死症候群のリスク上昇
温め過ぎは体温上昇を招き、乳幼児突然死症候群の発症リスクを高めてしまいます。非常に危険なことなので、注意をしていただきたいです。
デメリット3.あせもによる肌荒れ
子どもはとっても汗っかきです。暑すぎてしまうと、おなかや背中にたくさん汗をかき、あせもになってしまいます。あせもが発生すると体がかゆくなり、睡眠も阻害されてしまいますし、かきむしることによって肌荒れにもつながります。
おなかや背中に手を突っ込んで、たくさん汗をかいている場合は温め過ぎなので、調整するようにしてあげてください。
冷えすぎや病気の兆候を見分けるポイント
おなかが温かいか
36℃よりも体温が低い状態を低体温と呼びます。簡単な判断基準としては、手足が冷たくてもおなかや背中が温かければ大丈夫です。太ももまですべて足が冷えてしまっているとなると、それは寒すぎてしまっているかもしれません。
また、おなかや背中まで冷えてしまっている場合は低体温の可能性があります。
唇や爪の色
これは寝ているときには確認しづらいですが、朝起きたときに唇や爪が青紫色になっている場合はチアノーゼになってしまっています。
これは体が冷えすぎてしまっているサインなので、体調が悪くないかよく観察し、就寝環境を見直してみてください。気になる場合は小児科の先生に相談してみてくださいね。
体を縮こめて泣く
子どもが「寒い!」と言っているときはもちろんのこと、まだ話せない赤ちゃんでも体を縮こめて泣いているときは寒い可能性があります。
他にも赤ちゃんが泣くには何かしら原因があるので、気温や湿度、おなかが減ってしまったのか、オムツを替えてほしいのか、寝たいのにうまく眠れないのか、睡眠環境やスケジュールを見直してみてください。
子どもの手足が冷たいとびっくりしてしまうこともあるかもしれませんが、特に2歳未満の子の場合は体温調節機能が未発達なことが影響している可能性が高く考えられます。
もちろん、本人が寒がっているときはパジャマや室温調節などでしっかり対応してあげてくださいね。