子どものタイプ別「失敗」との向き合い方
あんふぁん読者の約7割が「子どもが“失敗”を嫌がる」と言います。
やる前から失敗を恐れて諦めるわが子を見ると、もどかしく思ってしまいますね。
読者アンケートから見えてきた4タイプに対して親ができることを、発達心理学が専門の岩立京子先生に聞きました。
※2022年10/5~11/1、読者にWebアンケートを実施。有効回答数979
イラスト/田仲由佳
関わり方1 どんな姿も受け止めて結果よりプロセスを認めよう
失敗を嫌がる姿もママやパパに受け止めてもらえること。そして結果ではなく頑張ったプロセスを認めてもらうことで、子どもは自分の感情をコントロールする力や目標を立てる力、目標に向けてすべきことを考える力など、さまざまな力を伸ばしていきます。
関わり方2 失敗を恐れるときはさりげなく手助けしよう
子どもが扱いやすい道具を用意するなど、環境を整えることでさりげなくサポートをしましょう。難しそうなときは挑戦するハードルを下げることも大切です。そうやって小さな成功体験を積み重ねていくと、自信が付き、失敗を恐れる気持ちも薄れていくでしょう。
関わり方3 失敗してもおおらかに受け止めよう
失敗を親が大ごとに捉えると、子どものショックな気持ちが増幅してしまいます。失敗して嫌な気持ちを受け止めることは必要ですが、「まあいいか」という姿勢も見せて。失敗をおおらかに受け止められるようになると、「また次に頑張ろう」という気持ちにつながります。
関わり方4 親自身が失敗する姿を見せよう
ママやパパが失敗する姿を見せることで、「誰でも失敗するんだ」「失敗してもいいんだ」と感じられます。「ママは忘れちゃうから、代わりに覚えておいてね」と子どもを頼りにするのもおすすめ。「ママの力になれた」「ありがとうと感謝された」という経験は自立心を養います。
関わり方5 期待するからこそ長い目で見ていこう
「なんとか今日やらせよう」ではなく「また今度でもいいか」と長い目で見ていると、子どもの安心感につながり、結果的に目標達成への早道になります。幼児期の1年は大人の10年分ほどの個人差があるもの。その子らしい良い発達を遂げられるよう、時間をかけて支えていきましょう。
失敗を嫌がるのは成長の証です
2歳前後ごろまでは自分がやった結果にこだわらないので、失敗を気にすることは少ないもの。でも成長に伴って「こんなふうにやりたい」という目指すイメージをクリアに持てるようになるので、自分の結果に対する要求水準が高くなります。また、自分の目指すイメージと結果にズレがあることも分かってくるように。
さらに子どもは、「親の期待に応えたい」という気持ちも抱いています。ママやパパからすると「ただそばで見ているだけなのに」と思うかもしれませんが、子どもは失敗する姿を見られたくないと思うものなのです。
こうした理由から子どもは失敗を嫌がるようになっていきますが、これは成長の証であり、「失敗を避けようとすることができる」とも言えます。
ママやパパに知ってほしいのは、子どものどんな姿も必ずマイナスの見方とプラスの見方ができるということ。例えば「失敗を避けようとする」のは「慎重さがある」から、「かんしゃくを起こす」のは「自分の中にイメージがしっかりある」から、と言い換えられます。失敗も子どもの心の成長の糧になると思って、どんな姿も温かく見守ってほしいですね。