「ママいらない!大っ嫌い」ママにだけ暴言を吐く子どもの心理と対策
「ママいらない」「あっち行って」「大っ嫌い!」など、子どもに言われて傷ついたことはありませんか? 幼稚園では穏やかに過ごしていてもママにだけ暴言を吐く子は、意外と多いようです。
今回はそんな子どもの心理と対策について、元保育士の立場から考えてみました。
ママ友の多くが子どもの暴言で傷ついた経験あり
うちの娘は友達に対していつも穏やか。カッとなることはなく、強い口調で話す姿を見たことはほとんどありません。
しかし家に帰ると豹変!
「ママ~、〇〇どこ?」と娘が今使いたいものの在り場所を聞かれ、「知らないよ」と答えると…。
「ねえ!どこって言ってるじゃん!」「ママ!ママーッ!」と突然怒りをぶつけられるのです。最初から怒りモードで向かってくるその理不尽な態度にストレスを感じずにはいられません。
その話をママ友にしてみると、意外にも「うちもあるある!」という声が多くありました。
事あるごとに「ママなんていらない!どっか行って!」と暴言を吐かれるママも…。友達やパパには言わないので、毎回すごく傷ついているそう。
暴言を吐いたり、しばらくジタバタ暴れた後は、子どもは何事もなかったようにしているそうですが、言われた側のママは「気持ちをなかなか切り替えることができなくて…」と話します。
暴言を吐くのは信頼しているから
私は、娘が理不尽に怒りをぶつけてくる時、保育士をしていた時に学んだことを思い出すようにしています。
それは「家庭で充分に自分を出せて甘えられている子は園で頑張れる、甘えが足りない子は園で友達に当たってしまったり集中力がかけたりすることがある」ということです。
実際に、保育士時代に「最近友達にいじわるすることが増えたな」と感じる子の保護者と話をしてみると、仕事が忙しく相手をできないことが続いていたということがありました。
下の子が生まれたり、ママ自身がストレスを抱えていたり、充分に甘えられない状況が続くと園での子どもの様子が違ってきます。
逆に、運動会の練習など園ですごく頑張っている時、家でぐずることが増えたと聞くこともありました。
園でいろいろなことに挑戦するためにも、家で言葉にできない園でのストレスを発散するのは、子どもにとって必要なことだと思います。
ママにだけ暴言を吐く理由は、「こんな自分を見せてもママには嫌われない」という信頼があるからだと思います。
家で自分を出せずにいい子を演じているより、安心してワガママを言える方がずっといいのです。
ママがイヤだったことは伝える
子どもが暴言を吐く理由が理解できても、イヤな言葉を言われ続けるのはつらいもの。そして、わが子に「人が傷つく言葉を言ってはいけない」ということをしっかり伝えていくのは大切です。
少しくらいの八つ当たりは仕方ないけれど、あまりにもひどい暴言を吐く時は毅然とした態度で叱ることも必要ではないでしょうか。
もし「ママなんて大嫌い!」と言われたら、時にはママだって本気で、「ひどい!」「悲しい!」と大人げないくらい怒ったり悲しんだりして、その気持ちを伝えてもいいと思います。
暴言をはいている奥底にあるのは甘えたいという気持ち
その上で、子どもが今抱えている本当の気持ちを聞いていくことが大切だと思います。
暴言は決して本心ではなく、その奥底には「抱っこしてほしかった」「一緒に遊びたかった」「もっと自分を見てほしい」などの想いがあるはず。
「〇〇ちゃんはどうしてほしかったの?」と聞いて、「抱っこしてって言ったら、してあげられるよ」など、ママを攻撃する言葉以外の解決方法があることを教えていくといいと思います。
うちの娘も家でストレスを発散したり甘えたりしながら、園では感心するくらいいろいろなことを頑張っています。
先生に「友達にやさしくできてステキですね」と誉められるたび、「ママにもいつもやさしくして~!」とつい言いそうになるのですが(笑)。
娘の甘えをできるだけ大きな気持ちで受け止めるよう心掛けつつ、私自身もストレスがたまった時には、夫に助けを求めたり、ママ友にグチを聞いてもらったりと息抜きをしながら、これからもしっかりと向き合っていきたいと思います。