子どもの情緒が不安定!?そのサインと対処法のまとめ
子どもが情緒不安定だと、保護者としては心配ですね。なかなか理想どおりの行動をしてくれない、予定どおりに物事が進まないなど、困ってしまうこともあるかもしれません。
今回は、子どもが情緒不安定なときの対応方法をご紹介します。
子どもが見せる情緒不安定のサインとは?
情緒不安定といえば、突然怒る、あるいは泣くといったことを想像する人が多いかもしれませんが、他の部分にも情緒不安定のサインがあらわれることもあります。
情緒不安定なときは、対処が早いほど、不安定な状態から早く抜け出せる可能性が高くなります。ですから、ちょっとしたサインの段階で子どもの心の不安定さに気付いてあげられるとベターです。では、情緒不安定のサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
【サイン1】パパやママと離れたがらない
もう登園の時間なのに、なかなか離れてくれない、前までこんな様子じゃなかったのにな……などと感じるときは、子どもの気持ちが不安定になっているサインかもしれません。
子どもは不安があると、安心できる相手と離れたくない素振りを見せます。なかなか離れたがらないときは、何か不安があるのかもしれません。
【サイン2】寝付きが悪かったり、夜中に目を覚ましたりする
気持ちの不安定さは、睡眠に影響を及ぼすことがあります。以前に比べて寝付きが悪くなった、夜中に目を覚ますことが続く、といった場合は情緒不安定のサインかもしれません。
情緒不安定のときは、悪夢をよく見ることでも知られています。気持ちが不安定なときに悪夢を見る理由については、まだよくわかっていませんが、ストレスや不安が夢に反映されている、不安や緊張で睡眠の質が低下している、などが考えられているようです。
【サイン3】人から注目を浴びようとする
情緒不安定なときに、親や友達から必要以上に注目を浴びようとする子どももいます。人が話しているのを遮って自分の話を聞かせようとする、友達が何かポジティブなことを言うと「自分のほうがすごい」という主旨の話をする、ときには注目されたいために嘘をつく、といったパターンもあるでしょう。
このようなことがあると、親としては「いけないことだ」「お行儀が悪い」と叱らざるを得ないかもしれません。しかし同時に、心が不安なために承認欲求が強まっているのかもしれない、と考えてみることも大切です。
子どもの情緒不安定にはどう対応する?
子どもの情緒不安定に対応するには、子どもの感情を受け止めてあげることが大切です。具体的な対応方法には次のようなものがあります。
子どもが安心できる時間を確保する
子どもが情緒不安定なときは、自分の感情をしっかりパパやママに表現できていない可能性があります。1日5分でもいいので、パパあるいはママと子どもだけの、1対1の時間をとってみましょう。
子どもとの時間で、遊んでも、お話をしても、やることは何でも構いません。ただ家事やスマホ、他の兄弟のお世話などを全て放棄し、一人の子どもだけに集中して向き合うことが大切です。子どもは「自分のことを見てもらえていない」と無意識に感じると、自分を見てもらいたいという気持ちから情緒不安定になることがあります。情緒不安定になると、人から注目を浴びようとするのも同じ理由です。パパやママの目が自分だけに向くことで、安心感が生まれ、1対1の時間のなかで自分の気持ちを話し、心を安定させられる可能性があります。
子どもの失敗をポジティブに受け入れる
子どもはよく失敗をしますが、失敗を叱られることが多いと、情緒不安定になることがあります。日常生活のなかで、子どもを叱ることが多くなっていないか振り返ってみるのがおすすめです。
子育てのなかで子どもを叱ることは重要ですが、やり方によっては子どもの自己否定感を強めてしまうことがあります。過剰に叱られると、子どもが「どうせ、自分には何もできない」「自分は親に嫌われている」などとネガティブになってしまうのです。こうした弊害を防ぐには、叱るのと同じくらい良いところを見つけて褒める、叱る際に子どもの人格を否定せず、やりすぎない、といった工夫が必要になります。
不安定な心に寄り添う
情緒不安定というと、「あってはならないこと」と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。「情緒不安定になることも、当然ある」と考えることをおすすめします。そのうえで、不安定な心にゆっくりと寄り添ってみましょう。
情緒不安定になるとき、子どもは自分が何を不安に、あるいは不満に感じているのか、気付いていないことも多いものです。それは、感情を言語化するのが難しいから。言語化できないことで、感情がより不安定になってしまうのです。
こんなときは、子どもとゆっくりお茶の時間を過ごすなどして、何をどう感じているのか気持ちを聞いてみましょう。園や学校でのできごと、友達との関係や、やりとりなどを言葉で教えてもらい、「そうなんだね」「そういうふうに感じたんだね」と感覚を肯定してあげることが、安心につながります。
情緒不安定はよくあること!落ち着いて対応しましょう
子どもが情緒不安定になってしまうと、時折、自分を責めてしまう人もいます。しかし親の側が「私がうまくケアできていないから、子どもが情緒不安定になってしまった」と考える必要はありません。大人だって、自分の感情を言語化できないこともあるし、情緒不安定になることだってありますよね。ですから、子どもにも、あって当たり前なのです。
ただ子どもが情緒不安定になると、態度が反抗的になったり、ぐずってしまったりすることが増えるため、親が子どもに影響されて不機嫌になってしまうこともあります。こうなると子どもも、親の不機嫌に影響されてますます不機嫌に…という悪循環に。それを避けるには、やはり大人が気持ちを切り替えて、子どものケアに回ってあげることが大切です。
「私だって忙しいのに…」という気持ちも当然ですが、子どもが落ち着けば自分の手も少し楽になります。対策しながら、子どもの不安を受け止めてみてくださいね。