自己肯定感が低いのは親のせい?今すぐ変えたい声掛け3つ

自己肯定感が低いのは親のせい?今すぐ変えたい声掛け3つ

子どもの健やかな成長のためには、「高い自己肯定感が必要」と言われています。自己肯定感を育むのはどうすればいいの?わが子の自己肯定感が低いように感じるのだけど…など、不安に思うことはありませんか。
今回は心理カウンセラーの立場から、子どもの自己肯定感が低いと感じるときに親がぜひ使いたい声掛けについて紹介します。

「(失敗したら)次はこうしてみようね!」

大人は「思い通りにいかなかったこと」「目標や期待に達しなかったこと」を失敗としてとらえて、そこを指摘し叱責したり、残念がったりしてしまう傾向にあります。しかし実際には子どもにとっても大人にとっても、失敗は学びのプロセスに過ぎません。故意のイタズラなどの悪質な行動であれば別ですが、悪意のないこと、子どもにありがちな失敗などは、怒るのではなく、「次はこうしてみよう!」と声を掛け、対応方法を教えるという意識をもつことが大切です。

大人だって、仕事や家事などで失敗したことを他人から指摘され、怒られるのはイヤなものです。それなのに、子どもの失敗を「なんでそんなことしたの!」と怒ってしまっていませんか? 子どもも園児や小学生になってくると、失敗したときに自分自身で「やってしまった!」と認識できます。そこへ親からガツンと怒られると、反抗心や惨めさがないまぜになり、失敗した自分は誰からも認められない、ダメな人間なんだ…というような自己肯定感の低さにつながってしまいます。

失敗することの「良さ」もあわせて教えたい

子どもの中には、“失敗することはいけないこと=負けである”と考える子がいます。失敗して親に怒られてばかりいる子がこのように考えがちですが、たいして怒られていなくても、生来の負けず嫌いの子どもはこうした考え方をしがちです。そこで保護者としては、失敗だと思うことがあった時も、「失敗して、わかったことがあったね!よかったね」というニュアンスで成功への道筋を示していく必要があります。

「自分で決めてごらん!」

自己肯定感の低い子は、意思決定の多くを人に任せている傾向があります。親や兄姉の決定権が強く、本人に選択の余地がほとんどない場合は要注意です。あえて「自分で考えて決めてごらん」と選択を任せることが、周囲の人から尊重されているという実感につながるでしょう。

子どもが失敗するのを防ごうと、つい“アドバイス”していませんか? そのアドバイスが、親の思うとおりの方向性への“誘導”になっているとしたら、子どもにとってそれはアドバイスではなく決定事項です。誘導が繰り返されれば、子どもは自分で考えることをしなくなり、自己肯定感も低くなりがちです。

たとえ失敗しても、子どもが決めたことを見守って

かわいいわが子が失敗をするのは、できるだけ見たくないものです。でも自分で決めたことで失敗を重ね、試行錯誤から成功を導いた子は、自分は自力で成功を導ける!という自信をもつことができます。子どもが自分の選択によって失敗しそうなときも、微細なものであればその体験そのものが自己肯定感の種となるでしょう。途中で止めず、あえて失敗を見守ることも大切です。

「ほんとだね、〇〇だね!」

子どもの自己肯定感は、大人の小さな同意の積み重ねで少しずつ育っていきます。「ほんとだね!」「そのとおりだね!」とちょっとした同意を大人からもらうことで、子どもは「これでいいんだ」と自分を認めることを知るでしょう。

ところが子どもは、なかなか大人が同意したくなることを言わないものです。したがって子どもが幼ければ幼いほど、親が真面目であればあるほど、「違うよ、そうじゃないよ」と言ってしまう可能性があります。ただ、否定の数が増えるほど自己肯定感がすり減るリスクは高まります。

子どもが見ている世界を大切に

正しいことを教えなければ、と思う気持ちは親として当然のものでしょう。ただ、いつも正しくあるために子どものことを否定してしまいそうになるなら、次の言葉を思い出してみてください。

『実在しない生き物が、子どもの心に椅子を作り、それらが去った後に実在する大切な人を座らせることができる』

これは著名な児童書『エルマーのぼうけん』を翻訳した、渡辺茂男さんの言葉です。子どもの世界には、いつも大人が信じがたいようなファンタジーが渦巻いています。しかしインターネットやスマホが流通する現代、子どもの世界に現実が否応なしにさし迫り、「実在しない生き物」のはびこる余地はどんどん小さくなってきているといえるでしょう。子どもの生きる想像と創造の世界を、どうか一緒になって楽しんでください。子どもが青い太陽を描いたときは、「太陽は赤でしょ」と言わずに、「太陽、青いんだね!すてき!」と楽しんでください。

他人から認めてもらえたことが、いつか自己肯定感になる

自分の決めたこと、失敗したこと、想像したこと。小さなひとつひとつを他人から、とりわけ親から認めてもらいながら、子どもは自己肯定感を育てていきます。自己肯定感とは言いますが、それは元々“他人から肯定される経験”によって生まれ、育まれていくのです。最も身近で、最も信頼する親に肯定されることこそが重要性をもちます。
もちろん限度もあり、しつけや常識といったことも大切だと思います。親にとってもそのさじ加減は難しいところがありますが、まずは「可能な範囲で子どもを肯定していく」ことを念頭において、子どもと接してみてください。

ライター

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心理カウンセラー、占い師 あん茉莉安

ふたりの女子の母。専門はスピリチュアルと発達心理学。得意分野は幼児教育、習い事、小学校お受験、中学受験など。趣味は歌とバイオリン。教員免許、図書館司書、学校図書館司書の資格をもっています。占いやパワーストーンを通してさまざまな癒しを皆さまへお届けしています。

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