赤ちゃんこそ保湿が大事。乳児からのケアが将来の肌への投資になる

赤ちゃんの肌ってケアしなくっていいの?

赤ちゃんの肌ってプルンプルンでつい触れたくなりますね。
そんな気持ちのいい肌だから、何にもお手入れしなくても大丈夫、そんな気がしていませんか?
実は、そうではないのです。筆者はベビーマッサージ講師歴13年。たくさんの赤ちゃんと産後ママの肌を見てきました。
今回は赤ちゃんとママの肌ケアについてお話しします。

どうして保湿が必要?

赤ちゃんの肌は大人の肌よりもずっと薄く、バリア機能も未発達な状態です。そんな赤ちゃんのお肌は、もともとトラブルを起こしやすいということを覚えておきましょう。
冬の時期だけでなく、一年中うるおいが少なく乾燥しやすい状態です。表皮が形成されていく3歳くらいまでに肌トラブルを繰り返すと、大人になってからもその状態が長く続き、かさかさ感や乾燥でかゆみを起こしやすい肌になってしまいます。
だから、赤ちゃんこそ保湿が大事。赤ちゃん時期の保湿は、今のプルンプルンの肌を守るだけでなく、将来への投資にもなるということですね!

「食物アレルギー」は、口からアレルギー症状を引き起こす物質が体に入って発症すると考えられていました。でも、最近は口からだけでなく、肌を通じて体内に侵入することも発症要因のひとつとして考えられるようになってきています。肌荒れがひどくなると、皮膚のバリア機能が弱まって、外からのさまざまな物質が侵入しやすくなります。つまり、よりアレルギーの原因を取り込みやすくなります。
バリア機能が未発達な赤ちゃんの肌は、保湿して乾燥を防ぐことで、外からの刺激から身を守ることができます。肌荒れでそのバリア機能が低下すると、アトピーなどの原因物質の侵入を許してしまうことに。
まずは、早い時期から保湿のスキンケアが大事です!

保湿剤には何がオススメ?

では、赤ちゃんのスキンケアに何を使ったらいいのか?
私がいつもオススメしているのは、ホホバオイルです。
人間の皮脂と化学構造が似ていて、いろいろな肌質の人に使用が可能と言われています。また、保湿力が高く、酸化しにくいという特徴も。サラっとしていて夏場でもベタベタしないので、非常に使いやすいオイルと言えます。
もちろん、小児科で保湿剤を処方されている場合は、それらを使用しても構いません。
塗る際には、たっぷりと。ママの手のひら全体に広げた保湿剤を塗りムラがないよう、広げます。ティッシュがピトッと張りつくくらいが目安! でも、ティッシュやタオルでふき取る必要はありません。

小学校高学年までは、きちんとスキンケアを

早いうちに始めるのがいいのはわかったけれど、じゃあいつまでやるの?というと、表皮が形成されても、しばらくは皮膚を乾燥や刺激から守る働きを持つ皮脂を分泌する皮脂腺が未熟な状態にあります。そのため、小さな刺激でもトラブルにつながる可能性があります。
その皮脂腺が成熟するのは思春期頃。小学校高学年くらいまでは、きちんとしたスキンケアを親が心がけることが必要だといえます。

声をかけながら、親子コミュニケーション!

保湿のために乳液やオイルを塗ろうと思っても、動きの少ない赤ちゃん期はいいのですが、動きたくて仕方のない時期は、じっとはしてくれないかもしれません。そんなときは、音楽にあわせて、親子のスキンシップの時間で塗りあいっこをするなど、遊びを取り入れて楽しい雰囲気で親が子どもに塗ってあげるといいですね。
体に触れる際には、必ず声掛けをして下さい。大人も裸の肌をいきなりさらわれたら、びっくりしますよね。言葉を発しない赤ちゃんとの間でも、「お洋服脱ごうか」「マッサージするよ~!」などとまずは最初に声をかけてから触れること、触れながらも「気持ちいいねぇ」「つるつるになったね!」など、スキンケアタイムは親子のコミュニケーションタイムだと思って、たくさんお話をしてください。

ついでにママもぴちぴち赤ちゃん肌に!

ベビーマッサージでたくさんのママと接していると、「出産前にはなかった手荒れや肌荒れがひどい」という悩みをよく聞きます。

出産や授乳で、身体の状態に変化があり、うるおいがなくなりやすい上に、赤ちゃんのお世話をするのに手を洗ったり、消毒する回数も増えているはず。だけど、子どものことに手一杯で自分のケアまで気がまわらない…。だから気がつけば、手はガサガサ、かかともぱっくり割れてしまっているという状態になりがちですよね。

ゆっくりパックをしたりする気持ちの余裕も、時間の余裕もないのは分かりますが、放ったらかしはやはりNG。
そんなときは「ついでのケア」がおすすめです。
赤ちゃんに使える保湿剤は、大人が顔にも全身にも使えるものばかりです。赤ちゃんや子どものケアをするついでに、保湿剤をたっぷりと手にとって、自分の肌に与えましょう。ママが気持ちよくリラックスしていると、それが赤ちゃんにも伝わりますよ。
これからの季節は、特に乾燥しやすいので、赤ちゃんとママのこまめなケアを意識してくださいね。

ライター

絵本専門士鳥山由紀の画像

絵本専門士 鳥山由紀

絵本専門士、絵本セラピスト(R)。 乳児親子向け施設、小学校等絵本読み聞かせの他、絵本に関する講演・執筆、大学講師等。2021年絵本販売店「絵本選書・販売 月のクローバー」を開業、イベント等にて出店。2017年より、京都市保育士会機関紙「ほほえみ」連載中。2018年から絵本読み聞かせと箏演奏のユニット「ことえほん」を立ち上げ活動中。3児の母。 ブログ「えほんらへん」

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