【新年度】先生にわが子をよくみてもらう裏ワザって?新しい先生と良好な関係を築くコツ

【新年度】先生にわが子をよくみてもらう裏ワザって?新しい先生と良好な関係を築くコツ

春は環境の変化に慣れようと、大人も子どもも気を張ってしまいますよね。私のところにも、たくさんの相談がある季節です。なかでも「先生との関係づくり」に悩む声がとても多くあります。
わが子をよく見てもらうためにも、先生とは良好な関係を築きたいもの。今回は、先生との関係づくりで大切にしたいポイントをスクールカウンセラー、発達凸凹支援コンサルタントの立場から、わかりやすくお伝えします。

新しい先生との関係づくり

発達凸凹っ子の保護者の方から、子どもが新しい環境で困っていないか聞きたいけれど、そもそも「先生との関係づくり」に悩んでいる、という相談をたくさんいただく新年度。その思いを掘りしてみると、

「新しい先生は、なんだか不安」

「連携したいけれど、どこまで踏み込んでいいかわからない」

「先生の方針を尊重したいけれど、自分の考えと少し違うので伝えづらい」

など「子どものために、先生と良好な関係を築きたい」という熱い気持ちがあふれていました。

同時に、担任の先生とお話しできる時間の少なさから「どうやって、関係づくりをすればいいか分からない」という悩みを抱えている方も多くいます。

先生の深層心理をのぞいてみよう!

先生と良い関係をつくるためにオススメしたいことは、「先生の深層心理をのぞいてみること」です。深層心理といっても、専門的で難しいことではないので安心してくださいね。「先生はどんな思いでいるのかな」と少し想像をめぐらせてみるだけでOKです。

先生の思いを考える理由

「うちの子をよく見てもらいたいのに、どうして先生の気持ちを考えるの?」と感じた方もいるかもしれません。実はこれ、遠回りなようで、一番の近道なんです!

「教員不足」ということばが広く知られるように、先生たちはやることに追われ「休み時間になってもトイレにすら行けない!水も飲めない!」というくらい時間が足りなかったり、家族との時間も十分に取れない…そんな環境であっても志を持って働き続けている先生たち。どうして先生の仕事を続けられるの?と疑問が浮かんできそうですよね。

私は、先生たちの心の根っこに、

「子どもたちを教えたい!」

「子どもたちのために頑張りたい!」

という思いがあるはずだと考えています。

だからこそ、学校でできることには限りがあると知っておくことが、先生と長く付き合っていくための大切なポイントです。まずは「先生」を取り巻く現状を知ることから始めると、先生とのいい関係がつくりやすくなりますよ。

わが子をよく見てもらう裏ワザ

いつも忙しい先生に、気持ちよくわが子を見てもらう裏ワザ…それはズバリ、先生の達成感につながるお願いをすることです。誰だって、手応えを感じたらうれしいもの。それは先生も同じです。

「この子の支援をして良かったな」と感じた先生は、さらに「もっとこの子をサポートしたい」という気持ちが生まれます。だからこそ、先生のやる気を上手に引き出すような関わりを意識することが大切なんです。

とはいえ、「どんなことをすればいいの?」と考えてしまいますよね。そのヒントは「先生の喜び」を知ることで見えてきます。

先生にとっての「喜び」を知る

ここで、もう一度先生の気持ちを考えてみます。先生になったつもりで「うれしい」と感じたり、やりがいを感じる瞬間を想像してみると、わかりやすいですよ。例えば、

・子どもの成長や変化

・保護者からもらう感謝の言葉

・先生自身の専門性アップ

・管理職から褒められる

・誰かから頼られる

など、たくさん思い浮かびますよね。

達成感は次への活力になる

「今年になって〇〇ができるようになりました」

「先生の〜〜というお声がけがうれしかったみたいです!」

「うちの子、先生の歌声が好きなんです!ぜひまた子どもたちと一緒に歌ってください」

子どもの小さな成長や変化はもちろん、保護者からの何気ない言葉でも先生にとっては大きな活力になります。私も教員として勤めていた頃にかけられたうれしい言葉が、たくさん心に残っています。

先生も人間です。褒められたらやっぱりうれしいんですよね。「もっと頑張ろう」と思えたり「信頼してもらえたんだな」という喜びが、達成感、そして次の支援へのエネルギーへとつながっていきます。

先生の強み探しワーク

先生と良い関係はつくりたいけれど、「新年度になったばかりだし、まだよくわからない!」という方にこそ、先生の強みや良いところを見つけてもらいたいと思い、ワークを用意しました。

先生の強みや良さをたくさん書き出そう!

どんな小さなことでもOKです! 

・宿題のマルつけが丁寧できちんと指導してくれる

・「授業が楽しい」と子どもが親しみを持っている

・子どもの目線に合わせて話してくれる

・こまめに子どもの様子を教えてくれる

など、子どもとの関わりの様子を思い浮かべると、書き出しやすいですよ。先生のちょっとした行動であっても「やってもらえて当たり前」ではなく「良いところ」としてキャッチできていればハナマルです。先生と積極的に関わって強みや良いところを見つけ、たくさんの「ありがとう」を伝えてほしいなと思います。

長いようで一年間はあっという間に過ぎてしまいます。直接会えたときはもちろん、連絡帳やお手紙などを使って、日頃からいい関係を築いておくことで「子どもの支援をお願いしたい!」というときにも、連携しやすくなりますよ。

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公認心理師・スクールカウンセラー・発達凸凹支援コンサルタント西木 めいの画像

担当カテゴリー

子どもの健康・発達

公認心理師・スクールカウンセラー・発達凸凹支援コンサルタント 西木 めい

大学教育学部(特別教育専攻)卒業。小学校の通常学級の担任を8年、特別支援学校(小学部) の担任を5年、自治体の就学支援委員会(就学相談)の調査員、特別支援教育コーディネーターを経験。
「優秀な同僚の先生たちが、保護者と揉めて心を病んで、どんどん学校を辞めていく現状」を見て、専門職であるスクールカウンセラーになることを決意。現在は、小学校と中学校のスクールカウンセラーとして、親子や先生のカウンセリング、学校内の環境調整のコンサルティング、不登校や登校しぶりの再登校のサポートなどを行う。
一方で、SNSを通じた「発達凸凹支援コンサルタント」として、これまで2300人以上のママ・パパ、先生のお悩み解決コンサルを行いながら、発達凸凹っ子のママや、子どもの不登校・登校しぶりに悩むママに向けたオンライン講座、小学校の保護者100名以上が集まる子育て講演会などを開催。特別支援教育が「教育の一番の根本」であることを啓発している。2児の母。著書に『発達障害のある子を支える担任と保護者の連携ガイド 』(明治図書)がある。

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