女の子の身体の変化って?ファーストブラはいつから?助産師が教える“おうち性教育”【児童期女の子編①】

女の子の身体の変化って?ファーストブラはいつから?助産師が教える“おうち性教育”【児童期女の子編①】

“おうち性教育”という言葉を知っていますか?おうち性教育とは、お子さんがまだ幼い頃から積極的に性に関する教育に取り組むこと。幼少期から性教育に触れることで、子どもたちが自らの心と身体を守る術(すべ)を身につけることに役立ちます。
助産師の石嶺みきさんによるおうち性教育のコラム、今回のテーマは「児童期の女の子」について、紹介します。

児童期とは?

児童期とは、小学校入学から第二次性徴が始まるまでの時期(およそ6歳頃から12歳頃)をいいます。この時期の子どもたちは、身体的、精神的、社会的に大きく変化します。その変化には個人差が非常に大きく、次に訪れる思春期へ移行するタイミングも、子どもによってそれぞれです。

児童期のお子さんの特徴としては、身体が大きく成長し、自己に対する肯定的な意識を持ち始める時期です。反面、発達には個人差が大きく見られることから、自己肯定感を持てずに自尊心や感情が低下して、劣等感を持ちやすくなる時期でもあります。また自立心も芽生え、親から離れて子ども同士の社会に身を置き始めます。

今回はおよそ10歳くらいまでの女の子についてお話します。

児童期の女の子の特徴

8~9歳頃になると、女の子は乳房の発育が始まります。その後、思春期を迎えると陰毛の発生、身長の増加、初潮(初経)の発来と、ダイナミックに変化していきます。

女の子の胸が成長し始める時期は、時代と共に早くなってきています。少し古いデータですが、1980年代の11歳女児でバストに変化が起こっている割合は46%でしたが、2000年代では63%と約2割増加しています(※)。

ワコール人間科学研究所調べ

ファーストブラは何歳から?どんなタイプがおすすめ?

「ファーストブラは何歳から着けたらいいの?」というご質問もよくいただきますが、特に何歳という決まりはありません。お子さんの体の成長に合わせて着け始めるのがベストです。でも、何を着けるのかはぜひこだわってあげてください。

私はいつも、“キャミソールタイプのファーストブラ”をおすすめしています。というのも、バストサイズの成長は急に全体が大きくなるわけではないからです。最初はバストトップ(乳首)のまわりがなんとなくふっくらしてきて、その後にだんだんと胸全体が膨らんできます。

膨らみ始めたばかりの乳頭周辺はとても敏感な場所です。体操着や洋服の上からプクッと乳首が目立つようになりますし、衣服に擦れると痛みを感じたり、湿疹が出来やすくなります。この点キャミソールタイプのファーストブラは、乳首を目立たなくすることや、衣服に擦れないようにすることに一役買ってくれます。

わが子の成長を見守り、寄り添ってあげよう

体の変化は周囲からも気づかれやすく、お子さん自身のまだ幼い心では戸惑ってしまうかもしれません。また不安や恥ずかしさから、なかなか親に伝えることも難しいかもしれません。そんな時は親である私達大人が、わが子の成長をしっかり見守り、寄り添ってあげましょう。そして、大人になるための順調なプロセスであることを伝えていきましょう。

次回は、「児童期の女の子」のためのおうち性教育(月経編)について、お伝えします

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子どもの健康・発達

助産師・看護師・栄養士 石嶺みき

助産師、看護師、栄養士。ミキズハウス助産院院長。株式会社FM BIRD所属。不妊治療中に献身的に励ましてくれた助産師に強い憧れを抱き、出産後に看護学校に進学。助産師専攻科を経て助産師資格を取得。卒業後は大学病院産婦人科外来・病棟に勤務し多くの出産に立ち会う。
その後、保健センター勤務に転じ、産後のメンタルサポートや妊娠SOS相談窓口、新生児訪問、乳幼児健康診査なども行う中で、フェムケア教育の普及活動を思い立ち独立。一般の方だけでなく、看護学校の教員や助産師、看護師などを対象とした講習会などを開講。現在は“全ての世代に、泌尿生殖器ケアを通して幸せになってもらいたい”という信念のもと、「フェムケア」「おちんちんケア(オムケア)」「思春期性教育」をはじめとする講演を広く行うなど、積極的に活動中。
今年4月出版「ぞうちんとぱんつのくに」原作・監修(KADOKAWA)

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