寝る子と寝ない子は何が違う?「ねんね下手」な子の寝る力を引き出す方法とは

「うちの子は他の子に比べて寝ない子」と感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。赤ちゃんも人間なので、個性があります。寝るのが上手な子、あまり得意でない子、両方がいますよね。
実は、子どもがよく眠るかは、そうした個人差のような先天的な気質だけでなく、親の対応によっても変わってきます。今回は、敏感な赤ちゃんでも寝付きやすくなるような親の対応や具体的な工夫について解説していきます。
気質の違い
まず大前提として、赤ちゃんにはそれぞれ気質の違いがあります。
おおらかなタイプ:多少暑かったり寒かったり、音がしても気にせず眠れる。
敏感なタイプ:ちょっとした変化や物音にも反応し、すぐ起きてしまう。
こうした気質の違いが「寝やすい」「寝にくい」を左右する要因の一つなのは間違いありません。しかし、「敏感な子だから仕方ない…」とも限りません。気質に加えて親の対応が重なることで、睡眠の質や寝つきに大きな差が出てくることもあります。
「生まれてすぐからの親の対応」で差が生まれる
親が赤ちゃんにどう接しているかは、特に生後数ヶ月で大きな影響を及ぼします。たとえば、次のような違いを想像してみてください。
1. どうやって寝かしつけているか
Aさんの場合:なるべく抱っこせずにベビーベッドに置いて寝かしつけていた
Bさんの場合:常に抱っこをしながら寝かしつけていた
Bさんの赤ちゃんは「寝るときは抱っこが当たり前!」と認識するようになるかもしれません。逆にAさんの赤ちゃんは「寝るときはベッドに置かれるものだ」と理解し、その条件下で自分なりに寝付く方法を学ぶ可能性が高いのです。
2. 泣いたときにどう対応しているか
Aさんの場合:泣いた瞬間にすぐ添い乳をしていた
Bさんの場合:5〜10分ほど様子を見て、授乳間隔が3時間経っていれば授乳。それ以外ならトントンや抱っこで対応していた
「泣いたら即おっぱい」か「状況に応じて方法を変える」かによって、赤ちゃんが“泣いたら必ずおっぱいがもらえる”と学習するのか、“場合によっては他の方法で落ち着ける”と学習するのかが変わります。
ちなみに「二人目はびっくりするほど手がかからない」「一人目より夜泣きが少ない」という話を耳にすることもあります。二人目以降は一人目ほど手をかける余裕がないため、どうしても少しの間泣かせたままにしてしまったり、すぐ抱っこされずベッドに置かれたままの時間が増えたり…ということは珍しくありません。
しかし、そうした環境だからこそ赤ちゃんが「自分でなんとか寝る力」を身につけやすいケースもあります。少し放っておかれることで、自分なりに再入眠したり寝付いたりする能力が育つ、というわけです。
よく寝る子になってもらうためにできること
わが子はすでに「寝ない子」になってしまっている!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも安心してください。後からでも変えていくことは十分に可能です。
環境・リズム・トレーニングという3つの視点でポイントをお伝えしておきます。
1. 寝やすい環境を整える
光:できるだけ真っ暗が理想。足元に暗めのライトを置く程度にすると良い
音:静寂すぎると不安を感じる赤ちゃんもいるので、ホワイトノイズを流すなど環境音があると◎
温度:大人が少し涼しいと感じるくらいが快適な室温と言われることが多い
2. 生活リズムを整える
起床・就寝の時間を大まかに決め、日々のスケジュールをなるべく一定にする
適度なタイミングでお昼寝させ、赤ちゃんが疲れすぎないように気を配る
3. ねんねトレーニングを取り入れる
生後6ヶ月以降など、癖が定着してしまった場合は本格的な「ねんねトレーニング」を行うのもおすすめです。泣かせるタイプのネントレだけでなく、なるべく泣かせない方法もあるので、ご家庭に合ったものを選んで実践すると良いでしょう。
眠る力を引き出して、ねんね上手に
生まれつきの気質によって“寝やすさ”に差が出るのは事実です。しかし、新生児期からの親の対応が大きく影響するという点は見落とされがちです。
すでに寝付きにくいタイプになってしまっていても、睡眠環境の見直しや生活リズムの調整、ねんねトレーニングなどで、後天的に改善できる可能性が十分にあります。「どうしてうちの子は寝ないんだろう…」と悩んだら、まずは日々の対応や赤ちゃんの“寝る力”を引き出す工夫を見直してみてくださいね。