「寝る子は育つ」は本当?ぐっすり寝てよく育つためのコツ【専門家解説】

「寝る子は育つ」という言葉は昔からありますが、そう言われると「夜泣きをして寝ていないのが心配」「うちの子、寝るのが遅いけど大丈夫かしら」という心配になる気持ちもありますよね。
結論から言えば、「寝る子は育つ」はその通り!ではどうやってたくさん寝てもらえば良いのでしょうか。
この記事では乳幼児睡眠の専門家が寝る子が育つ理由としっかりよく眠ってもらうためにできる対策を解説します。
寝ている間に成長ホルモンが分泌される
子どもの骨や筋肉を成長させる「成長ホルモン」は寝ている間にたくさん分泌されます。ですから、しっかり睡眠をとること=成長することにつながるのです。これが「寝る子が育つ」の真意です。
ちなみにこの成長ホルモン、最も分泌されるのは就寝後1〜2時間の深い眠りの時です。話題の絶えることのないメジャーリーグの大谷翔平選手も、睡眠をとても大事にすることで知られています。1日10時間は寝るようにしているそうで、寝る子は育つ、だけでなく活躍できる!という姿を見せてくれていますね。
しっかりよく眠ってもらうための対策
では、しっかりよく眠ってもらうためにはどうすれば良いのでしょうか?質の良い睡眠をとるためのポイントを5つご紹介します。
1. 生活リズムを整える
「早寝・早起き・朝ごはん」これが基本です。ですが、早く寝かせたくてもなかなか寝てくれない…ということもあるかと思います。その場合は、毎日同じくらいの時間に寝ること、そして朝は7時台までには起きることを心がけてみてください。
早寝をするためにはまず早起きが大事!起床から生活リズムを整えてみてくださいね。
2. 朝起きたら朝陽を浴びる
朝起きたらまずはカーテンを開けて朝陽を浴びましょう。午前中に太陽の光を浴びるとセロトニン(別名:幸せホルモン)が合成されます。セロトニンの分泌が増えることでストレス解消、リラックス効果を得られるだけでなく、実はそれが夜になるとメラトニン(別名:睡眠ホルモン)の材料になって、ぐっすりに導いてくれるのです。
3. 睡眠環境を整える
質の良い眠りのためには睡眠環境を整えることも欠かせません。眠りやすい寝室の環境は室温20〜22度(夏は25度前後、冬は19度前後)、湿度は40〜60%。子どもは暑がりなので、大人は少し涼しいかな?と感じるくらいでもちょうど良いかもしれません。
また、豆電球や常夜灯も含めて直接目に入るところに明かりがついていると、その光につられて眠りづらくなってしまったり、夜中に覚醒してしまったりすることもあります。できるだけ直接目に入るところに明かりをつけるのは避けて、真っ暗または棚の影やクッションの裏など見えないところに置くようにするのがおすすめです。
4. 日中はたくさん体を動かす
子どもだけでなく大人も共通なのですが、体を動かした時の適度な疲労感は良い睡眠に誘ってくれます。いざ就寝時間になると「まだ遊びたいの!」と寝ることを拒否するお子さんもいらっしゃいますよね。
子どもの遊びは発達したい!という欲求の現れであることも多く、日中にその欲をたっぷり満たしてあげることで、「やり切った〜」という満足感で寝ることに納得してくれることも期待できます。
5. 寝る前は暗めに暖色の光で過ごす
白い光(ブルーライトなどとも言われます)や強い光は体を眠りから遠ざけてしまいます。就寝後すぐにグッと深い眠りに入るためにも、「寝る準備」をすることを心がけてみてください。
就寝1時間前くらいからはスマホやテレビの視聴は避けて、絵本を読んだりマッサージをしたりリラックした過ごし方を心がけると良い睡眠につながります。
ぐっすり眠ってしっかり育つ
「寝る子は育つ」は単なる昔ながらの言い伝えではなく、本当にその通りだと言える言葉。睡眠時間を数字で過度に気にしすぎる必要はありませんが(機嫌よく元気で過ごせていることが何より大事!)、できるだけ質の良い睡眠をとるためにご紹介のポイントを見直してみてくださいね。