知らないうちに算数が得意になるちょっとした工夫【家庭編】

知らないうちに算数が得意になるちょっとした工夫【家庭編】

子ども一人ひとりに最適なレッスンと苦手のフォローをしてくれる話題のタブレット教材「RISU算数」を展開する RISU Japan株式会社の代表取締役 今木智隆さん。今回はすぐに実践できる「日常生活の中で知らないうちに算数が得意になるちょっとした工夫」を教えてくれました。1回目は【家庭編】です。
算数を得意にするきっかけ作りはお子さんが小学校に入学する前から、日常生活のなかで取り組むことができます。未就学児親子は必見ですよ!

算数ができるとなぜいいの?

そもそも、「算数が得意なことは、そんなにいいことなの?」と思われる方もいるかもしれませんね。もちろん、いろいろな科目の好き嫌い、得意不得意は個性ですから、「算数ができないからダメ、できなくてはダメ」という意味ではありません。文章を書くことが得意、歴史が大好きで社会が得意、こういったことはどの科目においても素晴らしいことです。

算数は「問題解決への道すじ作りが上手になる」
では、算数を得意にしておくと、どんないいことがあるのでしょうか。いいことはたくさんありますが、「問題解決への道すじ作りが上手になる」ことが理由のひとつに挙げられます。算数の問題を解くプロセスは、私達の身のまわりで起こる一般的な問題を解決するプロセスと似ています。算数によって、粘り強く問題を解決に導く力を身につけることができます。算数は、論理的思考力やデータを整理する力、そして想像力を鍛えます。
これらは先が見えないと言われるこれからの時代を生き抜くためにも、とても大切な力です。

算数が得意だと大人になっても有利
また、独立法人経済産業研究所の調査では、文系出身者男性の年収は平均値が559.02万円、理系出身者は600.99万円と、理系出身者の方が高いというデータが示されました。
※参考:独立行政法人経済産業研究所「理系出身者と文系出身者の年収比較-JHPSデータに基づく分析結果-」

理系職は、専門性の高い職種が多いことなどが年収差の理由となっています。最終的にどの職業に就くかはお子さん自身が決めることですが、算数が苦手だからという理由で理系を敬遠するのは惜しいことです。好きだという気持ちは将来の選択肢を拡げる結果につながります。

子どもって正直!興味があれば進んで学ぼうとする

小さな子どもは、自分の気持ちに正直なものです。楽しければもっとやりたくなるし、つまらなければすぐに飽きてしまいます。そのような意味で、興味・好奇心は学びの原動力として大きな力を持っています。

机に向かって問題集を解くことだけが勉強ではありません。特に年齢が低いうちは、家の中で、日常生活に取り入れられる学びの方法がたくさんあります。暮らしのなかでの声掛けのちょっとしたコツや遊びを通して、知らず知らずのうちにお子さんが算数が得意になっていたら…。きっと将来にもいい影響があるはずです。
そこで、家庭でも簡単に実践できる、算数を得意にする方法をいくつかご紹介します。

知らないうちに算数が得意になる方法【家庭編】

1.時計を意識する声掛けをしよう!

身近にある数字の中でも特に触れる機会が多いのは「時計」です。
デジタル時計は数字が見やすく主流になっているかと思いますが、リビングや子ども部屋の時計はアナログ時計にしておくことをおすすめします。小さい子にとってアナログ時計を読むのは難しいことですが、時計は“習うより慣れよ”の要素が大きいです。何度も時計を見るうちに、自然と読めるようになっていきます。

子どもへの声掛けを少し変えるだけでも、日常生活にちょっとした学びの機会を増やすことができます。例えば、

・「もうちょっとしたら、出掛けるから準備してね」
⇒「10分後に出掛けるから準備してね」

このように、具体的に何分後という数字を使って伝えるようにすれば、子どもは一度、自分で時計を見ますよね。自分の目で見て、『10分後だから8時20分に出発するんだな、それまでに準備すればいいんだな』と考えるようになります。
まだ時計がわからないお子さんなら、

・「時計の長い針が今12だね。2のところにきたらおやつを食べよう」
・「短い針も長い針も6にきたら夜ごはんだよ。長い針が3のところにきたら片付けをはじめようね」

声の掛け方を工夫すれば、子どもが自然と時計を見る回数を増やすことができます。普段からアナログ時計を見る機会、時間を意識した行動ができるようにしてみましょう。

2.天気予報を見るなら、気温にも注目しよう!

朝、おでかけ前に天気予報をチェックしませんか? 外出途中で雨に降られては大変ですから、『今日は傘が必要かな?』と毎朝、天気予報を見るという方も多いでしょう。天気予報を見るなら、子どもと一緒にチェックするのはいかがでしょうか。天気予報にも、さまざまな数字が使われています。

降水確率は子どもにもおもしろい数字です。もし降水確率が80%だったら、みなさんは傘を持っていきますか? では、50%、40%だったら? 子どもと一緒に雨が降るかを予想して、傘を持っていくか、いかないか、折り畳み傘にするかなど、話し合ってみるのも楽しいのではないでしょうか。

そして、気温にも注目してみてください。気温は、小さい子でもマイナスに触れることができる数字です。5℃の日よりも-2℃の日の方が寒いわけですから、マイナスは寒いということを体感で知ることができます。0よりも小さいマイナスという数字がある、ということを知っていれば、小さい子でもマイナスの概念を理解することができます。その知識からマイナスの計算だってできます。「10-11は?」「11-12は?」と順にやっていけば、小さい子でも理解できるものですよ。

3.遊びに立体図形を取り入れよう!

図形問題は算数でも取り上げられますが、苦手意識を生みやすい分野です。特に立体図はいかに頭の中に実物を想像できるかが大きなカギとなり、小さい頃からブロックや積み木が好きでよく遊んでいた子は、この分野に強い傾向があります。普段よく遊ぶおもちゃのなかに、ぜひ、ブロックや積み木を取り入れてみてください。

特におすすめしたいレゴ®ブロック
特におすすめしたいのがレゴ®ブロックです。積み木もいいのですが、積み木はきれいに積み上げないと上に上にと積めないので、どうしても積める形が決まってしまいますし、持ち上げて眺めることができません。その点、レゴ®ブロックは様々な形のパーツを自在にくっつけられるので、より自由に作りたい形を作れますし、作品を持ち上げていろんな角度から見回すことができます。想像力を鍛えるおもちゃとして、とてもおすすめです。

折り紙も素晴らしい遊びです
自由に使ってよい折り紙を用意しておくことも、おすすめです。折り紙は、1枚の正方形から折り方を変えるだけでいろんな形を作り出すことができる、素晴らしい遊びです。また、折り紙を何回か折って、はさみを使って、色んな図形を切り抜いてみることも良い学びになります。試しに、おうちの方も一緒に「☆(星)」を切り抜いてみてください。多角形をきちんと形にするのは、案外大人でも難しいものですよ。

ちょっとした工夫で、子どもの“楽しい”を引き出そう!

今回は、日常生活のちょっとした工夫で算数を得意にする方法を【家庭編】として紹介しました。声の掛け方を少し工夫することなどは、すぐに取り入れられる方法ですので、ぜひ試してみてください。
毎日の暮らしの中に、算数はたくさん隠れています。身近な算数に触れることで、子ども達の『算数っておもしろい!楽しい!』という気持ちを大きく膨らませてあげたいですね。
次回の【おでかけ編】も、お楽しみに!
教えてくれたのは

今木智隆/RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。
タブレット教材「RISU算数」

ナビゲーター

算数教材「RISU」代表取締役今木智隆の画像

担当カテゴリー

学び・遊び・教育

算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

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