学校の振替休日どうする?潮干狩りが空いてた!ついでにプール&温泉も!

学校の振替休日どうする?潮干狩りが空いてた!ついでにプール&温泉も!

旅行作家の吉田友和さんによるコラム。小学生のお子さんがいる吉田家。ママは出張が多いので、パパと子どもだけで過ごす日も。「ならば、旅をすればいい!」そんな吉田さんが語る「パパだけ子連れ旅」、今回は潮干狩りの旅です。

6月のとある月曜日のこと。暦的にはれっきとした平日だが、なんと小学校が休みだという。土曜が登校日だったので、その振替休日らしい。運動会でもないのに振替休日? と驚いたが、そういえば保護者会で説明があったなと思い出す。

東京都世田谷区では、今年(令和7年度)から振替休業日のない土曜日授業が廃止となった。つまり、土曜に登校した場合は、必ず振替休日が発生するということだ。理由は教員の働き方改革と聞いて、なるほどそれは素晴らしいことだと納得した。

とはいえ、この新ルールにより、困ってしまう親もいるだろう。特に共働きの家庭では、子どもの対応をどうするかという問題も生じる。仕事を休めないからと学童に通わせるとしても、それならそれでお弁当なども用意しなければならない。

この点、我が家などはいい気なものだ。せっかくの平日休みなのだからと、仕事はアッサリ休むことにして、ここぞとばかりに遊ぶ計画を立てたのだった。

平日休みにどこに出かけるか

平日に子連れで遊びに行けるのは貴重な機会だ。どこへ行くのがよいだろうか。どうせなら、平日ならではの恩恵を受けられるような場所がいい。休日だと混雑しているスポットだと、平日のありがたみが大きなものになるだろう。

真っ先に思い浮かんだのは、ディズニーシーだった。新エリアがオープンしたと聞いて密かに気になっていた。平日なら多少は空いているのではないかと期待したのだが――そんなに甘くはないようだ。

調べてみたところ、ディズニーシーは平日でも、月曜に限っては週末並みに混雑する可能性があるとわかった。我が家のように学校が振替休日という家庭が多いことが理由の一つだという。考えることはみんな同じなのだ。

ならば、ほかのテーマパークはどうかなとも思ったが、別に殊更テーマパークに行きたいわけでもない。

ちなみに、関西圏に住んでいるなら、関西万博へ行ってみるのはありかもしれない。我が家はすでに万博は訪問済みなのだが、日曜に行ったらUSJ並みかそれ以上の激混みだったので、行くなら平日推奨と痛感した。

結局どうしたかというと、潮干狩りへ行くことに決めた。天気も悪くなさそうだし、平日の潮干狩りなら間違いなく空いていそうだったからだ。ママは仕事を休めないというので、パパと娘2人の日帰り旅である。

アクアラインを通って潮干狩りへ

平日午前中の首都高速は予想通り空いていて、気持ちのいいほどスイスイ進んだ。「平日、最高!」とルンルンでハンドルを握った。

東京湾アクアラインを通って千葉へ上陸し、最初の木更津金田ICを降りてすぐのところがもうお目当ての「金田みたて海岸 潮干狩り場」だった。世田谷の自宅から約1時間。いやはや、近い。

入場券は現地で買うと現金払いのみなので、出発前にコンビニで購入・発券を済ませておいた。コンビニ払いならクレカなどでキャッシュレスで支払えるし、前売り券だと少しだけ安い。大人2,100円、子ども1,000円だった。

チケットの半券は、退場時までなくさずに持っていてください、と説明を受ける。取った貝を検量する際に、半券を提示するとのこと。風が強くて飛んで行ってしまいそうだったので、注意深くそれをしまった。

東京湾唯一の自然干潟

金田みたて海岸 潮干狩り場は、東京湾で唯一の自然干潟である「盤州干潟」に位置する。貝類以外にも、多種多様な海の生き物に触れられるのが魅力だ。

たとえば、コメツキガニという小さなカニがそこらじゅうにいるし、巻き貝が落ちているなと思ったらヤドカリだったりして、子どもたちも「わあっ」と声を上げていた。

ロケーションからして、景色が素晴らしいのも特筆すべき点だ。海上に伸びるアクアラインを望みながら潮干狩りが楽しめるのは、この場所ならではだろう。

思わず写真に撮りたくなるほどの美景と言っていい。ところが、スマホでパシャパシャ風景を撮っていたら、次女に怒られた。
「遊んでないで、パパもちゃんと貝を取って!」

すまんすまん、と謝りつつしゃがみ込む。娘たちは泥だらけになりながら、貝を探索していた。すっかりハンターの目になっている。パパも戦力にならねば、なのだ。

潮干狩りというのは、ある種の「宝探し」だと思う。広大な砂場から、いかに貝=お宝を見つけられるか。根気強く、粘り強く砂を掘り続けるがんばりは必要だし、運要素もある。

そうこうしているうちに、貝が密集していそうな場所を見つけた。
「このへん、たくさんあるよ!」
と長女が叫んだ。それからは確変モードに入ったかのようだった。ほじればほじるだけ貝が出てくる。娘たちはもちろん、パパも色めき立ったのは言うまでもない。

当たり前の話だが、潮干狩りなんて貝が取れないと全然面白くない。逆に、貝が次々取れるようになってくるとグッと面白くなってくる。

取れる貝の種類としては、ほぼアサリだが、稀にシオフキガイやハマグリが見つかる。明らかにレア度に差があるところがゲームのようで楽しい。ハマグリが出た瞬間、まさにお宝を発見したかのような興奮に包まれる。
「やったー、ハマグリだあ!」とパパがガッツポーズを決めたら、次女が悔しそうな顔を浮かべた。

パパとしては、幼児の頃に砂場で遊んだ日々を思い出したり。

潮干狩りに必要な道具

潮干狩りをするのに必要な道具は、現地で有料レンタル・販売も行われている。手ぶらで行っても大丈夫なのはうれしいが、節約のために持参した。というより、実はウキウキで荷物の準備をしてきたのが正直なところだ。

潮干狩りといえば、熊手である。これは基本アイテムなので、人数分用意したい。実は、娘たちがまだヨチヨチ歩きだった頃に一度、潮干狩りをしたことがある。そのときに買った熊手が1本だけ家に残っていたのでそれと、足りない分は近所の百均で買い足した。

ただ、実際に使ってみると、百均で買った熊手はプラスチック製で強度がいまいちだった。使えなくはないが、これだと砂を掻くのに力が要る。ケチらずに、ちゃんとした鉄製の潮干狩り用熊手を買えば良かったと後悔。

あとはバケツと手袋も百均で買った。バケツは必須であるものの、あまり大きなものはいらない。欲張って大きなバケツを2個も持っていったが、そんなに取れるわけもなく、結果的に1つで十分だった。

あと、手袋もいらなかった。砂を手で漁って貝を探すわけで、手袋をしていると感触が鈍るからサーチ能力が落ちる。素手の方がベターだ。

取った貝を持ち帰る際の注意点

ほかには、クーラーボックスと保冷剤も、収穫した貝を持ち帰るのに必須だ。我が家はキャンプをたまにするので、この手の道具は元々持っているが、ない場合は100均等で簡易的なものでいいので入手しておくとよいだろう(現地でも一応売っている)。

さらには、空のペットボトルがあると、砂抜き用に海水を持って帰るのに便利と感じた。というより、海水がないと砂抜きが結構面倒なので、ほぼほぼ必須といえるかもしれない。

ちなみに海水は出口付近にタンクが用意されていて、そこから給水することができるため、海で汲んでくる必要はない。

貝は持ち帰れる量に上限がある。大人2キロまで、子ども1キロまで。我が家の場合には計4キロだ。帰る際に検量があって、上限を超過すると全量買い取りとなる。超過分を海に戻すことはできないので要注意である。

とはいえ、4キロというのは結構な量だ。検量のスタッフに見せたら、バケツの中を一瞥しただけで行っていいと言われた。明らかに4キロには満たない量しかなかったからだろう。

大きな海水タンク。すぐ横には足を洗う場所もある。

プール&温泉も平日なら超快適!

宝探し、もとい貝探しに没頭していたら、あっという間に潮が満ちてきた。掘っていた場所が水没してしまったのを機に、ぼちぼち撤収することにした。

この日は潮干狩りができるのが午前11時半までとなっていた。潮干狩りができるのは干潮のタイミング限定で、その時間帯は日によって異なる。

近くのファミレスでお昼ご飯を食べた。そうして午後はどうしたかというと、実はもうひとつのアクティビティを計画していた。

向かった先は、潮干狩り場から車で数分の場所にある「龍宮城ホテル三日月」だった。大型リゾートホテルの中にプールがあって、宿泊せずとも日帰りで遊ぶことができるのだ。

しかもこの日は「三日月DAY」といって、平日で「3」が付く日は入場料が大人1,000円になる割引が受けられる日だった。通常の入場料は2,000~3,300円なので、なかなかお得である。やはり平日、最高なのだ。

近隣ではとくに大規模なプールと聞いていたが、行ってみたら想像以上の広さだった。屋内に2エリアのほか、夏季限定で屋外プールも利用できる。ウォータースライダーなんかもある。

近所にある区民プールのようなところへはたまに行くのだが、それと比べると数ランクは上といえそうな充実した設備に、子どもたちは大喜びしていた。

さらにいうとこのプール、温泉もある。プールから繋がっていて、そのまま温泉へ直行できるのがありがたい。東京湾を眺められる露天風呂で癒される。土日の混雑状況は知らないが、さすがは平日、明らかに空いていて快適だった。

暑い日はやっぱりプールだなぁと。次は泊まりでも来てみたい。

今回のまとめ

金田みたて海岸の潮干狩りは、2025年は7月15日までとなっている。もうあまり期間がないが、間に合うようならぜひおすすめしたい。

取った貝は、留守番していたママへのお土産になった。といいつつ、調理するのはママの役目ではある。余計な仕事を増やしてしまった気もして少し恐縮したが、ママは嬉々として貝を受け取ってくれた。

潮干狩りは宝探し感覚で楽しめるし、自然観察もできる。しかも、美味しい。アサリの酒蒸し、アクアパッツア、クラムチャウダー……その日から3日間、我が家は貝尽くしの食卓となった。

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おでかけ・旅行

旅行作家 吉田友和

1976年生まれ。人生初の海外旅行は世界一周。その後、旅行作家として国内外を旅して回りながら執筆を続ける。妻が出張で長期間家を空けることが多く、近年はパパだけで2人の娘たちを連れて旅へ出るパターンが増えている。『3日もあれば海外旅行』(光文社)、『夢と冒険の旅 世界一周ガイド』(小学館)、『東京発 半日旅』(ワニブックス)など著書多数。

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