学習習慣はどうすれば身につく?ポイントは幼少期の過ごし方
あんふぁん読者から、下記のようなお悩みが寄せられました。
・学習習慣がなかなか身につかない(小学6年生の保護者)
・子どもの主体性に任せていたが、分かっていてもやらないときがあり、親が介入すべきか見守るべきか悩んでいる(未就園児の保護者)
・宿題に取り掛かるのが遅く、毎日ついつい口出ししてしまう(未就園児/幼稚園/小学1年生の保護者)
ほかにも、似たようなお悩みが複数寄せられました。「決まった時間になったら自分から進んで机に向かう」というのは親が思う理想の姿かもしれませんが、なかなかうまくはいきませんよね。
今回は「学習習慣はどうすれば身につくのか?」という悩みについて、子ども一人ひとりに最適なレッスンと苦手のフォローをしてくれる話題のタブレット教材「RISU算数」を展開する RISU Japan株式会社の代表取締役 今木智隆さんにお話を聞きました。
そもそも「良い習慣」は続けることが難しい
学習習慣は「習慣」ですから、短期間で簡単に身につけられるものではありません。だからと言って、毎日同じ時間に机に向かうことを親が強制的にやらせたとしても、それは子どもの意思ではないわけで「学習習慣が身についている」とは言えません。
大人でも、健康や自己啓発のために続けたいと思う良い習慣(例えば運動やダイエット、英会話や読書など)は、最初はやる気がありますが、なかなか継続することができず、途中で辞めてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。「良い習慣は、そもそも継続するのが難しい」というのが人間なのです。悪い習慣は、止めようと思っても止められず続けてしまうのに、不思議なものですね。
学習習慣は「良い習慣」です。これを習慣化するためには、ハードルを低く設定して「当たり前にやれる」「日常生活の一部」のような感覚で取り組めることが理想です。
おすすめは幼少期から少しずつ習慣化する方法
よって、学習習慣を身につけるには、勉強を「勉強」だと思わない形で、小さい頃から少しずつ取り組みに慣れていく方法がおすすめです。まずは「机に向かう」という行為に慣れることから始めてみましょう。
大人にとっては、「ただ机に向かうだけでいいの?」と思うぐらい簡単なことかもしれません。しかし、好奇心旺盛でいろいろなことが気になる子どもにとっては、同じ場所にじっとしているという行為はとても根気のいることです。
最初からハードルを上げすぎない
最初から何十分も机に向かわせる必要はありません。5分や10分でもいいのです。また、最初から「学習」という形にこだわる必要もありません。子どもの好奇心が目の前の作業に向けられるように、まずは楽しんでやれる作業から始めてみてください。例えば、塗り絵やお絵描き、シール貼りなど、座ってできる作業であれば、なんでもOKです
学習習慣をつけるために親ができること
「学習習慣が身につく」というのは、子どもが主体的に学習をすることが前提です。親が強制して学習「させる」のではなく、親はあくまで子どもがやる学習を補助するだけ、という気持ちが大切です。親がサポートできることとして、次のようなことが挙げられます。
学習環境を整える
小さい頃は、親が見ていない場所でひとりで学習するのはとても難しいことです。よって、学習場所は親が見届けられるリビングでの学習がおすすめです。
学習する場所を決めたら、筆記用具を取りやすい位置にセットしておいたり、気が散るものが視界に入らないよう片付けたりして、学習環境を整えてあげましょう。「これを出したら学習タイム」と分かるような専用カゴや卓上マットを用意しておくと、子どもも気持ちを切り替えやすくなります。
学習にちょうど良い時間帯を一緒に探す
学習するのにちょうど良い時間帯は、各ご家庭の生活リズムやお子さんの性格によってさまざまです。おやつや夕食、お風呂や歯磨きなど、「生活の中で毎日必ずすること」とセットになるように学習タイムを組み込むと、一連の流れで習慣化しやすくなります。
【生活習慣に組み込む例】
・3時になったら10分学習してからおやつタイム
・夕食前におもちゃを片付けて、10分学習してから夕食
・お風呂の後は学習タイム
帰宅時間や習い事の都合に合わせて、ベストな時間帯をお子さんと話し合ってみてください。夕方から夜はどうしても疲れてしまうお子さんは、早寝早起きをして頭が冴えている朝の時間帯に学習するのもおすすめです。
一緒に座る
お子さんがなかなか机に向かうことができないときは、おうちの方が一緒に席に着くのが良いでしょう。隣に座って、“何を読んでいるの?何の動物かな?”などと質問を投げかけて、子どもに答えさせます。「教える」「やらせる」のではなく、子どものやることを横で見てあげるイメージです。
忙しい中で時間を取るのは難しいことだと思いますが、いっそおうちの方も割り切って、隣で一緒に読書する、スキルアップの勉強をするなど、進んで学習する姿勢を見せるのも子どもにとって良い刺激になります。毎日の学習タイムが大人にとっても良い習慣になるかもしれません。
幼少期におすすめの学習は?
先ほどもお伝えした通り、まずはどんな作業でもいいので毎日必ず机に向かう時間を確保することが大切です。何をさせればいいか思いつかないときは、次のような学習を参考にしてみてください。
本を読む
時間を決めて毎日絵本を読みましょう。小さい頃は、おうちの方の読み聞かせでも構いません。字が読めるようになったら音読にするなどして、本を読むことを習慣化します。絵本でなくても、紙芝居や図鑑を見るだけでも、何でも好きなもので構いません。
謎解き・パズル
遊びから紙や鉛筆を使った学習に一歩近づくには、謎解きクイズやパズルに挑戦してみるのがおすすめです。遊びの延長線上で楽しみながら、プリントを使って問題を解くことに慣れることができます。無料のプリントを提供しているサイトもたくさんあるので、インターネットで「謎解き プリント」と検索してみてください。
学習プリント1枚
謎解きやパズルのプリントに慣れてきたら、少しずつ年齢や理解度に合わせた学習プリントに移行してみます。最初は5分~10分で終わる簡単なプリントで大丈夫です。「毎日おやつの前に1枚プリントをやる」のように、取り組む時間を決めて生活にリズムをつけてみましょう。
毎日1枚が定着してきたら、「問題集を毎日1ページずつ進める」などの方法に移行するとスムーズです。
タブレット学習
タブレット学習も毎日10分などと時間を決めて習慣化するのにおすすめの教材です。私たちが提供しているタブレット教材「RISUきっず」は、問題をクリアしたら次の問題に進める仕組みになっているので、ゲーム感覚で楽しく学習を進めることができます。理解度に合わせて進むことができ、効率良く知識が身につきます。
悩み過ぎず、小さなステップで習慣化を進めてみましょう
今回は、学習習慣の身につけ方についてお伝えしました。学習習慣の定義を最初から「机に向かって30分、1時間、集中して問題集を解くことだ」と考えてしまうと、保護者にとっても子どもにとってもハードルが高く、クリアするのが難しくなってしまいます。続けられなかったときには「できない自分はダメだ……」と自信をなくす原因になることもあります。
良い習慣ほど、長く続けるのは困難なものです。「どうしてうちの子はできないのかしら」と悩み過ぎず、そもそも大人でも難しいのだと考えて、小さなステップから習慣化を進めてみましょう。楽しい気持ちで子どもが意欲的に学べるよう、支えてあげたいですね。
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■今木智隆/RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。
▶タブレット教材「RISU算数」
ナビゲーター
担当カテゴリー
学び・遊び・教育
算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆
RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。