クラスメイトからの迷惑行為はガマンすべき?親ができることは

クラスメイトからの迷惑行為はガマンすべき?親ができることは

「小学生のわが子が、グレーゾーンの同級生からの迷惑行為に困っている」というお悩みを聞きました。「グレーゾーンの子や発達障害のある子の行動は特性によるものだから、うちの子がガマンするべき?」と考えたことはありませんか? 「少しでもわが子の悩みを解消してあげたいな」とは思うものの、保護者にできることはあるのか、そもそも保護者が出ていってもいいのかと悩みますよね。
今回は、わが子と同じクラスの子どもの行動が気になるとき、保護者としてできることを考えていきたいと思います。小学校の通常級担任や特別支援教育コーディネーターとして活動した経験から、詳しくお伝えします。

やられてもガマンしなきゃダメなの?

子どもが小学校に通いだすと、「クラスの〇〇くんがいつも、わたしの鉛筆を取ったりぶつかったりしてくる」と相談を受けることがあります。たとえば相手の子どものお母さんが懇談会などで、「うちの子は発達障害があります」というように自己紹介している場合、「障害があるなら仕方ないのかな」とか、「こちらがガマンしなければいけないことなのかも」と悩む保護者もいると思います。
グレーゾーンの子どもや発達障害のある子どもの特性の一例に、以下のようなものがあります。

■集中力が続かない
■まわりの友達の気持ちに気づきにくい

そのため、そういった子どもの行動は「特性だから仕方ない…」とまわりが配慮することが多くあります。
では、そういう子どもにイヤなことをされたら、やられた側はいつもガマンしなければいけないのでしょうか。 答えはNOです。大切なのは「相手の子の困り感も理解しつつ、ガマンはしない」ということです。

つまり、
■イヤなことをされているわが子の気持ちを優先し、受け止める
■「わが子も困っているけれど相手の子もきっと困っているんだろう」という視点をもつ

ということがポイントになります。
まずは自分の子どもの悲しい気持ちを受け止めてあげましょう。その上で、相手の子どもの問題行動は「その子のせいだけでなく環境によるものも大きい」と捉えるようにしてほしいのです。この視点をもちつつ、「保護者としてできること」を考えていきます。

担任の先生や学校に相談しよう

担任の先生に相談

まず、担任の先生に困っていることを伝えましょう。このとき、「みんなが困っていると聞いて…」という伝え方ではなく、「私」を主語にした「私メッセージ」で伝えると、担任にも気持ちが伝わりやすくなります。

■〇〇くんのことで、子どもが悲しんでいること
■「鉛筆をとられる」などの事実
■相手の子の困り感は理解していること
■先生が日々対応してくれていることへの感謝

このように、「ウチの子どもも困っているので、どうしたらいいか教えてほしい」と伝えると解決に進みやすいです。

管理職の先生に相談

担任の先生で対応が困難だと感じたときは、管理職の先生に学校体制を確認してみましょう。
管理職には教務主任・教頭・校長がいますが、話しやすいと感じる先生でいいと思います。「学校は特別支援教育に関して校内委員会をもつ」ということが文部科学省から通達されているため、どの学校にも特別支援について教員が話し合う組織が設置されているはずです。

各クラスから「支援が必要な子ども」の情報も共有されていると思いますので、管理職も相手の「〇〇くん」のことを認識しているでしょう。 また、学校には「特別支援教育コーディネーター」という役職の先生もいます。コーディネーターの先生に連絡を取り、「クラスの子(〇〇くん)が困っている様子だけれど、支援が行き届いていないようです。どういう状況ですか?」と聞いてみるのもいいですね。具体的にどんな支援を行っているかを聞けたり、困り感を伝えることで支援の状況を見直してくれるはずです。

それでも改善しないときは

担任や学校に相談しても「人手が足りない」とか、「体制を組んではいるけれど、現状ではどうしようもない」のような返答がくる可能性もあります。その場合は、教育委員会に相談するのもひとつの方法です。誤解を恐れずに言うと、人手が足りないのは行政の責任なのです。学校は公的機関ですから、どの子どもにも教室で落ち着いて学習する権利があります。その権利が保障されていないのですから、行政は子どもの権利が保障されるよう行動すべきなのです。

■教育委員会が学校に指導に入る
■支援員(特別加配の教員)の手配をする

上記のような形で、行政から学校へはたらきかけてくれるはずです。まず学校に相談して、それでもずっと状況が変わらないときには教育委員会に相談してみるといいと思います。

保護者としてできることはある!

自分の子どもが同級生からの迷惑行為に困っているとき、相手の子がグレーゾーンの子や発達障害のある子だったとしても、ガマンしなければならないことはありません。もちろん、相手の子への配慮の気持ちは忘れてはいけませんが、自分の子どもの気持ちも同じように大切にしてあげたいところです。
保護者にできることは、自分の子どもと相手の子をとりまく環境が改善されるようにはたらきかけることです。子どもたちの学校生活を少しでも快適に、そしてわが子が笑顔で学校に通えるように、担任や学校、行政と一緒に取り組んでいけたらステキですね。

この記事を書いたライター

めいさん

小学校と特別支援学校の教員歴があるママ。就学指導調査員や特別支援教育コーディネーターもしていました。小学生ママや子どもの発達に悩むママに向けて、ノウハウを発信中。7歳と2歳の子育て真っ最中で、保護ネコに日々癒されています。【お子さんの発達にお悩みの方へ】LINEから、ぜひ声をかけてください。一緒に解決していきましょう。下記の公式LINE または、LINEホーム画面から @150uuegj を検索してください。

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