「娘を持つパパはなぜ積極的なのか?」兼業主夫パパの個人的考察 

「娘を持つパパはなぜ積極的なのか?」兼業主夫パパの個人的考察 

&あんふぁんをご覧の皆さん、こんにちは!“パパって最高!”な社会を目指す子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。

今回からタイトルも「仏の顔もサンドウィッチ~パパしるべ編集長・ジョージの楽しむ子育て~」と、新しくなりましたが、変わらず自分の子育て経験や取材、調査で得た知見などを基にパパに関するお話を“遊び心をもって”伝えていきたいと思います。

子育てに関する活動をしてきて、早くも15年ほどが経ちました。最初は孤独に子育てに向き合ってきましたが、保育園でパパ友ができ、NPO法人ファザーリング・ジャパンという父親支援の団体にも入り、様々な仲間たちに支えられてここまで来ました。おかげさまで長女は20歳、次女は12歳。時が経つのは早いものです。

僕もお酒が大好きなので、パパ仲間たちとは夜、飲みに行くことがあります。イベント終わりの打ち上げはもちろん、平日夜にフラッと行くことも。そんな中で、ちょっとした傾向として感じているのが、一緒に飲みに行って熱い子育て談義をする仲間は圧倒的に娘のいるパパであることです。

これは偶然なんでしょうか?

勝手に考察してみることにしました。あくまで勝手に。

学術的な根拠より経験則に基づいたものなので、まあそういう考え方もあるよな、くらいのスタンスで読んでいただけると助かります。

娘を持った瞬間に始まる「カウントダウン」

最近は、反抗期が来ない子どもも3割いて、父親に対して好意的な女子中高生も多いというデータも見ますが、正直なところ「本当?」という風に感じてしまいます。

娘というものは…

  • 小学生くらいから「くさい」と言い出し
  • 中学生くらいになると「洗濯ものを分けて洗ってくれ」と言われ
  • 高校生くらいになると「口もきいてくれない」

そして…

  • 気が付けば彼氏ができて、しかもそれはママにしか共有されていなくてパパは知らない
  • すると突然「会ってほしい人がいる」とか言い出して、よく知らない男性に「娘さんをください」なんて言われちゃって枕を濡らし…
  • 最終的にはバージンロードで娘を引き渡すという屈辱。ついでに花嫁の手紙は8:2くらいでママに向けた言葉になる

なんてパパは報われないのでしょう!

と、勝手なイメージが突っ走ってしまうのです。

実際のところは、今でももしかしたらそういう人もいるのかもしれませんし、そもそも昔から仲の良いパパと娘をいたと思います(この間、ウェディングプランナーの人を取材したら、最近はバージンロードもやらない人が結構いるらしいです)。でも、イメージは膨らんでしまうのです。特に、一人目でわけもわからないときほどイメージは暴走します。

保育園のパパ友たちと飲んでいて「娘の彼氏」「娘の結婚式」の話が出るんですよ!冷静に考えたら、「何年後の話だ!」とツッコミたくなるかもしれませんが、パパたちはそういう生き物なのかもしれません。

そして結果的にこう思うのです。

「パパ!パパ!って言ってくれているうちに精一杯楽しもう!」

つまり、思春期を迎えて「くさい」の烙印を押されるタイミング=「パパ大好き時代の終焉」までのカウントダウンが始まるのです。

カウントダウンを意識すると、毎日が貴重な時間になります。

「パパ、抱っこ!」

「パパ、公園に行こう!」

「パパ、発表会見に来て!」

「パパ、お仕事行かないで!」

「パパ、ご飯食べに行こう!」

そんなことを言われても、どんなに幸せな時間を過ごしても、我々は最後に思うのです。

「これっていつまで続くのだろう…」

幸せであればあるほど、終わりがくるのは怖く、辛い想像ばかりが膨らみます。だからこそ、この瞬間を逃してはダメだと思い、関われる間は、いや関わらせていただける間は、できるだけ時間を使おうと思い積極的になるのです!多分。

僕の勝手な考察はそんなところです。

実際異性の子どもの方が接しやすいらしい

反対に、ママたちは息子のことを「恋人のようだ」と話す人が多いですが、いろいろ調べていくと、やっぱり子どもは異性の方が接しやすい傾向があるようです。

例えば、僕は男性。そして、男性としてこうした方がいい、男性としてこうしてはいけないという話をたくさん言われてきました。そういう状況の中で、楽しかったこともあれば、我慢したことも、がんばったこともあります。自分自身が「こうしてきたから今がある」というある種の成功体験のようなものがあるようなのです。

そんな僕のところに息子が生まれたら、意識しなくても自分がしてきたことと比較してしまうところが出てしまうと思います。反対もしかり。ママたちは娘に自分を投影し、比較してしまう傾向があるそうです。

一方で、子どもが異性の場合はどうかというと。「よくわからない」のです。何せ自分自身が同じような境遇を体験していません。だからこそ「自分」という余計なバイアスがない状態で接しやすいんだそうです。

ただ、ある程度の年齢になり様々な社会経験を積むと、同性の方が共感できることが多くなるとも言われています。

この辺りはあくまで傾向なので参考程度にしておきたいところですが、少なくとも「同性バイアス」の存在は意識しておいても損はなさそうです。

カウントダウンは本当に来るのか?

冒頭でお伝えしたように、長女はすでに20歳になっています。

では、カウントダウンの行方はどうだったのかというと、まだ来ていません。面倒な思春期も反抗期もまだ来ません。さすがに風呂には一緒に入りませんが、しょっちゅうお出かけに誘われますし、日常的な買い物も一緒に行きたいと言われます。果ては仕事で夜遅く帰ったら、僕の布団で寝ていたりします。

イメージと全然違いました。

ただ、保育園時代にはるか未来の娘の結婚式の話をしていた娘を持つパパたちも、多くはいまだに仲良しで、パパと娘数組で飲みに行くこともあります。

レアケースかもしれませんが、カウントダウンがゼロにならないケースもあるということは、娘を持つパパたちにお伝えしておきたいところです。

もしかしたら、カウントダウンを意識して、積極的にたくさん関わってきたからこそ、噂に聞くようなパパと娘のようなギスギスした関係にならずに済んだのかもしれません。

子育てにおいてすべてはケースバイケースかもしれませんが、少なくとも「パパ大好き時代」を存分に楽しむことができたことは間違いありません。

娘を持つパパの皆さん、過剰に意識する必要はないと思いますが、ちょっとだけいつかは離れる時が来ることは頭の片隅に置きつつ、パパ大好き時代を楽しんでいってください!

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学び・遊び・教育

兼業主夫放送作家 杉山錠士

1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

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