こんなものも!? 家にあるものが2〜3歳の「お仕事」の道具に早変わり
2〜3歳は「指先の運動調整の敏感期」。この時期には身の回りにあるさまざまな道具を使って、指先の細かな動きの練習ができます。モンテッソーリ園でも家庭にあるような物を活用していますが、中には意外なものもあるかもしれません。
指先の運動調整の敏感期とは
モンテッソーリ・メソッドでは子どもが生まれてから6歳までをさまざまな体の動かし方を覚える「運動の敏感期」と呼んでいます。
赤ちゃんは寝返りを打つ、ハイハイをする、歩くなどの体の動かし方を無意識に習得していきますが、2歳半以降は自分の意思で細かい動作を行うようになります。
特に2歳半〜3歳の子どもたちは指先を使った細かい作業を始めるのに良い時期です。モンテッソーリ・メソッドではこの時期を「指先の運動調整の敏感期」と呼び、たいていどの家庭にもある日常生活の道具を子どもの教具として利用しています。
代表例としてははさみで切る、のりで貼る、糸を通すなどがあげられますが、今回はその他に使われているさまざまな道具を紹介したいと思います。
意外なものが子どもの活動に向いていることに気が付くかもしれません。
「こんなものも!? 」家にあるものが子どもの「お仕事」の道具に早変わり!
空きびん、空容器
指先でふたを回転させて開け閉めする動きを学べます。使い終わった香水や化粧品、調味料などの空容器で子どもの手の大きさに合う小さめのものを見つけたら、きれいに洗ってとっておきましょう。ふたの大きさもさまざまなものがあると楽しいです。
穴あけパンチ
100円ショップなどで売られている小さめの穴あけパンチを利用しています。手に力を入れて押す動きを学べます。画用紙を小さな短冊状に切っておき、子どもに穴をあけてもらいましょう。穴が空いたらモールに通してねじってとめます。
洗濯ばさみ
洗濯ばさみは指先を調整する練習にちょうどいい器具です。厚紙に洗濯バサミを止める練習から始めますが、洗濯ばさみ同士をつなげて形を作っても楽しいです。
写真の場合は厚紙でカニの形のを作り、洗濯ばさみを留めると足のように見えるという仕掛けにしてあります。
つまようじと調味調入れ
細いものを指先で「つまむ」動作と「通す」動作を組み合わせた活動です。こちらも100円ショップで売られているひとつ穴の調味調入れを使っています。
ふたの色に合わせて入れるようにようじを色マジックで2色に塗り分けています。
小さめのピッチャー
中に豆を入れて、あけ移す道具として利用しています。家庭では小さめのコップを利用しても良いと思います。陶器やガラスの容器は割れる危険性もありますが、壊れないように気を使うということを同時に教えています。
あけ移す素材としては、大きめのひよこ豆や白花豆、ひまわりの種などから始めて、慣れてきたらレンズ豆やお米などの小さいものを入れます。
ピッチャーとコップ
家庭では自分の飲み物を注ぐ練習をしてみるといいと思います。お茶の入ったピッチャーを持ち上げたり、適量を注いだりする動作は幼児の運動調整にピッタリの活動です。
そばに小さなふきんを置いておき、こぼしたら拭くことを合わせて教えておくとさらに良いですね。
野菜の水切り
指先で「つまむ」、手首を「回す」動作を学べます。サラダを作るときに子どもにお手伝いをお願いしてもいいかもしれません。
このほかにも家庭にいろいろと使えるものがあると思いますので、探してみてください。
子どもは道具を使うことで押す、引く、手首を回転させる、ひねる、つまむ、傾けるなどの手指のさまざまな動かし方、力の掛け方を覚えるとともに目と手の協応にも慣れていきます。
コップに水を注いだり、小さなふたをつまむなどの細かな作業は、子どもの注意力を養います。
どれも初めのうちは難しくて失敗すると思いますが、練習すればできるようになります。小さな「できた!」を積み重ねて、チャレンジする楽しさを覚えてもらいたいですね。