わが子に好かれようとすることをやめてみた!
あんふぁんWebをご覧のみなさん、こんにちは! 子育てポータルサイト「パパしるべ」の編集長の杉山です。
先日あんふぁんWebにこんな相談が届いたと聞きました。
Q.イヤイヤ期が始まった3歳の娘に、「パパ嫌い」と言われて凹んでいます。毎日『パパ好き?』と聞いて『嫌い』と返されていて、もう好きって言ってくれなくなったらどうしよう…
これはもうあるあるですよね。きっとたくさんのパパが経験して、ほとんどのパパがショックを受けたことがあるのではないでしょうか?
乳幼児期には「パパ見知り」なんて言葉がある
乳幼児期には「パパ見知り」なんて言葉があるのを知っていますか? 「人見知り」は知っていても「パパ見知り」は知らないというパパも結構いるかもしれません。「パパ見知り」は、パパが近づくと泣いたり、嫌がったりすることで、人見知りの一種のようです。生後半年を過ぎた頃にだんだん人の識別ができるようになると、いつも一緒のママへの愛着が強くなり、違う人に対して、単純に「この人、誰?」となって、抵抗するケースがあるとのこと。別にパパが嫌いになるわけではなく、接する時間が短いときに起きやすいそうです。ちなみに、出張や入院などで長い期間会うことができない場合、ママが相手でも起こることがあるとのこと。
ただし、パパ見知りがない子どもももちろんいるし、子どもによってだいぶ程度が違うそうです。
ただ相談をくれた方のお子さんは3歳ということですから、パパ見知りとはちょっと違うようですね。しかもイヤイヤ期ということであれば、まあこのくらいのことは起こるでしょう。とは言いつつも、人から「嫌い」と言われることは気持ちいいことではありません。ましてやかわいいわが子ですから、なおさらキツいと思います。さらに言うと、このパパにとっては、娘に「イヤ」と言われることが分かっているわけで、そんなイメージが強ければ強いほど衝撃は大きいのではないでしょうか?
そもそも「子育て」の目的ってなんだっけ?に立ち返る
実際、ボクも長女が保育園の年長くらいの時に言われたことがあります。もちろん、ショックを受けましたが、それよりも「ちょっと早くない?」というのが率直な感想。個人的にこういうことは思春期あたりで言われると思っていたので…。
そこで思ったのは「子育て」の目的ってなんだっけ?ということです。「子育て」という言葉を聞くと、まるでずっと「子ども=未熟な人」を育てるように感じますが、子どもたちも年を重ねていき、いつかは社会の一員になります。つまり未来の社会人を育てることだと思います。
一定の年齢になったら、親元を離れ、自分で生活をするのです。いわゆる自立というやつですよね。それまでに、自分で生活できる力をつけること。そして、社会の中で最低限のルールを守り、まわりの人を思いやることができるように伝えることこそが、親として必要なことだという考えに辿り着きました。
つまり、「パパが好かれること」は目的ではないということです。
もしも好かれることが目的であれば、「パパ大好き!」と毎日言いながら、ママにひどいことを言ったり、友達の大切なものを壊したり、保育園でのルールを破ったり・・・それらがOKということになってしまいます。
でも、そうじゃないですよね。極端なことを言うと、反対に毎日「パパ、大嫌い!」と言うけれど、街中で困っている人を助けたり、友達のために頑張ったり、勉強やスポーツに真剣に取り組んだり・・・、その方が子育てとしては大切なことのような気がします。
そうしたら、なんだか気がラクになりました。別に嫌いと言われたとしても目的とは関係ないと思えたからです。
その後、また長女に「パパ、嫌い!」と言われた時、ボクは「どうぞ、どうぞ。別に好かれるためにやってないから!」と余裕をもって返すことができました。その時の長女のキョトンとした顔は、忘れられません。その後も同じ対応を続けていると、次第に「パパ嫌い」とは言わなくなりました。
そしてそれは思春期でも変わりませんでした。現在18歳になった長女は、最近になってその時のことを振り返って、「言われた時、確かにそうだなと思った」と言っていました。きっと、なんとなく自分の思い通りにいかないモヤモヤをぶつけたかっただけで、本当に嫌いなわけでもなければ、その後もずっと嫌いのままでいることもないみたいです。
「パパ嫌い!」と言われて、その瞬間にショックを受けるくらいは、別にいいと思います。むしろ当然の感情かもしれません。でも、こういったことを受けて、必要以上に「好かれよう」としてしまうことには注意が必要そうです。いわゆる甘やかしすぎてしまうことにつながります。そうなると、いつまでも自立できないわがままな子になってしまう恐れもありますよね。
であればきっと、パパのことを好きかどうか?ということは何番目かに置いておいていいところではないでしょうか?
教えてくれたのは
杉山錠士
1976年、千葉県生まれ。
兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。
18歳と10歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、FMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。
地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「主夫の友アワード」「娘のためのパパ家事スクール」「パパ家事サイエンス」「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。子育てアイテム「パパのツナギ」企画制作販売、パパ向けスクール「スゴパパ工場」工場長。
■著書
*新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~(主婦の友インフォス情報社)
*急に「変われ」と言われても(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)
ナビゲーター
担当カテゴリー
学び・遊び・教育
兼業主夫放送作家 杉山錠士
1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)