【おしえて!SDGs】微生物から生産されて自然に返る新素材「カネカ」

「カネカ」のプラスチックに代わる期待の新素材開発の取り組み

「植物油由来で自然にも返る原料」として海洋プラスチック問題の解決に期待されているカネカ生分解性バイオポリマー「Green Planet®」について、生産のしくみや今後の取り組みについてお話を聞きました。

お話を聞いたのは

カネカ Global Open Innovation 企画部 主任
宅   佑奈さん
2017年入社。 経理部、ベルギー駐在(トレーニー)、Green Planet推進部を経て、2022年から現職。Green Planet®を色々な方に知ってもらいたい!と日々奮闘中。

細胞内に樹脂をため込む微生物から生産!

当社が開発したカネカ生分解性バイオポリマー「Green Planet®」は、“細胞内に樹脂をため込む微生物”が作っているんです。土や海水の中では別の微生物により最終的に二酸化炭素と水へと分解され、自然界へ循環する「生分解性」が特徴の一つです。また、製造段階では「植物由来」の資源から作られており、原料から使用後まで地球環境に配慮した資源循環型の素材なんです。

工場敷地内の土から特殊な微生物を発見。独自の技術を結集して生分解性バイオポリマー(Green Planet®)の工業化に成功

海洋プラスチック問題が水面下にあった1990年前半から、石油資源に依存しないものづくりを目指し開発をスタート。まずは”細胞内に樹脂をため込む”特殊な微生物探しからでしたが、偶然当社の敷地内の土からこの微生物を発見しました。元々あった培養技術と高分子技術を結集し、約30年試行錯誤を重ねて生分解性バイオポリマー(Green Planet®)の工業化に成功。今ではプラスチックに代わる材料として、ストローや買い物袋など、さまざまな製品で使われています。

セブンカフェやスターバックスのストロー、ホテルのアメニティなどの製品に使われてます

環境教育プログラムを制作。希望する小学校に提供開始

現在は生分解する(※)特性を生かして、苗をそのまま植えることができる農業ポットなどを開発中です。また「Green Planet®」を題材とした環境教育プログラムを制作し、2023年から希望する小学校に提供を開始。各地のイベントで工作や講演会も実施しています。プラスチック汚染問題へのアプローチの一つとして、3Rだけでなく原料そのものを変える方法があることを伝えていきたいですね。

(※)海水温などの環境によって生分解のスピードは異なります。

環境教育プログラムを取り入れた授業
「Green Planet®」で作られたストローを使った工作イベント

■カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®についてもっと知りたい方はこちら

 ■カネカ
<文:あんふぁんWeb編集部>

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