子どもとの会話、盛り上げるコツはパパの「姿勢」にあり

子どもとの会話、盛り上げるコツはパパの「姿勢」にあり

子どもとのおしゃべりはとても楽しいものですね。しかし当然ですが大人とは違い、忖度(そんたく)や気遣いがないのも子どものお話の特徴です。一方的であったり、自分のことばかり話したり、ハチャメチャだったり、突然会話が途切れてしまったり…。パパはもっといろいろとお話ししたいのだけど、なかなかうまくいきません。

そんなパパたちに向けて、今回は子どもたちと楽しくお話をするコツについて考えてみます。

子どもと盛り上がる話のネタとは?

まずは子どもたちが話をしたいネタとは一体どのようなものか、少しそのことを考えてみましょう。子どもは一体どんな話をしたいのか、また何に興味があると思いますか? これが分かると、お話のスタートがうまくいくと思います。意外にパパたち、ここが分かっていない気がします。ついついパパが話したいことや、パパが面白いと思うことから始めていませんか? それが間違っています。

子どもは自分がしたい話をしたいのです。当たり前なのですが、それが子どもの思いです。そこでまたややこしいのは、子ども自身もそれが一体どんなことなのか今一つよく分かっていなかったり、明確に言語化ができなかったりするのです。

それに対してパパに求められる話を続けるためのスキルは、「子どもが何を話したいのか?」ということを探りつつ、話を進めていくことです。これは2つの異なる行為「探る」「話す」を同時にこなす、とても高度なテクニックで、なかなかに大変なものです。プロのインタビュアーとコメンテーター並みの力が求められます。

「関心がある」姿勢を示すことからスタート

とはいうものの、いきなりこんな高度なことをするのはかなりハードルが高いですよね。だからまずは、子どもが何に関心や興味があるのかを理解することから始めましょう。自分の好きなことや関心のあるものには、人は饒舌(じょうぜつ)になります。きっとパパもそうですよね。

皆さんは自分のお子さんの好きなものや関心のあるものを、しっかりと理解していますか? あるいはちゃんとリサーチして、関心を持っていますか? 相手との会話を楽しむ、また盛り上がる根底に必要なのは「私はあなたに関心がありますよ!」という姿勢を示すことです。趣味の友、好きなチームのファン同士は、かなり盛り上がるのを考えると分かると思います。パパと子どもの会話が続かず盛り上がらない原因は、パパが子どもに対する意識の欠如、関心の不誠実さなのではないでしょうか。分かったふりで終わっていないですか?

子どもの世界に飛び込み、全力で付き合おう

からぜひ子どもの世界に、パパが飛び込んでほしいと思います。例えば、電車が好きなお子さんには徹底的に電車に付き合いましょう。電車ごっこや電車の見学、実際乗りに行く、電車グッズや図鑑を見るなどです。人形遊びが好きな子どもには、ままごとの衣装、食べ物、家、家電などを用意して、本気で遊びましょう。全力で赤ちゃんになってほしいです。結構大変ですよ。

子どもたちは大好きなパパが、自分の世界に飛び込んできてくれたことにきっと大喜びだと思います。そのときの共有体験を大切にして、子どもたちの言葉をうまくつないだり引き出したりしながら、わが子の好きなことや方向性を見つけてほしいと思います。それらが分かると、きっといろいろなお話ができてきますし、また盛り上がると思います。

会話が続き盛り上がるのは単にスキルではなく、共有の体験をベースにした、相手に対する関心の高さと継続です。ぜひ普段の遊びを通じて良い関係性を作っていきましょう。

教えてくれたのは

小崎恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。
http://kasei.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/teachers/5.html

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大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

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