持ち物の準備がひとりでできる子どもの親がやっていること

持ち物の準備がひとりでできる子どもの親がやっていること

小学1年生は、入学から1か月余りが過ぎ、新しい生活に親子ともに慣れてきたころでしょうか。ゴールデンウィークを終えたころから5時間授業が始まる学校も多いかと思います。時間割も配られて、自分で授業の準備をするようにもなるころですね。
そこで、今回は学校の準備をひとりでできるようになるための方法について、元小学校教諭の経験と現在小2の娘に実践してきたことを紹介します。

学校の準備、方法は家庭でそれぞれ

現在、お子さんはどのように学校の準備をしていますか? 「ひとりで準備をしている」という家庭もあれば「一緒に準備している」という家庭もあると思います。
私が以前担任をしていたクラスの保護者は、「子どもが自分で準備をした後、こっそりチェックしています」と言われていました。そこで足りないものがあると勝手に足していたそうです。おかげで忘れ物はなく、学校生活を送ることができていましたが、ある日、「いつまでたってもチェックがやめられないんです」と相談をうけました。
毎日、すべてものがそろった状態で生活していたので、子ども自身が気をつけて準備する習慣がつかなかったようです。そこで、保護者と相談をして、忘れ物があっても学校で対応するからと思い切ってチェックをやめてもらいました。しばらくぽつぽつと忘れ物が続きましたが、そのうちに頻度が下がっていきました。
ほかには「ママが全部やっている」という子もいました。その子がある日、教科書を忘れてしまいました。貸し出し用のものを準備していたので取りにくるよう伝えましたが、「ママが入れるの忘れたからいけないんだ!」と言うばかりで動きません。その後、自分の物は自分で準備しようと本人と話しました。

わが家の場合、入学当時と現在の様子

小学1年生のはじめは親子で一緒に
わが家の娘の場合、小学1年生の最初のうちは一緒に時間割を見ながら、「毎日持っていくものは、筆箱と連絡帳と自由帳、国語は教科書とノート、算数は教科書とノートとワーク」と確認しながらそろえていました。コロナ禍のため、マスク、水筒、予備のハンカチなど感染症対策用の持ち物も多く、慣れるまではなかなか大変でした。
ひとりである程度できるようになってきたら、本人に任せてみて、質問されたときだけ答えるようにしました。入れ忘れがあるときに、親の方から「忘れているよ!」と注意すると、「分かってる」「今、入れようと思ったのに…」と反抗されると聞いていたので、「ここに筆箱があるけれど大丈夫?」と確認したり、「国語の教科書、机の上にあるよ」と現状を報告したりするようにしました。今までの様子では、「あ、本当だ!置きっぱなしだった」「忘れるところだった~」と素直に聞いてくれています。

現在は基本ひとりで。学期はじめは手伝うことも
小学2年生になった現在は、ひとりでさっさと準備をしています。学年だよりに特別に書いてあるもの(工作の材料や学校のタブレットなど)はカレンダーに予定と一緒に記入しておいて、自分で確認できるようにしています。学期はじめなどの持ち物が多いときは一緒に見てほしいと娘に言われるので、手伝うようにしています。

忘れ物をしたときは?
忘れ物をしたことは何度もあります。音読をして、国語の教科書がそのまま机の上に置きっぱなしだったり、登校した後に筆箱が残っていたり。帰宅後には「上履きを忘れちゃったから、スニーカーの底をよく拭いて使ったんだ」「ノートを忘れちゃったから自由帳に書いたんだよ」などと話していました。その時々で、子どもなりに考えて工夫して過ごしているようです。
「忘れ物をしたってなんとかなるから大丈夫」と持ち物の準備がおろそかになってしまうのではないかと心配したこともありますが、忘れ物をしないよう気をつけてはいるようです。そのため基本は本人のやり方に任せています。忘れ物を学校に届けたり、忘れ物をしたこと自体を厳しく注意したりということはしていません。

忘れ物は子どもにとって大事件

これは私自身が小学1年生だったときの話です。あるとき、黄色い帽子を忘れて登校したことがありました。中休みの時間、校庭に遊びに行こうと思ったときに帽子がないことに気がつきました。1年生は黄色い帽子をかぶって遊びに行く決まりになっています。「2年生に間違えられたらどうしよう。先生に怒られたらどうしよう」と不安で不安でしょうがなく、中休みの間中、下駄箱の横から校庭を見下ろしていました。
今となってはそんなこと気にせずに遊びに行っても大丈夫だったのにとか、先生に聞いてみればよかったのにと思えますが、当時の自分の中では大事件でした。
ほかにも、クラスの子どもの保護者から「ノートを忘れたと言って、泣きながら帰ってきた」と報告を受けたこともあります。「絶対持ってきたはずなのに、筆箱がない!」と言われてクラス中で大捜索をしたのに見つからず、結局自宅にあったなんてこともありました。
子どもはちょっとした忘れ物でも、とても不安に感じるものなのだということを実感していたので、それを教員時代や親になってからも忘れないようにしています。

「宿題忘れが続いています」と先生から連絡が…

小学1年生の後半、学習道具の忘れ物ではないのですが、連絡帳で「宿題を忘れていることが続いています」と先生からお知らせがあったことがありました。
下の子2人に手がかかっていた時期で、娘がしっかりしていることに甘えてしまったなと反省。どうすればいいかを娘と話し合い、連絡帳に書いてある宿題が終わったら、丸をつけることにしました。

お知らせしてもらった2週間後の個人面談では「宿題をやってくるようになりました」と言っていただき安心しました。一度できるようになったからと言ってそれ以降は任せても大丈夫というわけではないんだなと感じました。
なお、学校生活に支障が出てしまう頻度の忘れ物をする場合には、保護者の手立てが必要ですが、たまにの忘れ物なら経験のうちとおおらかに見守ってもよいのではないかと思います。どこまでどんなサポートが必要かはその子によって違います。「今週の図工は絵の具を使うから、少し早めに持っていこう」「忘れないようにカレンダーに書いておこう」など、忘れ物をしないためにどうするか工夫したり、忘れたときにどうするか手立てを考えたり、子ども自身が経験を通して学習していけるように声かけや手助けをしながら、見守っていければと思います。

ライター

&あんふぁん編集部&あんふぁん編集部の画像

&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

学び・遊び・教育:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌