「脅し育児」していませんか?子どもが伸びない親がやりがちなこと
「そんなことするなら、おやつなしね!」「それならもう帰るよ!」
子どもに自分のいうことを聞いてほしい時、こんな言葉をかけていませんか? このような「脅しの言葉」は保育の現場では使ってはいけない言い回しです。その理由とは…。
今回は、元保育士として学んだ経験から、子どもが伸びない親がやりがちな「脅しの言葉」について考えていきたいと思います。
脅しの言葉は即効性があるけれど…
子どもがいけないことをしたら、親はしつけとして「すぐに止めないと!」と思いますよね。
「そんなことするなら、〇〇はなし!」「おまわりさんに連れて行ってもらうからね!」このような脅しの言葉は、子どもを怯えさせ、効果は抜群かもしれません。子どもは「それはまずい!」と思い、すぐにその行動を改めることでしょう。
けれど何かあるたびにこのような言葉かけをしてしまうのは注意が必要です。その脅しの言葉によって子どもの伸びしろを奪ってしまっているかもしれません!
脅しの言葉をつかうと子どもが伸びない理由
子どもが、親から言われる脅しの言葉によって正しい行動ができたとしても、それはイヤなことを回避するためにやっているだけ。どうしてそれがいけないのか理解はしていないので、親が見ていないところで同じことを繰り返してしまいます。
また親にいつも脅しの言葉をかけられていると、「ママやパパは自分のことを理解してくれない」と感じ、反発心が生まれます。そしてさらにキツイ言葉で脅さなければ、相手のいうことを聞かなくなってしまいます。
そして、キツイ言葉を言われ続けると、子どもは少しずつ自己肯定感が下がっていきます。その結果、自信がもてず気持ちが不安定になり、何事にもやる気や根気が続かなくなっていきます。それが脅しの言葉が伸びない子にしてしまう理由です。
つい脅しの言葉を使ってしまうママやパパも、元にあるのは「子どもに正しい行動をしてほしい」という思いですよね。子どものことを考えて伝えているのに、子どもから反発心をもたれ、自己肯定感を下げてしまうのはとても残念なことだと思います。
自分のために自分で行動する子にしよう
子どもがしてはいけないことをする時は、学びのチャンスと捉えることができます。
例えば公園で友達を押してしまう時。「ダメって言ってるでしょう!そんなことするならもう帰るよ!」と言えば、その場は聞くかもしれません。
けれど脅しの言葉をやめて、自分で考える子になれるような声かけをしていきましょう。
ポイントは以下の3つです。
・気持ちに共感すること
・具体的なデメリットを伝えること
・解決策を一緒に考えること
まず「なにがイヤだったのかな?」と聞いてみましょう。「このおもちゃが使いたかったのに取られた」ということが分かったら、「取られたのはイヤだったね」と共感してあげましょう。気持ちを理解してもらえて安心します。
それから「押されたお友だちの顔、見てごらん?」と声かけをしてみましょう。「あれ?〇〇ちゃん泣いている…」と、相手の気持ちに気づき考えることができます。そのうえで心を込めて「ごめんね」ができるといいですよね。
そのあとに、「〇〇ちゃん、きっと痛かったよね。ケンカはイヤだよね、どうすればよかったかな」と一緒に考えましょう。押す以外に解決方法があったことを知ることができます。
こうした対応を続けていくと、自分がしたこと、なぜそれがダメなのかという意味を理解して、してはいけないことをしなくなっていきます。
ママやパパに言われたからやめるのではなく、自分でどうしたらいいか考えて行動をする子を目指していきましょう!
親はいつでも子どもの味方でいよう
伸びる子は必ず「自分は大切な存在なんだ」という自己肯定感をもっています。安心感に包まれている子は、物事を前向きに考えることができるので、いろいろなことに挑戦したり、好きなことを見つけたりでき、それを根気強くがんばることができます。
自己肯定感を育てるためにも、親は脅しの言葉を減らし、「いつでも味方だよ」「一緒に考えよう」というスタンスでいてほしいと思います。
大事なのは積み重ね!自分で考えられる子に
小さな子どもは思いもよらない行動をすることがたくさんあり、ひとつひとつ諭していくのは大変なことだと思います。けれど、その積み重ねでどうすればいいか自分で考えられる子になり、親が注意しなければならない場面が減ってきます。続けていくと「あれ?なんだか最近しっかりしてきたな」とハッとする日が来るはずです。長い目で見て取り組んでみてくださいね。
子どもはみんな、パパやママが大好きです。どんな子も大好きな人にあたたかい言葉のシャワーをたくさんかけてもらいながら、のびのび、笑顔いっぱいに育っていってほしいと願っています。