なって分かった!おじいちゃん、おばあちゃんはなぜ心配性なのか?

なって分かった!おじいちゃん、おばあちゃんはなぜ心配性なのか?

&あんふぁんをご覧の皆さん、こんにちは!“パパって最高!”な社会を目指す子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。

先月、我が家に新たなメンバーが加わりました。

20歳の長女が出産し、新生児が来たのです。

そうです。4度目の年男を迎えたこのタイミングでおじいちゃんになりました。

早い!と驚かれることがたくさんありますが、自分が一番びっくりしています。しかも、いろいろありまして、長女はシングルで産むことにしたので、まさかの三世代同居家庭になりました。これまた想定外です。(想定しておけという方が無理だと思います)

ただ、我が家のメンバーたちは、この事態に超ワクワク。何せ、さすがにもう新生児と一緒に暮らすチャンスなんてないと思っていたので。あの新生児のなんとも言えない匂いがまた嗅げるなんて!また、子育て関連のイベントや講演などで小さい子たちと触れ合う機会も継続的にありましたし、両親学級の講師経験から知識面のアップデートもしてきたので、準備は万端。長女と「アカチャンホンポ」に行ったときは、ベビーカーのトレンドをはじめ、様々な商品のレビューをすることができました。

自分で言うのもおこがましいですが「最強のおじいちゃん」状態だと思います(笑)。

“孫は格別にかわいい”とは言うけれど…

このコラムを読んでいる人が世代的にわかるか不安ですが、かつて「孫」というストレートな曲が共感を呼び大ヒットしたほど、「孫は格別にかわいい」と言われています。実際に産まれてみたら、確かにかわいいのですが、一緒に住んでいることもあり、正直あまり特別感はありません。20歳の長女も12歳の次女も負けず劣らずかわいいので。

実は「かわいい」よりも上回っている感情があります。

それは「心配」です。

自分たちがわが子を育てているときは目の前のことで精一杯。毎日の成長や出来事に向き合っているうちにいつの間にか大きくなったように感じます。おそらく「家族の未来」というところに焦点を絞って進んでいたのだと思います。そのため、視野は決して広くなかったのでしょう。あとは「どんなことが起きてもみんなでなんとかできる」という謎の自信もあったように感じます。

子育てをしていく中では、いろいろな人の話を聞くことがあります。それは決して明るい話だけではありません。流産や死産の経験、突然死、事故、ケガや病気のこともあります。

いろいろなことを知れば知るほど気づくのは、大きなケガや病気、事故もなくわが子が育ってきたことが奇跡であり、いかに運が良かったことなのか、ということ。

振り返ってみれば不登校をはじめ、それなりにいろいろあったのですが、今目の前で元気に笑っている姿を見ると、どーでも良くなったりするのです。

子どもの健康や成長に関する知識や経験が蓄積されることは大事で、おかげで危機回避ができることも多いと思います。でも、リスクを知っているということは心配や不安にもつながるのです。年を重ねた今だからこそ、かなり積みあがっている状態なので、もう心配で仕方ない。「きのうまで元気だったのに…」なんて話も聞いてきたので、今目の前で元気にしていても「うかうかしていられない」という感覚が残ってしまいます。

出産するまで極力何も買わなかった

心配なのは孫だけでなく、長女の出産自体も相当不安でした。口に出してしまうと妻も長女も不安を募らせてしまうのでほぼ言わずに過ごしましたが。臨月に入ってから産まれた後のことを想定して必要なものを買っておこうという話にもなりましたが、「産まれてからで大丈夫だよ」と流し続けました。

妻も長女も「本当に大丈夫かな?」とたびたび言ってきましたが、結局産まれる前に買ったものはほぼありません。実際、間に合うと思っていたし、産まれてから少しでも特性に合わせて買った方がいいと思っていたのも決してウソではないのですが、本当のところは、無事に産まれてくるかどうかが不安で仕方なかったのです。

「出産は何が起こるかわからない」という話もたくさん聞いていたし、もしも産まれて来なかった時に、準備したおむつや抱っこひもだけが家にある風景を想像すると耐えられませんでした。熱心に考えて準備すればするほど、きっとショックは大きいだろう。しかもそれは僕らおじいちゃんおばあちゃんより長女にとってキツイことだろう。もともと超楽観的な性格ですが、今回ばかりははっきり言って強烈にネガティブ思考になっていました。そこまで最悪の事態を想定していれば、何があってもまあ大丈夫と予防線を張っていたんだと思います。

そんなわけで、いろいろな経験を積んできてリスクを知り尽くし、かつわが子のような近さではなく少し俯瞰して見ているおじいちゃんおばあちゃんは心配性になっていくものなんだと思います。 自分が子どものころ、祖父母の家からたった徒歩3分で帰ることができるのに「本当に一人で帰れるかい?」「車に気を付けてね」「知らない人について行っちゃダメだよ」と言われた背景がわかります。そしてその言葉かけに「大丈夫だってば!」と強めに言い返していたことを反省します。

三世代同居の子育ては快適

さて、結果的に我が家は無事に孫を迎えることができました。小柄な長女は3000gを超えるビッグベビーを産み、たくましく感じます。出産した翌日、病院に行ったらもう普段と変わらない服を着てスタスタ歩いてきた姿を見て、「産後ってこんな感じだったっけ?」と目を疑うほど元気でした。

我が家に戻ってきてからは、長女が妊娠中とそれほど変わらない生活。基本的な家事や料理などはほぼ妻と僕でして、長女は休みながら新生児と向き合う日々。姪っ子ではありますが、人生で初めて自分よりも年下を迎えた中1次女もやる気全開なので、おむつ替えはみんなで代わる代わる。沐浴もほぼ毎日一緒にやっていて、チーム感が半端ないです。

ずっと家にいるとふさぎ込んでしまうので、長女にも適宜お散歩や買い物に行ってもらっています。もちろんその間は誰かがしっかりと見ていることができます。人の手が多いことでこんなにも余裕が出るのかと思います。もちろんここに長女のパートナーがいたらちょっと状況は違うのかもしれませんが、三世代同居の育児って本当に素晴らしい!

考えてみれば、核家族化が進む前は多くの家庭がこうだったんだと想像します。たくさん子どもが産まれてもこれなら確かに対応できます。こういう生活スタイルの変化が少子化にかなり大きく影響していることを実感しました。

それぞれの家庭に事情があるとは思いますが、どうやらうちにはこのスタイルが合っていたようです。これからも孫との生活を存分に楽しんでいこうと思います。

次なる目標は「最強のひいじいちゃん」です!

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学び・遊び・教育

兼業主夫放送作家 杉山錠士

1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

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