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子どもの友達トラブルは成長のチャンス!早く解決したい親心をこらえたら…
幼稚園や小学校に通っていると、友達とケンカしたりもめたりといったトラブルがおこりがち。
現在小2の息子も幼稚園の3年間でいろいろな友達トラブルがあり、悲しかったりイヤだったりという経験をしました。しかしそこから学び、成長できたことはたくさんあったと感じています。
今回は息子が幼稚園で経験した友達トラブルとその時の対応、その後の息子の成長についてお伝えします。
【年少】活発な子ども同士で毎日取っ組み合い!
友達にパンチされたと聞いて…
入園後、幼稚園にすっかり慣れてきた〇月ころ、帰宅後に「今日もAくんと遊んだ」と嬉しそうに話すようになった息子。同時に、「Aくんにパンチされた」とも言うように。
親としては少し気になりましたが、本人は気にする様子はなく楽しんで幼稚園に通っていたので見守ることに。
その後、幼稚園に行く機会があった時に、担任の先生にそれとなく聞いてみました。すると、「2人は毎日取っ組み合いのケンカをしています。あ、今日もやりあってましたよ!」と意外な答えが返ってきたのです。
ぶつかるのは2人がよく似ているから
先生の話によると、クラスの中でもひときわ活発な2人は、お互いリーダーシップをとりたがったり、やりたい事がかぶったりすることが多々あるためぶつかってしまうそう。
しかし、取っ組み合いになっても殴り合っても、ケガにつながるほど攻撃することはなく、男の子らしく「決闘」を楽しんでいるようにも見えるとのこと。
そのため、よほどヒートアップした時は止めるものの、それ以外は見守っているのだそう。
それを聞いて私は驚きました。入園前、公園でいつも遊んでいた友達とはいつも穏やかに過ごしていて、息子がそのようなケンカをしたところを見たことがなかったのです。
今思うと、息子がそれまでに出会った友達は、息子の提案についてきてくれるタイプの子だったのだと思います。
息子にとってAくんは、一緒にいると楽しいけれど、初めて出会う自分の思い通りにならない相手。先生の言葉に納得し、Aくんのママとも情報を共有しながら、その後も見守ることにしました。
しばらくすると2人は親友に。毎日ぶつかる中で相手への気持ちの伝え方、時には相手に譲ることを身につけていったようです。
【年中】年長の輪に入り、いじわるをされる
ママ友から聞いた「息子が蹴られてる」という話
年中になると、自由遊びの時間には、Aくんとともにさらに活発な年長の男の子たちの輪に入って遊ぶことが多くなりました。
ある時Aくんのママから、「年長さんに蹴られてるってAから聞いたよ、大丈夫?」と言われました。そこで息子に聞いてみると、年長の中に1人いじわるな子がいて、一方的に蹴られたり、仲間に入れてもらえないことがあるとのこと。
私は「イヤだったら他の子と遊んだらいいんだよ」と話しましたが、本人はどうしても年長のみんなと一緒に遊びたいそう。
年長からしたら年中に対して足でまといのように感じて、悪気はなく仲間外れにしてしまうこともあるかと思い、しばらく様子を見ることにしました。
あだ名をつけられたり、蹴られたりが続く
ある日、息子から「年長の子たちにイヤなあだ名をつけられて、ずっとやめてくれない」との話が。さすがに心配になり、すぐに先生に相談をしました。
先生はいつも遊んでいるメンバーを集めて、全員の言い分を聞いたうえで、年長の子たちを厳しく叱り、息子へ謝罪させてくれました。
年長の子たちは息子を邪魔に感じていたわけではなく、なんとなくあだ名をつけてしまったことがわかり、それからは仲良くしてくれました。
しかしその中で1人だけ、先生の見ていないところで蹴るなど、いやがらせをする子が。その子は、息子だけではなくターゲットと決めた何人もの子にイヤなことをしていました。
息子にその子から何かされてイヤだった時は、その都度私や先生に話すように伝えました。
すると先生も見守りを強化し、イヤなことをされることはなくなっていきました。
トラブル回避の方法を知り、やられる側の気持ちを知った
このトラブルは、お互いに関わり方を学んだ年少の時のAくんのケンカとは違い、一方的ないじわるに巻き込まれて起きたことです。
しかし、そのおかげで、「イヤなことをされたら、自分から親や先生に伝えること」という回避の方法を学ぶ機会になったと思います。
また、子どもは悪気なく友達にイヤなあだ名をつけることはありがちですが、やられる方の気持ちを知ることができたこともよかったと思います。
【年長】荒れた年中の子のターゲットに!
友達と仲良く平和に過ぎていった年長の日々…だったのですが、3学期にまたもトラブルが。
年下の子から叩かれたり、暴言を吐かれる
息子の園では、年長と年中が縦割りで同じクラスで過ごします。
ある日幼稚園に息子を迎えに行くと、保育室から息子が出てきません。部屋をのぞくと、年中のBくんとともに先生の前に立っているのが見えました。先生はBくんに「きちんと、ごめんなさいをしなさい」と叱っています。
Bくんがふて腐れながら「ごめんね」と小さく言うと、やっと息子が出てきました。
先生が「お母さん、お待たせしてすみませんでした。Bくんが連日ごめんねが言えなかったので今日は絶対に謝れるようにしたくて、時間をもらいました」と話されました。
私は、息子もなにかBくんにイヤなことをしたのだと思い、聞いてみたのですが、そうではないよう。
Bくんはイライラして暴れてしまうことがあり、活動の時にふらふらと立ち歩いてしまうことも。
そんな時、息子が活動に参加するようサポートしていたら、叩かれたり暴言を吐かれたりするようになったそう。さらに息子は絶対やり返さないため、Bくんがイライラした時にターゲットにされがちだということでした。
私は、息子からそんな話は聞いていなかったので驚きました。
帰り道、ゆっくり話を聞いてみると、息子は「別に痛くないし、気にしてないから言わなかった」と。
「どうしてやり返さないの?」と聞くと「年長の方が力が強いのに、年中を叩いたらダメだから」となんとも頼もしい言葉が!
その後もBくんからの攻撃は続き、たびたび、居残りして謝られることがありました。Bくんにひっかかれ、少し腕が赤くなって帰ってくることも。
相手の思いに寄り添い、許す力が育っていた
ひっかかれた日は、Bくんのママから電話がありました。
「本当にいつもごめんなさい。きつく叱ってるんですが、たびたび痛い思いをさせてしまって…。卒園前の楽しい時期に…。もうなんて謝ったらいいのか」と泣きそうな声で。
Bくんのママもどうしたらいいのかわからないという様子が伝わってきて胸が痛くなりました。
私は「うちは大丈夫ですよ!そんな時期もありますよ、うちの子もBくんのことは気にかけてるので、卒園までに仲良くできるといいですね」と明るく答えました。
その後もBくんから、「死ね!」「やくたたず!」などの暴言を度々吐かれる息子。私は、毎日息子に「大丈夫?」と聞いて、「あなたは何も悪くないからね」と話すようにしました。
先生方も必死にBくんと向き合い、私と息子もBくんが落ち着くよう協力する形になっていきました。
それでもなかなか落ち着かず、Bくんのママは毎日幼稚園に付き添いで通うようになりました。ママが付き添うようになると、息子が攻撃されることはなくなり、息子の卒園前にはママなしでも穏やかに過ごせるようになったそうです。
最後の登園の日、息子はBくんと、2人仲良く笑顔で写真を撮りました。
この一件で、私がBくんのママに穏やかに対応できたのは、息子のBくんと向き合う姿勢が落ち着いていて頼もしかったから。
自分のされたことよりも、Bくんについて考えることができていたことは、本当にすごいなと感じ、幼稚園での大きな成長を感じた出来事でした。
幼児期こそ人間関係を学ぶ時期
幼稚園でいろいろな友達トラブルに直面した息子。小学校に入ってからは友達ともめることは今のところないようです。
小学校にもいろいろな子がいるようですが、息子なりに考えて人間関係をつくっていけていると感じています。
小学校に上がると幼児期のように先生や親の目が届きにくくなります。ぜひ幼児期のうちに、大人の見守る中で友達とぶつかって人間関係を学んでほしいと思います。
小さなわが子が悲しんでいると早く解決してしまいたくなるのが親心ですが、子どもが友達トラブルにあったら、親の役目は子どもの心のケアと、先生や相手のママとの情報共有だと思います。
子ども自身が乗り越える強さとたくましさ、考える力を身につけられるようにサポートしてあげたいですね。