【おしえて!SDGs】小学校のトイレを快適にするプロジェクト「小林製薬」
「小林製薬」の学校トイレに関わるSDGsへの取り組み
医薬品、芳香・消臭剤や衛生雑貨品など、暮らしを快適にする製品を開発し続ける小林製薬。2010年から始まった、小学校への洋式トイレの寄贈をはじめとする、小学校のトイレを快適にするための活動についてお話を聞きました。
お話を聞いたのは
小林製薬株式会社 CFOユニット 広報・IR部 広報1グループ
田角 裕介さん
2010年入社。研究開発、経営企画を経て、2018年から現職。日本中の小学校のトイレを快適な空間に変えることを目指し、日々活動中。3児の父。
事業と社会貢献を組み合わせて、トイレに関わるSDGsを始める
企業は今、自社の利益追求に取り組むだけでなく、社会に対していかに貢献できるかが大切とされる時代となっています。そして、その流れは今後さらに強まる方向に向かい、小林製薬にとっても非常に重要な課題です。
小林製薬は「“あったらいいな”をカタチにする」というスローガンのもと、社会や人の暮らしを快適にする製品で成長してきた会社です。中でも、「ブルーレット」や「サワデー」などトイレ周りの製品は、成長に欠かせないものでした。SDGsの17の目標の一つである「安全な水とトイレを世界中に」が自社事業と重なることに着目して、事業と組み合わせながら活動できるトイレに関連した社会貢献を進めようとなりました。
小学校の”トイレに行けない”子どもたちに注目
近年家庭のトイレ環境は良好かと思います。では、それ以外の場所、たとえば小学校はどうでしょう。2010年に調べたところ、「和式トイレが苦手」「多くの小学校の建物の築年数が経っているためトイレが汚く、臭い」などという理由から、多くの子どもたちが学校のトイレでうんちを我慢していることが分かりました。
そこで、「ブルーレット」発売40周年事業として、「トイレピカピカキャンペーン」を企画しました。その中で、小学校に洋式トイレを寄贈するプロジェクトをスタートさせ、2023年には全国約150校に洋式トイレを提供することとなります。
寄贈された洋式トイレに喜ぶ子どもたち
イメージキャラクター
「トイレ快適プロジェクト」で、楽しくできるトイレ掃除の方法を提案
しかし、新たな問題が現れました。それは、きれいなトイレを寄贈しても、その“きれい”を維持できないというもの。正しいトイレ掃除の方法が分からず、結局はすぐ汚れてしまう。掃除を担当する子どもたちにしても、トイレ掃除とは「掃除してもすぐ汚れる」「楽しくない」という苦行のようなものでした。そこで、トイレ掃除を楽しいものへと変えたい、と考えました。
そして、子どもたちが楽しくトイレ掃除に取り組めるよう工夫を重ね、トイレ掃除ゲーム「トイレモンスターズ」を開発。トイレの汚れをモンスターに見立て、掃除をしながら倒していくというゲーム型のプログラムです。それに加えて、子どもたちが自主性をもって正しい位置でのトイレの使用ができるよう自分たちでコメントが書ける「標語ポスター」とトイレを汚れにくくする立ち位置を示す「ステップシール」をセットにした3つのコンテンツで、「小学校のトイレを快適にするプロジェクト」という啓発活動を2019年に開始しました。
このプロジェクトに参加してくれている小学校を訪れた際に、子どもたちの意識が変わり、楽しみながらトイレを掃除している姿を見た時はとてもうれしかったですね。学習指導要領も意識し、子どもが自分の役割や行動について振り返ることができるような仕掛けも取り入れています。
トイレモンスターズ
トイレモンスター図鑑
掃除手順ポスター
ステップシール
■「トイレ快適プロジェクト」楽しく、正しくトイレ掃除ができるゲーム「トイレモンスターズ」
究極の目標はすべての小学校のトイレを快適にすること!
国内には小学校が約2万校。究極の目標は、そのすべてのトイレをきれいにすることです。洋式トイレの寄贈だけでなく、「トイレ快適プロジェクト」を発信し続けることで、その目標を達成できると思っています。
シール、ポスターやステッカーなどすべてが入った「トイレ快適ツール」一式を全国の小学校に配り、活用してもらえるようさらに積極的に働きかけていきたいと考えています。全国の小学校のトイレをきれいにして、子どもたちが快適なトイレにためらうことなく行けるようになってほしい。そして、子どもの健康にも貢献していきたいですね。
<文:あんふぁんWeb編集部>