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これだけで全然違う!先生の心に響く「連絡帳」の書き方
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子どもが学校でケガをしたときや、友達とのトラブルで悩んでいることを知ったとき、気になるのは学校での子どもの様子です。先生と話をしたいけれど、電話をするのはためらわれたり、電話をしても不在で話せなかったりでモヤモヤしたことはありませんか?
先生も保護者も、仕事に家庭にと忙しい毎日です。そんなときに有効活用したいのが、「連絡帳」です。小学校の通常級担任や特別支援教育コーディネーターとして活動した経験から、連絡帳の活用方法について詳しくお伝えします。
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『連絡帳』ってどういうツール?
小学校の連絡帳は、子どもが翌日の予定などを書いたり、子どもの様子について保護者と学校の間でやりとりができるノートです。お子さんが宿題や時間割などを書いて持ち帰ってきていると思います。先生からちょっとした忘れ物の注意が書かれていることもあるのではないでしょうか。
ほとんどの場合、子どもの記録用として使われるこのノート。実際には多くの学校で「保護者の方から何か伝えたいことがあれば連絡帳に書いてください」と指示されています。
ただ、連絡帳は文字だけの情報ツールなので、使い方を間違えると、先生との関係がこじれてしまうこともあります。「こんな書き方をしていないかな?」と確認の気持ちで最後まで読んでみてください。
伝わらない連絡帳のパターン3つ
せっかく書いた連絡帳でも、書き方によってはお互い混乱するだけになってしまうこともあります。時間をかけて何ページと書いても、要領が伝わらないと結局電話などで全部聞き直すことになり、解決までに余分な時間がかかってしまいます。
・予想や想像と、実際に起きたことがごちゃ混ぜ
・出来事の順番がグチャグチャ
・(保護者・子どもが)結局どうして欲しいのかが書いていない
自分が保護者の立場になってみると、いざ連絡帳で伝えようと思っても、なかなか書くための時間がとれません。ましてやトラブルの話となると、自分の心を落ち着けるのにも子どもの話を整理するのにも時間がかかります。
整理して書くのは大変ですから、まずは簡潔に「電話で話したい」など、用件をピンポイントにして、連絡帳に書くのもひとつの方法です。
連絡帳でスマートに伝える知恵5つ
書く時間に余裕がある時には、できるだけ読みやすく書くことでトラブルも早く解決できます。
先生が連絡帳を読んだだけで理解できれば、読んだ日のうちにアクションを起こしてもらえるでしょう。そのためにも、伝わりやすい文章を書くためのポイントをお伝えします。
・ひとつの文に、ひとつの内容(いろいろな内容を繋げて書かない)
・番号をつけたり箇条書きにして、整理する
・「誰が」「何をした」かを事実ベースで書く
・はっきりしていないことを、この段階で決めつけない
・読み手(先生)への感謝の言葉で締めくくる
先生は、何かトラブルがあったときの連絡帳を、コピーして保管します。管理職や学年主任と共有するためです。ですから、簡潔でわかりやすい文章や、思いやりが感じられる文章を書いた方が、物事がスムーズに進みます。
迷ったときはコレ! 定型パターンで書いてみる
「いざ連絡帳に書こう!」と思っても、書き方に迷って5分以上白い行とにらめっこ…なんて時には、以下の定型パターンを使ってみてください。各項目の間に空行(すき間)を空けるとさらに読みやすくなりますよ。
1)あいさつ
2)事実
3)家でのできごと・子どもの会話
4)考えたこと、希望していること
5)先生への思いやりのひと言
大きなトラブルが起きた時は、知っていること・伝えたいことを全部書くと読む側も書く側も大変です。書く内容はいくつかにしぼって、後は「〇時頃なら電話できるのでお話したい」など直接話すための約束ができるように書いておくとスムーズに話が進みますよ。
連絡帳は不特定多数の人の目に触れることも意識して
連絡帳を活用する際に気をつけておきたいのは、「連絡帳は子ども達を含め、不特定多数の人の目に触れる可能性がある」ということです。
個人名や出来事を詳しく書いているものを見られてしまうことも考えられます。そのようなアクシデントを回避するために、連絡帳には、読まれても問題ない内容のみを書き、詳しい内容は封書にして、連絡帳とともに渡す方法も検討してみてください。
連絡帳で、先生と心の握手ができるように
私のまわりの学校でも『教員の多忙化解消』や『感染症予防』のために、家庭訪問や親子行事、保護者会は最小限に削られ、懇談会も時間が短縮されました。地域によって違いはあるでしょうが、今の時代、担任の先生との密なコミュニケーションはとりにくくなっていることでしょう。
しかし、こんな時だからこそ、先生や学校と丁寧に連携をとっていきたいところです。先生と心を通わせるツールとして、連絡帳を活用してみてください。会社で使うような丁寧な言葉を使う必要はありません。先生との関係性を見て、時には顔文字やイラストを添えるのもアリですよ。
また、先生の忙しさを考えて、「なかなか相談できない」「こんなことで連絡していいのかな」という声もよく聞きます。しかし、たくさんの心配や不安をため込んでしまい、一気に爆発させてしまうようなことになると、解決までに時間を要することも考えられます。コミュニケーションを大切に、小さな変化をこまめに伝えあいながら、先生と協力して子どもの成長を見守っていくことをおすすめします。
ナビゲーター
![公認心理師・スクールカウンセラー・発達凸凹支援コンサルタント西木 めいの画像](https://enfant.media/wp-content/themes/mytheme/assets/image/user-icon/user-icon-44.png)
担当カテゴリー
子どもの健康・発達
公認心理師・スクールカウンセラー・発達凸凹支援コンサルタント 西木 めい
大学教育学部(特別教育専攻)卒業。小学校の通常学級の担任を8年、特別支援学校(小学部) の担任を5年、自治体の就学支援委員会(就学相談)の調査員、特別支援教育コーディネーターを経験。
「優秀な同僚の先生たちが、保護者と揉めて心を病んで、どんどん学校を辞めていく現状」を見て、専門職であるスクールカウンセラーになることを決意。現在は、小学校と中学校のスクールカウンセラーとして、親子や先生のカウンセリング、学校内の環境調整のコンサルティング、不登校や登校しぶりの再登校のサポートなどを行う。
一方で、SNSを通じた「発達凸凹支援コンサルタント」として、これまで2300人以上のママ・パパ、先生のお悩み解決コンサルを行いながら、発達凸凹っ子のママや、子どもの不登校・登校しぶりに悩むママに向けたオンライン講座、小学校の保護者100名以上が集まる子育て講演会などを開催。特別支援教育が「教育の一番の根本」であることを啓発している。2児の母。著書に『発達障害のある子を支える担任と保護者の連携ガイド 』(明治図書)がある。