「良い子」ってどんな子?親にとって「都合の良い子」を押しつけていませんか

「良い子」ってどんな子?親にとって「都合の良い子」を押しつけていませんか

時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回は、「良い子」とはどんな子か?について考えます。

「良い子」ってどんな子?

わが子には「良い子でいてほしい」「良い子に育ってほしい」と頑張っているお父さん・お母さんがたくさんいると思います。毎日の生活をまわすことで目まぐるしい中、「良い子」でいてくれることは親にとってどれだけありがたいことかと思います。今回はあえて、「良い子」とはどんな子か?について考えてみます。

挨拶ができる、聞き分けが良い、騒がない、機嫌よく遊べる、好き嫌いなく食べる、行儀が良い、あばれない、ケンカしない、きちんと片付ける、よく寝る、感謝や謝罪が上手など。少し年上になったら、進んで宿題をする、勉強ができる、運動が得意、習いごとに一生懸命、配布物を出す、連絡をきちんと伝える、やさしく思いやりがある、友達が多い、リーダーシップがあるなど。

親の考える「良い子」の要素はそれぞれ違うでしょうが、まだいくらでも出てきますね。書き出してあらためて眺めてみると、これらは親にとって「都合の良い子」なのではと感じてしまいます。

子どもの気持ちを考えずに「良い子」を押しつけないで

こんなふうに期待を込めてハードルを上げてしまう、ルールを押しつけてしまうなど、子どもの気持ちを考えずに当たり前のようにしていると、いずれ影響が出ることがあるかもしれません。

たとえば、使ったおもちゃを片付けるルールがあるとして、子どもは「レールをうまく繋げたから、明日も電車を走らせたい!」と考えていても、片付けないことを叱られてルールを守ることを強いられた場合、「考える必要はない、ルールを守りなさい、それが良いことだ」というメッセージになりかねません。

その積み重ねによって、

  • 自分の考えで行動できず、指示者の言う通りやれば良いと「指示待ち人間」になってしまう
  • 自分の意志に従って成功や失敗を重ねることが少ないため、自己肯定感が育ちにくい
  • 本心を話すことが少なくなり、自分の感情を伝えにくくなる

など、特に思春期の手前になると自立心がしっかりと出てくるため、良い子でいることが苦しくなってくる時期がおとずれます。

本当の意味での「良い子」への第一歩とは

では、どのようなことに気をつけたらよいのでしょう。まず考えてみたいのは、自分が子どもの頃に、先に述べたような「良い子」の要素を求められたとしたら、どんなふうに感じるでしょうか。

子どもにとって大切なことは、1人の人間として尊重され、自分の考えや感じたことを行動できる環境です。その中でやりたいことへの挑戦や人との付き合いなど、成功もあり失敗もあり、実体験でトライアンドエラーできることが、本当の意味で「良い子」への第一歩だと思います。

子どもに課すルールは最小限必要なことだけにして、親が守れないルールを子どもに押し付けるのもよくありません。そして、勉強、運動、思いやり、行儀、片付け…なんでもまずは親が見本を見せましょう。「都合の良い子」よりも、「自分で考えて行動できる子」の育つ環境を作ってあげたいですね。

ライター

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モンテッソーリ教育・食育 荒井聖子

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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