ついやってしまいがちだけれど…モンテッソーリ流「大人が気をつけたい」5項目
時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「大人が気をつけたい」ことについて。
人間形成の礎を築く時期
子どもは生まれてから6歳くらいまでに、強烈なエネルギーをもって心と身体が育ちます。心と身体がバランス良く成長し、人間形成の礎を築くこの時期、私達が気をつけることは何でしょうか?
モンテッソーリ教育では、幼児期・学童期いずれも子どもがやりたいことに熱心に取り組み、心身の全力を傾けてやってみて、その結果に満足したという経験が子どもを育てると言われています。
勉学や運動のことだけでなく、昆虫観察、絵を描く、ずっと歌っている、運筆が上手、手先が器用、ボール捌きなど、もっと小さい時であれば、階段を登る、水を汲むなど、ほんの日常的なことでも子どもを見ていればそれの繰り返しで、成長しているのがはっきりと見受けられるでしょう。
この時ついやってしまいがちですが、気をつけたいのが次の5項目です。
大人が気をつけたい5項目
1. 急がせる
大人と子どもでは活動のスピードが違います。大人は既に経験していることが多いので、初めて挑戦する時の気持ちを忘れがちです。大人のペースで「はやく、はやく!」と声を掛けることが、子どものやる気を潰してしまわないように気をつけましょう。
2. 先取りする
忙しい日々の中、子どもがやろうとしていることを先にやってしまうことはないですか? たとえば、食べ物に手を伸ばして自分で食べようとしているそばから、スプーンで口に運んでしまうことが続くと、子どもは自分から動かなくなってしまいます。
3. 中断させる
やりたいことに出合った子どもの集中力は強烈です。疲れを厭わず滑り台、積み木を積んでは倒す、紙をびりびり破くなど、大人は都合でやめさせたり他のことを勧めたりしがちですが、せっかくの集中力を切らしてしまい、それが身についてしまうかもしれません。
4. 肩代わりする
子どもは危ないこと、汚すこと、散らかすこと、ガラクタが大好き。危ないから散らかるからと代わりにやってあげていませんか?
また、大人の手間を省くためにボタン1つで遊べる玩具や、最近はタブレットでYouTubeを見せている人もよく見かけます。見せないということではなく、身体能力、巧緻性、考える力の成長機会を奪っていないでしょうか。使うタイミングなど、よく考えて使ってほしいと思っています。
5. 放任する
子どもの意志に任せることは、ほったらかすことではありません。やりたいことができるように、見本を見せて教えるのが大人の大切な役割です。例えば、箸を使ってみたいと思っても、一度も見本を見たことがなければ、子どもはぼんやりして不安な状態になり、1人で取り組むことはできないでしょう。
大人は温かく見守って
大人に介入されがちな子どもは、指示に従ったり、指示を出したりするのは上手です。でもどこか不安げで「自分で考えてごらん」「何をしたいの? 」という声かけに、固まってしまう傾向があるように感じています。
子ども達がやりたいことに伸び伸び取り組めて、大人に温かく見守られ、心身がバランス良くぐんぐん伸びていきますように…少しだけ気をつけて日々を過ごしてみませんか。