「どうすればいい?」と聞かれたらチャンス!子ども自身で「考える」クセをつけるために

「どうすればいい?」と聞かれたらチャンス!子ども自身で「考える」クセをつけるために

小学校の先生の経験者であり、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。
今回はりな先生。子どもが自分で考えるクセをつけるためのヒントです。

「これどうすればいい?」と聞かれると「あなたはどう思う?」と聞き返すようにしています。すぐに答えを伝えるのではなく、「まずは考えてみる」という機会を大切にしたいのです。

子どもたちの成長、思考に驚かされる日々

教師の経験、そして1年生の長女の子育てから、よく驚かされることがあります。それは「大人が思っている以上に子どもたちはよく見聞きし、考えている」ということ。決して子どもたちの思考を軽んじているわけではありませんが、日々いろいろな刺激を受ける中で、子どもたちはよく考えているのだなと思います。

1年生担任だったある時、事情があって数分授業に遅れると、子どもたちは自分たちで話し合っています。

「じゃあ、教科書読んでいればいいのかなぁ」

「ドリルやっておくー?」

「読書でもいいんじゃないかな」

まだまだ自分たちで話し合いは難しい、と勝手に判断していたことを、とても反省しました。

「先生が指示する環境」も安心ですが、時には「自分で思考する場面」が子どもたちの成長になるのだと気付かされました。

思考することの良さ

成長すればするほど、常に大人や保護者がいなければならない年齢ではなくなっていきます。少し距離を置いて、難しそうにしている場面を見守るのもとても大切だなと感じます。

そうして見守られながら「自分で思考する」というのがクセになると、様々な場面において「どうしようかな。こうしてみようかな」と自分なりの解決方法を探すようになります。そして「どう考えたの?教えて」と聞くと「思考したことを言葉にして相手に伝える」という練習にもなります。自分が考えたことを相手に伝える、というのはコミュニケーションをとる上で重要です。

また、「これどうしたらいいんだろう?」と聞かれた時には、出番になるのではと思います。「どこまで考えてみた?」と聞いたり、思考のヒントをあげたりしてもいいと思います。先へ先へと子どもよりも前に行って声を掛けるより、後ろから見守り、つまずいても大丈夫という安心感の中で成長していってほしいと思います。

あえて思考する場面を作る

「自分で思考する場面」と聞くと難しく考えてしまいがちですが、考えるきっかけというのは日常の中にあります。

例えばシャンプーを詰め替える場面。長女が「やってみたい!」と言うので自分でやってもらいました。すると手が止まりました。

「こぼしそう。どうやって詰め替えるんだろう?」

「これ・・・切れ目?なんだろう?」

と思考していました。

また、あえてそんな場面を作ることもあります。

先日、トランプで遊んでいたのでふと思いついて「トランプって全部で何枚あるんだろう?」と聞いてみました。

「1、2、3・・・ちょっと多いなぁ。うーん・・・あ、前に七並べしたから・・・」

とつぶやいています。この後どうするんだろう、と私は見守っていました。

思考している最中や、その後に注意したいこと

すぐに答えを伝えたり、「早くシャンプー使いたいからもうママがやるよ」と言ってしまったりすると、それ以上思考することはなくなります。その上、長女の場合は「もうじゃあ次からやりたいって言わない」と逆にやる気を無くしてしまうほどです。

どうしても口を出してしまいたくなりますが、思考している時は、私はぐっと我慢して「見守る」ようにしています。子どもの思考って面白い。そこに育児の楽しさもあるように思います。余裕がないこともあるので毎回はできませんが、できるだけそうしたいと思っています。

そして、思考については合っているか、間違っているかは気にしないようにしています。どんな考えになったか聞いた後は、「なるほどね!そう考えたんだ!」とまずはその考えを認めました。「自分で考えて、それを言葉にして伝えた」という経験を増やしたいと思うのです。


ライター

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ママ先生 りな先生

りな先生こと平野里那(ひらのりな)。元小学校教諭。小1、年中の姉妹のママ。4年半の育休後、高学年を担任しながら家族も大切にして人生を楽しめるママ先生として過ごし、Instagram(@rina_mama_sensei)にて仕事と家庭の両立のコツを発信。現職中に「先生がママ先生になったら読む本」を共著で出版。読売新聞「♯30代の挑戦」掲載。現在は300人を超える「ママ先生の会」を運営しつつ、ママ先生、ワーママを対象にコーチングを軸においたスクールを経営。

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