【入学準備】ママ先生が伝授「お支度の環境を整えよう!」

小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。今回は、はるな先生。今回は、年長さん(新1年生)のママ・パパを対象に、お支度環境の整備について解説します。
何から始める?入学準備
卒園まで2ヶ月を切り、「そろそろ入学準備を本格的に進めなければ」と感じる時期になりました。しかし、何から手をつければよいのか迷っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。学用品の購入や記名、早寝早起きといった生活習慣の見直しなど、入学準備と一口に言っても内容は多岐にわたります。その中でも、日々の支度をスムーズにする「お支度環境の整備」は、お子さんが新しい生活を快適にスタートさせるための重要なポイントです。今回は、親子で取り組むお支度環境づくりのポイントをご紹介します。
お支度環境づくりの基本ポイント
ポイント① 物の定位置を決める
ランドセルやハンカチ、ティッシュ、ランチマットなど、毎日使うものの「置き場所」を決め、支度の仕方を親子で確認しましょう。「どこに置けば取り出しやすいか」「どの順番で準備するか」など、お子さんと相談しながら進めることがポイントです。親が全て決めるのではなく、お子さんの意見を尊重することで、自分で片付けや準備をする意識が自然と育まれます。
ポイント② ワンアクション配置
ランドセルに必要な物をワンアクションで入れられるよう、近くに関連する物をまとめて配置しましょう。体操服や給食着、予備の文房具なども近くに置くと便利です。さらに、空のボックスやスペースを確保しておくと、防寒具や長期休業で持ち帰った物などを一時的に収納でき、整理整頓がしやすくなります。

動線の確保とルーティンの見える化
ポイント③ 動線の確保
ランドセルを置く場所は、準備のしやすさを重視しましょう。蓋を開けるスペースや教科書などを入れる動作がしやすい配置を意識すると、お子さんが自分で準備を進めやすくなります。また、時間割や連絡帳を出す場所、宿題に取り組む場所などもランドセル置き場の近くに設置すると、よりスムーズに準備を進められ効率的です。
ポイント④ ルーティンの見える化
帰宅後や朝のルーティンをイラストや表にして貼り出すと、子どもは一目で「何をすべきか」把握する事ができ、親の声掛けに頼らず自分で準備を進める事ができるようになります。ただし、これには少し時間が必要です。最初から全てをお子さんに任せるのは難しいでしょう。初めは近くで声を掛けたり一緒に準備をしたりしながら進め、少しずつ自分で行える部分を増やしていくことで、自立を促すと良いでしょう。

お支度環境がもたらす成長
お支度環境は単に準備をスムーズにするだけではありません。子どもは、毎日の支度を通じて自分の身の回りを管理する力を少しずつ身につけていきます。この積み重ねが、やがて自立心や責任感を育てる土台になります。
「環境整備なんてしなくても良いのでは?」「まだ親が準備をしてもいいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、お子さんが「自分でできた!」という達成感を味わう経験は、日々の成長を促し、将来にわたって大きな力になります。
大切なのは、完璧な環境を目指すことではありません。お子さんが「自分なりに準備しやすい環境」を一緒に考え、失敗も成功も共に分ち合いながら整えていく事が大切です。親として温かくサポートしながら、無理のない範囲で進めてみてください。きっと、それがお子さんの自立を促す第一歩となることでしょう。