“イヤイヤ歯みがき”卒業!いやがらない歯磨きのコツと仕上げみがきの「イヤイヤ」に使える5つのアイディア

2/2ページ
“イヤイヤ歯みがき”卒業!いやがらない歯磨きのコツと仕上げみがきの「イヤイヤ」に使える5つのアイディア

毎日やらなければいけないことなのに、「イヤイヤ」されて大変なことも多い“歯みがき”。お子さんに「強い歯」をプレゼントするために、今できることを地域の歯科医療にも携わる倉治先生にお聞きしました。
※この記事は小学館「ベビーブック 2025年4・5月号」の内容を掲載しています

いやがらない歯みがきのコツとポイント

むし歯予防の四つ葉のクローバーの中でも特に重要な役割を担う歯みがき。子どもの歯みがきには「自分みがき」と「仕上げみがき」があり、この2つは目的が異なります。
しっかり習慣化できるよう、それぞれのポイントを見ていきましょう。

自分みがき

自分みがきの目的は、歯みがきの習慣化です。実は、自分みがきを嫌いな子はいないのです。この時期は、無理にみがかせようとする必要はありません。最初は歯ブラシを「口に入れる」だけでOK。歯ブラシを「動かす」練習は1歳くらいから始めるといいでしょう。

6か月でもできる「自分みがき」
歯ブラシを自分の手で握れるようになったら「自分みがき」を始めるといいでしょう。歯ブラシを口の中に入れたら、まずはそれだけで思い切りほめましょう!

いやがる場合は
本人が気乗りしない場合は無理にさせなくてもOKです。歯ブラシを握らせて、そのまま仕上げみがきに進みましょう。

歯の本数に合わせて歯ブラシを選ぼう
歯の本数に合う自分みがき用の歯ブラシを選びましょう。のどをつかないようストッパーとなるプレートがついているなど工夫されているものがオススメです。

歯ブラシを噛んでしまう子には
「噛むのはよくない」と伝えることが大切です。「歯ブラシさんが痛いって泣いているよ! 助けてあげて!」など、楽しく声をかけるといいでしょう。

仕上げみがき

自分みがきだけだとみがき残しがあるので、自分みがきの後に必ず仕上げみがきをしましょう。自分みがき用の歯ブラシを握らせたまま、「次はママ(パパ)が失礼しま~す」とバトンタッチする形で進むといいでしょう。9歳か10歳の誕生日まで続けましょう。

年齢 ×1分を目安に
幼児にとって長時間口を開けておくのは難しいものです。1歳なら1分、2歳なら2分と「年齢×1分」を目安に、なるべく手早くみがきましょう。

優しくコチョコチョみがき
子どもの歯はデリケートなので、歯ブラシをコチョコチョと細かく動かします。歯ブラシの先端2列くらいだけを使い、振り幅は1mm程度、1秒間に4、5回動かしてみがきましょう。

□ 2種類の歯ブラシを活用

2種類の歯ブラシを活用

歯の全体をみがくときのブラシと、歯の間や溝、生えかけの歯をみがくポイント用のブラシとを使い分けましょう。なるべく柔らかい毛のものがオススメです。

基本姿勢

1歳までは「抱っこみがき」です。お子さんを膝の上に座らせて、手をおうちの人のわきに挟みましょう。

2歳からはおうちの人の膝の上にお子さんの頭をのせて、仰向けにさせましょう。

これで簡単! みがき方

【上の前歯・上の奥歯】

歯ブラシを持つ手の小指側を子どものほおにのせて固定します。歯ブラシを歯の表面に直角に当てて、くるくるとらせんを描くように1本ずつみがきましょう。

【下の奥歯】

歯ブラシを持つ手の小指と薬指を子どものアゴ下に固定して、反対の手で口を横から開きます。歯ブラシを奥歯の各面に直角に当ててみがきましょう。

【下の前歯】

歯ブラシを持つ手の小指と薬指を子どものアゴに沿って固定します。歯と歯茎の境目と隣接部を念入りにみがきましょう。

仕上げみがきがどうしても「イヤイヤ」なとき 使える5つのアイデア

1.「 指導者側」に なってもらう

「 指導者側」になってもらう

お気に入りの人形やぬいぐるみをおうちの人の膝にのせ、「どうしよう、お口を開けてくれないから歯をみがけないの。助けて!」と声をかけ、実際に人形やぬいぐるみの仕上げみがきごっこをしてもらいます。指導する側にまわることで、徐々に「自分も!」と思うようになります。

2.「あ!」の術

「あ! 雨だ!」「あ!  ネコちゃんが!」など、「え!?」と思うことを言ってみます。するとお子さんは一瞬きょとんとするので、その瞬間にパーッとみがいてしまいましょう。みがき終わったら「歯みがきできたね!」とたっぷりほめましょう。

3.絵本や映像の力を借りる

歯みがきを題材にした絵本を読んだり動画を一緒に見たりしてみましょう。なぜ仕上げみがきが必要なのかを理解し、歯みがきの気持ちよさを知って、楽しく取り組めるようになります。

4.子どもが喜ぶ※電動歯ブラシも活用しよう

音が鳴ったりピカピカと光ったり、キャラクターがついたりなど、子どもが喜ぶ楽しい電動ブラシがいろいろ出ています。お子さんと一緒に選ぶといいですね。

※お買い求めの際は、必ず対象年齢をご確認ください。

5.週に一度は「徹底みがき」を

週に一度は「徹底みがき」を

どんなに工夫してもいやがった場合は、週に一度は「徹底みがき」をしましょう。大人2人が向かい合って子どもの体を固定し、徹底的にみがきます。

丈夫な歯を育てるために大切なこと

❶フッ素を取り入れる
前述のとおり、乳歯は生えた後、1年半~2年かけてエナメル質を完成させます。この時期にフッ素を取り入れることで歯質が強化されます。毎日の仕上げみがきの際にフッ素配合の歯みがき剤を使いましょう。6か月から2歳までは米粒1つ分、3歳から5歳はグリンピース1個分程度に塗り、歯ブラシはぬらさないで指で伸ばし、毛の中に埋め込むようにつけましょう。

❷「ダラダラ食べ」をしない
「正しい食生活」で大切なのは、食べるものの内容よりも、間食の回数が多い「ダラダラ食べ」をしないことです。食事をすると口の中が酸性に傾きます。
この状態が長く続くと歯の表面からミネラル分が溶け出しむし歯の前兆になるのです。甘いおやつやジュースは、食事とセットで「まとめ食べ」するよう心がけて。

❸キシリトールを活用
キシリトールには歯を強くするとともに、口内にあるむし歯菌(ミュータンス菌)を減らす効果もあります。どうしても歯みがきができないときなどにぜひ取り入れてみましょう。幼児にはタブレットタイプがオススメです。歯みがきの後のご褒美にするのもいいでしょう。

❹定期健診を受ける
かかりつけの歯医者さんで定期的に健診を受けましょう。3歳までは年に4回、3歳以上は少なくとも年2回は行くことが目安です。歯の状態のチェックや歯みがき指導をしてもらえるだけでなく、9000ppmという高濃度のフッ素を塗ってもらえます。この濃度のフッ素は家庭用歯みがき粉ではできないので、歯科医院での定期健診が大切なのです。

イラスト/ニシハマカオリ デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/ KANADEL

ベビーブック4・5月号のふろくは、光る!鳴る♪完成品ふろく「アンパンマン ひかって りんりん♪ サイコロボール」

ベビーブック4・5月号のふろくは「アンパンマン ひかって りんりん♪ サイコロボール」。動かすたびにピカピカ光ったり、鈴がリンリンなったりする仕組みで、くり返し遊べる楽しいふろくです。
パーティー帽をかぶったアンパンマンたちの華やかな数字入りデザインと一緒に、光と音を楽しんでくださいね。転がしたり、投げたり、振ったりしてボール遊びで体を動かしましょう!

「ベビーブック 2025年4・5月号」 特別価格:1390円

「ベビーブック」についてはこちら

子どもの健康・発達:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌