新学期の1ヶ月振り返り、子どもの話を聞けていますか? 家庭では休ませることも大切に

まもなくゴールデンウィークです。入学して約1か月、お子さんはきっと学校でたくさんのことをがんばってきました。そんなゴールデンウィークに大切にしたいことをまとめました
話を聴くことの大切さ
「聴く」と「聞く」には違いがあります。「聞く」とは音が耳にただ入ってきている状態のことです。「聴く」には「耳と目と心」という漢字が入っています。自分の体全体を使って、相手の話に積極的に耳を傾ける、理解するまで聴くということです。
優秀な女の子の家庭の背景にあったもの
ある本にこんな話がのっていました。とても優秀な女の子がいたそうです。その女の子は入学してから、お母さんの一言で熱心に勉強するようになったそうです。それは、「ママは子どものころ学校に行けなかったの。だから学校で教わったこと全部教えてほしい」という言葉です。きっとお母さんのために一生懸命勉強しよう、その誰かのためにという力、そして学んだことを外に出すという経験がこの子の力を伸ばしたのだと思います。
インプットとアウトプットの黄金比は3対7とも言われています。子どもが話すというアウトプットの機会を大切にしたいなと感じています。
受け止めてもらう経験
なによりも大好きなお母さんやお父さんに話を聴いてもらった、受け止めてもらったというその経験こそが日々の心の安定につながります。
そうはいっても毎回話を全部聴くというのはなかなか難しいと実感しています。私も、「ママ~」と言われて「あとでね~」と言ったことも何度もありますし、家事をしながら聞いていることもあります。だからこそ、「あとで」といった後に忘れないようにする、一日の中で〇分は話を聴くなど、できることを大切にしています。平日は忙しかったからこの長い休みはたくさんの話を聴く、そんな風にご家庭に合うコミュニケーションの時間が見つけられたらいいなと思っています。
わが子の成長に目を向ける
約1か月間、新しい環境の中でお子さんは大きく成長していると思います。ひらがなが書けるようになった、計算ができるようになった、そういった目に見えやすいことだけでなく、目に見えない部分での成長がたくさんあると思います。その過程に目を向けること大切にしたいなと私は考えています。
「教育とは菊好きな人間が菊を作るようにしてはならない。百姓が野菜や大根を作るようにすべきなのだ」という言葉があります。今から300年も昔、細井平洲という学者の方が残した考えです。菊を育てる人は自分の理想の形があって、それに合わないもの、欠点の目につくものを摘んでしまいます。農家が野菜を育てるときは、欠点があるものを捨てることはありません。日陰に咲いたものも、うねで実をつけているものもそれぞれ精いっぱいに育ってほしいと手を差し伸べます。
目の前の子どもたちにはその子にしかない可能性の種が眠っています。集団生活の中で、周りと比べるのではなく、過去の自分と比べて成長しているところを認めること、私も仕事復帰し、せわしない日々の中で、忘れてしまいがちです。休みのゆとりがある日に意識したいなと思っています。
親子ともに休む時間を大切に
約1か月が経ち、新生活の流れも見えてきたころかなと思います。これまでの生活と変わり、習い事は多すぎていないか、週末の予定がたくさんになっていないか、休むことができているかをぜひ確認してみてください。
学校は集団生活であり、特に最初の4月というのは決まったことも多いと思います。学校生活そのものが大きなストレスになっている可能性もあります。子どもにとって、決まった予定が入ることがストレスな場合もあるからです。ゴールデンウィーク家族の決まった予定が入る日もあるかなと思います。楽しい予定や自分の好きな習い事でストレス発散になることもありますが、大切なのはバランスです。
私が頭の片隅に入れるようにしていることは、自由な時間、ゆっくりする時間の中でこどもは好きなことに熱中し、創造性を伸ばす力をつけている、ということです。近くの公園で思う存分走り回ること、家の中でゆっくりお絵描きをしたり、好きな遊びに熱中したりすることの中に主体的に生きていくヒントが隠されています。
きっとこの1か月間、新しいことをたくさん学んできています。低学年の時期はまだ学習内容もゆとりがあります。枠にはまらない自由な遊びの中に、才能を見つけるヒントがあると信じてゆったりと休む、遊ぶ時間を大切にしていきたいなと思います。
保護者の方もリフレッシュを
きっと保護者の方もガラッと環境が変わり多くのサポートをしてくださったと思います。本当におつかれさまでした。学校生活は学校だけでは成り立ちません。ご家庭でのサポートあって日々の学校生活を送ることができています。特別な予定が保護者の方のリフレッシュになることもあると思います。
私はそうです。反対に、ゆっくり休むことがリフレッシュになる方もいると思います。子どもがいるとなかなかリフレッシュの時間を作ることは難しいですが、頼れるものを頼り、保護者の方が心身を休める時間を作り、また5月からの日々、親子で笑顔で過ごせますよう願っています。