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提供:サノフィ株式会社

「VERY」専属モデル・申真衣さんと考える!

学童期以降の病気の予防として親ができること

株式会社GENDA代表を務め、ファッション誌「VERY」の専属モデルとしても活躍する申真衣さん。 そんな申さんは、この春小学生になる女の子と2歳の女の子のママでもあります。 本格的な集団生活である小学校生活の始まりを目前に、学童期以降の子どもを病気から守るために何をしたらいいか、小児科医の黒木春郎先生に話を聞きました。

子どもを病気から守るワクチン接種

黒木先生コロナ禍のこんなご時世ですが、お子さんの予防接種は順調に進んでいますか?

申さんスケジュール通り進めていますが、「よしやろう!」という気合いは必要です(笑)。仕事を調整して病院に行くため、娘2人まとめて接種したい、副反応の心配があるので接種後にゆっくりできる日がいい、事前予約も必要だし体調が悪くなったら受けられないしと、やりくりは大変です。

黒木先生厳密にスケジュール通りに接種できなくても大丈夫ですよ。遅れてもいいので受けましょう。なるべく指定のタイミングで受けると、医療的にも法律的にもよいのですが、時期がずれても必ず受けることが大切です。

申さん多くの病院は、週末が基本的に休診。気軽には行けないのも悩みです。

黒木先生病気に休日はありませんから、ほとんどの病院が週末そろって休診というのも困りますよね。私のクリニックでは土曜は終日診療していますし、最近は日曜に診察をしているクリニックも見受けられます。多くはないかもしれませんが、探してみるとよいかもしれません。

申さん接種スケジュールは定期的に確認しますが、種類も回数も多く、プレッシャーが大きいです。

黒木先生ワクチンのスケジュールは、私も覚えられません(笑)。忘れないためには、スマホで使えるワクチンアプリがオススメ。とても便利です。あとはかかりつけ医と相談して予定を立ててください。

申さん確かに、かかりつけ医に行くと、知っておくべき情報が得られるという安心感があります。

黒木先生かかりつけの先生を持つのはとても大事です。これからの医療は、病気になったら治療するのではなく、病気にならないための予防へとシフトしていかなくてはいけません。「病気を治す」から「病気にならない」へ、さらにそれによる「よりよい生活の実現」が求められています。ワクチンで防げる病気は、防いでいきたいですね。

よりよい子育てのために何をするべきか。簡潔で核心に触れるコメントが印象的な申さん

入学前に抗体の値が低下? 追加接種したいワクチン

黒木先生小学校入学前に、追加接種をした方がいい任意ワクチンがあるのをご存じですか?

申さん4月に1年生になる長女に、自治体からお知らせが届いたので、おたふくかぜと不活化ポリオワクチン、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日ぜき、破傷風)の追加接種をしました。

黒木先生それは素晴らしい! 日本小児科学会では、おたふくかぜ、百日ぜきとポリオの感染対策として、小学校入学前の時期に追加任意接種を推奨しています。 おたふくかぜは、重症化はめったにしませんが、1000分の1の確率で難聴になるリスクがあります。かかっても分からないことが多く、上の子がおたふくになった後、下の赤ちゃんの耳が聞こえていないと気付くことがあります。小さな子どもの耳が聞こえていないというのは、はたから見ていても意外と分かりづらいもの。そして、耳が聞こえるかどうかは子どもの発達に大きな影響を与えます。ワクチン以外で防げず、かかったら治療法はありません。1回では免疫が落ちてくるので、追加接種が必要。1歳で1回目を受けたらその1年後を目安に、入学前までには受けてほしいです。 百日ぜきは、時々小流行が発生していますね。長期間せきが続き、赤ちゃんが重症化すると呼吸困難になって危険です。これも入学前に追加接種をぜひ受けてほしい。 ポリオは、症状が現れないことが多いですが、まれに重症化すると手足のまひを引き起こします。日本では1960年代に大流行して、今も体にまひが残っている人がいます。

申さんビル・ゲイツ氏がポリオ根絶のために活動していますね?

黒木先生途上国や戦争地帯で流行しているので、その撲滅事業を支援しているようです。 身近に感染がないから、ウイルスが存在していないと思ったら間違い。皆さんが予防接種をすることで流行を防いでいるんです。昨年イギリスやアメリカで十数年ぶりにポリオウイルスが検出され、アメリカではポリオ患者が確認されています。すでに国際的に広がっており、いつ日本に入ってきてもおかしくない状況です。発症したら治す薬はない。そして、ワクチンを接種しても徐々に抗体の値は低下するので、追加接種が必要なんです。

申さんなるほど。今の世界の状況を考えると、小学校入学前の不活化ポリオワクチン追加接種の周知の意義は大きいですね。

[ 小学校入学前にワクチンの追加接種が望ましい病気 ]

※黒木春郎先生の話を元に作成

おたふくかぜ
ムンプウイルスによる発熱や耳下腺の腫れが特徴の感染症。罹患(りかん)すると、1000分の1の確率で難聴になるリスクがある。治療法なし。
百日ぜき
百日ぜき菌による長期間せきが続く感染症。診断が難しく発見されづらいため、小流行が発生する。赤ちゃんは呼吸困難など重症化することも。
ポリオ
ポリオウイルスによる感染症。症状が現れないことが多いが、まれに重症化すると恒久的な手足のまひが残る。不活化ポリオワクチンの抗体の値は徐々に低下する。治療法なし。
2023年4月、子育て世代へ医療情報を届けるための新しいクリニックを、東京都港区に開業する予定という黒木先生

任意接種ワクチンも受けた方がいい?

申さん定期と任意では、ワクチンにどのような違いがあるのですか?

黒木先生定期のワクチンは重要、任意は重要ではないという違いは、医学的にないんです。子どものために案内されている予防接種は、ぜひ受けてほしい。しかし、任意は自費なので、接種率が下がってしまいます。私が開業している千葉県いすみ市では、ほとんど全ての任意接種ワクチンに公費助成を行っており、不活化ポリオワクチンもその対象。多くの子どもが小学校入学前に追加接種をしています。不活化ポリオワクチンに関しては、他にも複数の自治体で助成がされています。

申さん受けたい人に対して、自治体から助成があることは大切ですね。

黒木先生ワクチンの存在自体を知らなければ、防げる病気も防げません。助成がない自治体では案内がないこともあるので、行政からの発信に頼るだけでなく、自分で情報をキャッチしていくことも大切ですね。

子どもを守るための親と医療と社会の役割

申さん私は幸いにも、自治体のおかげで追加接種があることを知りましたが、情報がなくて気付けなかったママ・パパも多いと思います。一方で、インターネットの情報も玉石混交だと感じます。親として、どのように情報を集めればよいのでしょう。

黒木先生まず、信頼できるかかりつけ医を見つけることですね。 おっしゃる通り、日本は子育て世代に対する医療情報の発信が弱いと私も感じています。ワクチンで救える子どものためにも、ワクチン接種は広がらないと意味がありません。広がり切らないのは、情報の伝達と助成の不足です。基本的に、子どもを守るためのワクチンは全て無料の定期接種にするべきだと思います。 ワクチンの接種を受ける・受けないは個人の選択。でも、全ての親に選択肢を提示しなくてはいけません。「知らなかった」がなくなる社会にしていかなくてはいけないと思います。 そして、医療の立場にいる私自身、ワクチンなどの病気予防についてはもちろん、スマホの与え方から、テレビの見方、身長の伸び方まで、いかに子どもを育てるのかという家庭の問題に対して情報を発信したいと考えています。今それを実現させるために、新しいクリニックの開設を準備しているところなんですよ。

申さんそれは子育て世代にとって、とても興味深い取り組みですね!

写真:申真衣さん

申真衣(しんまい)さん

VERY専属モデル。起業家。東京大学卒業後、外資系証券会社に11年勤務。現在は共同創業した会社の経営の傍ら、2020年3月号からVERY専属モデルとして活躍中。6歳と2歳の女の子のママ。

写真:黒木春郎先生

黒木春郎先生

外房こどもクリニック院長。千葉大学医学部臨床教授。公認心理師。日本小児科学会専門医・指導医。日本感染症学会専門医・指導医・評議員。不活化ポリオワクチン5回目追加接種の定期化に向けた活動を行う。

【資材番号欄】2023年2月作成 MAT-JP-2301035-1.0-02/2023

問い合わせ:サノフィ https://www.sanofi.co.jp/

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